「マネタイズ」とは?言葉の意味や使い方、代表的な手法、具体例まで紹介

「マネタイズ」という言葉に対し、「どういう意味で使われているのか」「どのようなシーンで使うのか」と疑問を持つ方もいるでしょう。
今回は、マネタイズの意味やビジネスシーンでの使い方の例などを組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。また、マネタイズの具体的な手法についても解説するので、今後のビジネスの参考にしてみましょう。

「マネタイズ」とは

「マネタイズ」とは、無収益のサービスなどを収益化することを意味します。
英語表記は「monetize」で、「物や資源を現金化する」「収益化する」などを意味していますが、もともとは「金属を貨幣として鋳造する」という意味で使われており、「法定通貨や法廷貨幣として定める」「国債や公債などを貨幣化する」などの意味も持っています。

ネットサービスやWebコンテンツなどを有償・有料化、収益化させるWebビジネスが拡大化していく中で、現在の意味で「マネタイズ」という言葉が使われるようになったとされています。

「マネタイズ」をビジネスシーンで使う際の例文と注意点

「マネタイズ」という言葉をビジネスシーンで使う際の例文と、似ている言葉との違いについてご紹介します。

「マネタイズ」を使った例文

マネタイズをビジネスシーンで使う場合の例文をご紹介します。

<例文>

・自社メディアの閲覧数が増えてきたので、これからマネタイズしていく
・サービスの質は十分に高い。マネタイズ面の課題をどうクリアすればいいのか
・あのコンテンツはマネタイズすることが難しい
・マネタイズしやすいのは、やはりSNSだと思う

「マネタイズ」の間違った使い方

マネタイズは、無収益のサービスやコンテンツを収益化する意味を持つため、すでに有料化されているなどで収益をあげているサービス・コンテンツには使わないものと考えましょう。

以下に、マネタイズを間違って使った場合の例文をご紹介します。

<間違った使い方の例文>

・サービスの価格を上げたら、マネタイズがうまくいかなくなった
・課金サイトの解約数が増加し、マネタイズできていない

「マネタイズ化」「マネタイゼーション」という使い方はしない

「マネタイズ」という言葉そのものが「収益化」という意味のため、「マネタイズ化」は誤使用となります。また、「マネタイゼーション」は、一般的には「資産や資金を現金化すること」「貨幣を発行すること」という意味で使われるため、マネタイズとは意味が異なります。なお、「マネタイジング」は「マネタイゼーション」と同じ意味を持っていますが、マネタイズと同義で使われる傾向があります。

「マネタイズモデル」と「ビジネスモデル」の違い

マネタイズモデルとは、「収益を得る方法」そのものを指します。「何をするか、どのような仕組みによって収益を得るのか」という点のみにクローズアップした言葉です。
一方、ビジネスモデルとは「商品やサービスの提供を通じて、顧客やユーザーから収益を獲得する仕組み」を指します。「どのような付加価値を生み出し、それをどうやって顧客やユーザーに届けるか」が焦点となります。

「マネタイズモデル」の代表的な手法と具体例

マネタイズモデルの代表的な手法と具体例をご紹介します。今後、ビジネスの収益化に向かう際に参考にしてみましょう。

課金型マネタイズモデル

サービスやコンテンツを提供し、ユーザーからの課金や会費を得ることで収益化する手法です。自社運営だけでなく、ブログサイト、動画配信サイト、SNSなどの機能を利用するマネタイズ方法もあります。

<具体例>

【ゲームアプリ課金】
自社運営のゲームアプリ内で有料アイテムなどを提供し、ユーザーに課金する。

【サブスクリプションサービス】
無償提供の自社コンテンツやサービスに対し、アップグレードしたものを提供。一定期間の利用に対する料金をユーザーに課金する。また、クラウドサービスの一つであるSaaS(Software as a Service)もこれに分類される。

【オンラインサロン】
SNSなどでユーザーを集客し、コンテンツや情報交換の場などを提供することで会費やコンテンツ閲覧料金などを得る。

広告型マネタイズモデル

自社メディアやブログサイト、動画配信サイト、SNSなどを通じて無償コンテンツの提供を行い、コンテンツへの広告掲載によって収益化する手法です。
企業の広告掲載料金を得る方法と、サイト・サービス運営企業から掲載広告に対するユーザーのアクションなどに応じた報酬を得る方法があります。

<具体例>

【クリック/インプレッション型】
提供する無償コンテンツ内に、バナー広告や動画広告などを掲載する。クリック型は、ユーザーのクリック数やアクセス数に応じて報酬が支払われる。インプレッション型は、広告表示回数やフォロワー数などに応じて報酬が支払われる。

【成果報酬型】
自社サイトやブログなどの提供コンテンツにアフィリエイト広告を掲載する。広告に対するユーザーのアクションに応じて報酬が支払われる。

EC型マネタイズモデル

インターネット通信販売の仕組みを提供し、出店料・手数料などで収益化する手法です。

<具体例>

【ショッピングモール型ECサイト】
自社運営の総合ECサイトにEC販売を行う店舗を集め、出店者から出店料、販売手数料、広告掲載料などを得る。

【ASP型ネットショップ】
ネットショップの機能をASP(アプリケーションサービスプロバイダ)として提供し、出店者から出店料や手数料、ランニングコストを得る。

仲介型マネタイズモデル

マッチングサービスを提供する自社プラットフォームを運営し、商品・サービス提供者とユーザーを結びつけ、売買成立時の手数料を得ることで収益化する手法です。

<具体例>

【フリマアプリ】
フリーマーケットのように売買ができるプラットフォームを通じて、出品者・購入者から売買手数料を得る。

【不動産仲介サイト】
不動産売買の仲介を行うポータルサイトを運営し、物件オーナーや不動産会社から物件掲載料や仲介手数料を得る。

【そのほか】
飲食店の口コミサイト、クラウドソーシングのマッチングサイトなど。

「マネタイズ」の収益モデル事例を参考にすることもおすすめ

マネタイズについて考えるビジネスシーンとしては、新規事業の企画・立ち上げや無償サービスの収益化などを行うときが挙げられます。その際、ひらめいたビジネスアイデアをどのようなビジネスモデルに落とし込むかだけでなく、どのように「収益化=マネタイズ」していくのかを考える必要があります。マネタイズモデルの種類や違いを理解した上で、参考になりそうな事例の収益モデルを調べ、自社の事業をマネタイズしていく方法を考えてみることもおすすめです。

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粟野友樹(あわの ともき)氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。