キャリアメイキングに苦労したり、悩みや不安を抱えているポテンシャルある人材にときに厳しい目線を交えながら、客観的にアドバイスを行っていきたい

企業も個人も、「働く」というテーマに真剣勝負で臨まねばならない時代に

私が「ヘッドハンター」という仕事を初めて知ったのは、米国留学後に現地企業でインターンとして活動していた頃のこと。たまたまヘッドハンター数名とお会いする機会があり、こんな仕事があるのかと気づかされたのとともに、彼らのコミュニケーション力の高さや人間力の高さに魅力を感じました。

帰国後、ベンチャーの教育系会社で人事責任者を務めていたとき、今度は仕事で関わる機会に恵まれました。ちょうど在籍企業が成長期にあり、競合他社から優秀な人材をヘッドハントしてほしいとトップからオーダーがあったのです。国内外のリテイン型 エージェントのヘッドハンターとお会いしましたが、彼らのプロ意識の高さに加え、裁量も大きいが責任も重く、アップオアアウト(昇進するか、それとも辞めるか)は自分の実力次第という働き方 にも関心を抱き「自分自身の職」として意識するように。その後、仕事でお付き合いのあったエージェント からのお誘いを受ける形でこの業界に入りました。

景気回復が報じられている一方で、企業の経営環境・競争環境は激化の一途をたどっています。安定した雇用・就業環境が望みにくくなっていることは、今さら述べるまでもないでしょう。企業も個人も、“成果を出す”ということに関して真剣勝負で臨まねばならない時代になっていると感じます。

そのため個人サイドから見れば、中長期のキャリアについての相談に乗り、的確に助言してくれる存在が重要になってきていると思います。ただ友人知人・職場の上司など近しい人には相談しやすい利点もある一方、公平・客観性・専門性が必ずしも担保できるわけではありません。

一方、優秀なヘッドハンターはキャリア形成全般についての幅広い知識と、ケーススタディ、客観的視点を備えています。採用市場の動向を踏まえ、冷静かつフェアな目で個人のキャリアを判断し、中長期的な観点でのトータル・アドバイスも行います。

キャリアメイキングに苦労していたり、客観的な観点でのアドバイスを求めておられる方は、ぜひ相談相手としてご自身に合うヘッドハンターを見つけて欲しいと思います。

福留拓人さん

少子化を見据え、優秀な若手人材を確保しようとする成長企業が増加中

先に述べたとおり、国内経済は今、数値上では活況を呈しています。企業業績も大手企業を中心に概ね好調で、どの業界においてもおしなべて求人数が増えています。

以前と比較すると、若手に対象を広げて 将来の経営者候補を真剣勝負で採用しようとする企業の数が随分増えた印象があります。今はまだ現職の経営者が健在である企業でも、「将来を見据えて優秀な後継者候補となる人材を確保しよう」とする動きが出ています。

欧米に目を向けると成長業界だけでなく、多くの業界で、しかも規模の大きい企業であっても30代後半のCEOを見かけることが珍しくなくなりました。経営者の若返りは、世界規模で急速に進んでいるのです。

とらえ方によっては30代、40代の若い方であっても、しっかりとしたキャリアメイキングを行い目の前のタスクを確実にこなして実績を積み上げていけば、以前よりもはるかに早いスピードでキャリアアップできる環境になりつつある、ということ。若くして重要なポジションに就くことも可能な時代になってきたと言えるわけです。

日々の仕事に忙殺されると、なかなか将来のキャリアについてじっくりと考え抜く機会が持てないものです。定期的にキャリアの棚卸しを行い、ご自身の立ち位置をチェックする機会を積極的に作っていただければと思います。

福留拓人さん

福留拓人さん

東京エグゼクティブ・サーチ株式会社 取締役社長

福留 拓人さん

東京エグゼクティブ・サーチ参画以前は米系コンサルティングファームにて米国・欧州進出企業のための進出支援プロジェクトに従事。日本へ帰国後はオリックス株式会社に勤務した後、教育系企業のCHO(最高人事責任者)を歴任。顧問企業での常駐型人事コンサルティング・プロジェクトにも従事。経営会議への定例出席、HR観点からの戦略的助言や経営レベルからの採用・教育・制度設計のコンサルティングもサーチと付随して手がける。プライベートで六本木男声合唱団倶楽部で活動。

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