仕事の中で使うことの多い、「サマリー」という言葉。実は、正しく意味を理解していないという人もいるのではないでしょうか。この記事では、サマリーの意味や混同しやすい言葉との違い、ビジネスでのサマリー作成のポイントなどをご紹介します。
「サマリー」とは?正しい意味を紹介
サマリーとは、英語の「summary」が語源で、「要約」「要点」などを意味する言葉です。英語でも同じ意味で使われています。ビジネスにおいては、会議や打ち合わせの報告書やレポート、企画書などの重要な部分を端的に要約した文章を指します。サマリーに目を通せば全体の概略がわかるので、文書のすべてを読む時間がない相手に提出する場合や、要点を先に伝えたい場合などに、文書の冒頭に添えるケースが多いようです。職務経歴書の冒頭に入れる、自身の経歴の概略もサマリーと呼びます。
なお、企業の事業計画書に添えるサマリーを「エグゼクティブサマリー」、株式市場などの市場動向をまとめたものを「マーケットサマリー」と言います。また、IT業界では大規模なデータを集計したものを「サマリー」と呼ぶことがあります。
「サマリー」と間違えやすい用語を解説
サマリーという言葉と混同しやすいビジネス用語について、それぞれの意味と違いを解説します。
アジェンダ
サマリーが要約であるのに対し、アジェンダ(agenda)は「議題」のことを指します。英語では「予定表」「計画」を意味し、ビジネスの場では、例えば会議などでこれから話し合われる議題を端的に提示したものをアジェンダと呼びます。会議の冒頭にアジェンダを共有することで、参加者全員がこの会議で何が話し合われるのか認識することができ、その後の議論や意思決定が円滑に進むようになります。
レジュメ
レジュメはフランス語の「résumé」を語源とし、「要点」や「まとめ」という意味を持ちます。サマリーと混同されがちですが、サマリーが文書の要約であるのに対し、レジュメは会議などで報告される内容をまとめたものを指します。
会議でこれから話し合われる議題がアジェンダであるのに対し、レジュメはすでに決まっている内容の概要をまとめたものを指します。プレゼンテーションの際に、話す内容を要約した資料をレジュメと言うケースもあります。その意味合いから、職務経歴をまとめた履歴書のこともレジュメと呼びます。
アブストラクト
アブストラクト(abstract)もサマリーと同様、「要約」や「要旨」という意味を持ちます。ただ、サマリーがビジネスシーンで使用されることが多いのに対し、アブストラクトは研究内容の報告書や論文に使われることが多い言葉です。例えば、論文全体を短くまとめたものを「論文のアブストラクト」と呼び、アブストラクトを見れば、論文の背景や結論などを端的に把握することができます。
アウトライン
アウトライン(outline)は、物事の輪郭を表す言葉で、ビジネス文書の「あらすじ」「あらまし」を指します。サマリーと同様、物事の概要を簡単に表すときに使われますが、サマリーのように要約するのではなく、内容を箇条書きでリスト化する際に使われることが多い言葉です。
例えば資料を作成する際に、どういう骨子で作成するか箇条書きでまとめたり、仕事を進める際にやるべきことを列挙したりしたものをアウトラインと呼びます。
読みやすい「サマリー」を作るポイント
ビジネス文書の要点が端的に伝わる、わかりやすく読みやすいサマリーを作るポイントをご紹介します。
内容は箇条書きに
サマリーは文書の要点をまとめたものであり、長々と書くものではありません。シンプルな文章でまとめることが重要ですが、要点を箇条書きにしたほうが読み手に一目でポイントが伝わりやすくなります。箇条書きにすると、重要な部分がシンプルに伝わるだけでなく、記憶にも残りやすくなるというメリットもあります。
数値を伝える際はグラフや表を用いる
数値やデータを伝える場合、文章で伝えるよりもグラフや表を用いたほうが視覚からダイレクトに伝わります。傾向や結論など、伝えたい数値情報が端的に伝わるよう、簡略化したグラフや表を用いるのがポイントです。
客観的事実のみまとめる
サマリーはあくまで全体の要約なので、自分の感情や意見などといった主観は盛り込まないのが通常です。客観的な事実のみを簡潔にまとめることで、内容がより正確に伝わりやすくなります。
「サマリー」上手だとビジネスで評価されやすくなる
ビジネスにおいては、重要なポイントや要点を抽出し、わかりやすく相手に伝わるスキルは必須です。正しい情報が簡潔かつスピーディーに伝われば、周囲と共通認識を持てるようになり、周りを巻き込み動かしやすくなります。
企画書や提案書の内容が、サマリーで正しく端的に伝われば、上司から評価されやすくなりますし、プレゼン資料の内容がわかりやすく伝われば、商談の成功率も上がると期待されます。
伝わりやすいサマリーを作るためには、箇条書きにするなど前述のポイントを押さえる以外に、普段の業務でも「この仕事の要点は何か?」を考える習慣をつけるといいでしょう。ビジネス文書ではなく口頭で何かを伝える場合も、頭の中で要点を整理し、先に伝えるように習慣づければ、より的確で伝わりやすいサマリーが作れるようになるでしょう。
現在では、文章を自動に要約するツールやサービスなどもあります。このようなツールをうまく活用しながら、効率的にサマリーを作成するのも一つの方法です。
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