大阪府は8月2日の報道発表で『第1回大阪版健康・栄養調査結果(速報版)』を公表。「主食の重ね食べを控えて」と警鐘を鳴らし、多くのニュースメディアなどでも取り上げられました。
『重ね食べ』とは『お好み焼き+ごはん』など、主食をおかずに主食を食べることであり、これは「大阪の食習慣」としてテレビやネットでたびたび取り上げられていることで全国的にも認知されています。
そして、この報道を受けソーシャルメディア上では「いちいち言われなくてもわかってる」「美味しいから仕方ない」「『粉もん+ごはん』なんて食べない。うちはお好み焼きと焼きそばだ!(どっちも主食と主食)」といった大阪の人とみられる反応や、「都市伝説じゃなかったのか」「よくよく考えると恐ろしい組み合わせ」といった驚きの声も上がっている。
この重ね食べ、実はビジネスパーソンのパフォーマンス低下を引き起こす一因ともいわれています。炭水化物を多く摂取したあとは急激な睡魔に襲われ、午後の仕事になかなか集中できない、なんていうことも、多くのビジネスパーソンが一度は経験しているのではないでしょうか?
そんな厄介な『重ね食べ』ですが、仕事のパフォーマンスへの影響はもちろん健康にも良くないことは想像に難くないと思います。しかし、健康に良くないとなんとなく分かっていても、「なぜ良くないのか」「どのように良くないのか」を知らない人も多いはず!
そこで、病院で日々の病院食を管理されている管理栄養士の方に「栄養学的にどのように良くないのか」を実際に聞いてみました。
大阪府は8月2日の報道発表で『第1回大阪版健康・栄養調査結果(速報版)』を公表。「主食の重ね食べを控えて」と警鐘を鳴らし、多くのニュースメディアなどでも取り上げられました。
『重ね食べ』とは『お好み焼き+ごはん』など、主食をおかずに主食を食べることであり、これは「大阪の食習慣」としてテレビやネットでたびたび取り上げられていることで全国的にも認知されています。
そして、この報道を受けソーシャルメディア上では「いちいち言われなくてもわかってる」「美味しいから仕方ない」「『粉もん+ごはん』なんて食べない。うちはお好み焼きと焼きそばだ!(どっちも主食と主食)」といった大阪の人とみられる反応や、「都市伝説じゃなかったのか」「よくよく考えると恐ろしい組み合わせ」といった驚きの声も上がっている。
この重ね食べ、実はビジネスパーソンのパフォーマンス低下を引き起こす一因ともいわれています。炭水化物を多く摂取したあとは急激な睡魔に襲われ、午後の仕事になかなか集中できない、なんていうことも、多くのビジネスパーソンが一度は経験しているのではないでしょうか?そんな厄介な『重ね食べ』ですが、仕事のパフォーマンスへの影響はもちろん健康にも良くないことは想像に難くないと思います。しかし、健康に良くないとなんとなく分かっていても、「なぜ良くないのか」「どのように良くないのか」を知らない人も多いはず!そこで、病院で日々の病院食を管理されている管理栄養士の方に「栄養学的にどのように良くないのか」を実際に聞いてみました。
「お好み焼きには罪はない」
『粉もん+ごはん』の組み合わせは、栄養学的にどのような問題がありますか?
まず、『粉もん』で想像される中にお好み焼きがあると思いますが、お好み焼きは栄養学的に優れた食事だと言えます。なぜならば、お好み焼きには炭水化物のほかに、大量のキャベツと良質なたんぱく質が取れるお肉が入っており、栄養のバランスが良いんですよ。なので、お好み焼きは単体ですと、むしろオススメできる食事です。しかし、問題になるのは『+ごはん』の部分です。この『+ごはん』が追加されることで、炭水化物という栄養素を突出して摂取することになり、これが問題に繋がってくるんです。
なぜ炭水化物が多いと問題なのでしょうか?
炭水化物を摂り過ぎると、糖尿病などの健康リスクが発生する要因になるからです。三大栄養素である、たんぱく質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbon)のバランスのことを、それぞれのアルファベットの頭文字からとってPFC比と言います。このバランスが崩れることで、糖尿病などの生活習慣病の発症率が高まると考えられます。
PFC比において、炭水化物の割合はどの程度だと問題になるのでしょうか?
問題のない目安としては食事全体の50~60%程度ですが、お好み焼きだけでも炭水化物の割合はおおよそ45%ですので、そこにごはんが加わると、ごはんの量にもよりますが60%は確実に超えるでしょう。60%を超えるような食生活を継続すると糖尿病リスクが高まるため、注意が必要です。そして、お好み焼きをおかずにご飯を食べるとなると、味付けを濃くするためにお好み焼きのソースやマヨネーズの量も増えると思うので、塩分も気になります。せめてマヨネーズはカロリーハーフのものを使ってほしいですね……。
では『粉もん+焼きそば』の場合はいかがですか?
大差ないですね。焼きそばと野菜の量にもよるところはありますが、オススメはできません。
『そのほかの粉もん+ごはん』ではいかがでしょうか?
たこ焼きは栄養バランスが良いとは言えませんので、オススメできません。そのほかでは、量にもよるのですがラーメン半チャーハン、ラーメンライス、うどんミニ天丼などはPFC比としてバランスが悪いと思います。
『重ね食べ』にも人によって向き不向きがあった
『重ね食べ』を特にしないほうがいい人はいますか?
すでに糖尿病の方、肥満の方は特に注意が必要です。また、高血圧の方もなるべく注意していただきたいです。あと、糖尿病は遺伝的な要因がありますので、身近な血縁者に糖尿病の方がいらっしゃる場合、日常的に食生活に気をつけていただきたいです。
では逆に、あまり気にしなくていい人もいますか?
日ごろから体を動かすお仕事をされている方はあまり気にされなくていいですし、むしろ栄養バランス的には良いと思います。理想的な栄養バランスは職業によっても異なりますので。また、さほど体を動かす仕事ではない方の場合にも週1回程度の『重ね食べ』であれば、ほかの日の食事にもよりますがあまり気にしなくて良いと思います。
「お好み焼き自体はオススメできる食べもの」
先ほど、お好み焼単体は栄養的にもオススメできる、とお聞きしましたが、より積極的に食べてほしい人はどんな人ですか?
お好み焼きは栄養バランスが良いので、単体としてはみなさんにオススメできると思いますが、特に栄養不足になりがちな高齢者にオススメです。また、大阪府が出した同じ調査の中で「高校生の約2割が食事の代わりに菓子パンを食べる」という点が気になりました。菓子パンの成分はケーキと変わらないので、ケーキを食事代わりにしているのと同じです。それならば、育ち盛りですからお好み焼きをどんどん食べてほしいです。
『重ね食べ』は心の栄養に!
やっぱり『粉もん+ごはん』がやめられない! という人にアドバイスはありますか?
やはり程度の問題だと思いますので、『粉もん+ごはん』を食べた日は、翌日以降に野菜の多い食事をとったりするなど、日々の食事の中でトータル的にバランスが取れる形で調整していただければ良いかと。好きなものを食べることも心の栄養として大事ですので。
まとめ
・『粉もん+ごはん』は炭水化物過多になりやすいため、糖尿病リスクが高まる。
・特に注意が必要なのは、すでに糖尿病の方や肥満の方。
・『粉もん』単体では、お好み焼きは栄養バランスが優れているので、むしろオススメ。
・でもやっぱり好きなものを食べることは心の栄養として大事だから、日々の栄養バランスに気をつけて、美味しい食事を楽しみましょう!
最後に、「お好み焼きの生地にピューレにしたニンジンなどを入れるとより栄養バランスが良い」と病院食を日々管理されている方ならではの素敵なアドバイスもいただきました。 やっぱり大好きなものはこれからも食べ続けたいですね。そのためにも、まずは日々の栄養バランスに気を配りたいものです。