【2023年】化学業界の転職市場は今後どうなる?

化学業界のイメージ画像

化学業界の2023年転職市場の求⼈・求職者の動きを、業界に精通した株式会社リクルートの人材領域で活躍するキャリアアドバイザーがレポートします。「2023年の転職市場や業界トレンドを知りたい」「納得感のある転職活動のために、採用動向を知っておきたい」という方はぜひご一読ください。

化学業界の2023年転職市場の展望を一言でいうと

 

採用は引き続き活況。女性管理職の採用ニーズも広がり始める。
求職者はベンチャーに関心を持つ方が以前よりも増えている傾向にある。

1.【化学業界】業界・企業側の動き

原油価格の高騰や半導体不足などの影響は受けつつも、採用が減速する動きはありません。背景には顧客の幅が広いことが挙げられます。また、世界的な要請であるCO2排出量の削減など、環境面で取り組まなければいけない課題が大きいため、事業自体が進化を求められており、採用も必須となっています。

引き続き半導体、ライフサイエンス領域は採用が活況です。半導体については、求人が出ている分野や工程に差があります。EV市場は引き続き活発で、電池関連の採用は高めのニーズを保っています。研究開発が強化されている領域においては、経験者を軸に採用をしていますが、元々研究者が少ないため、人手不足が続いています。そのため、実務での経験が足りなくても、大学時代に少しでも触れたことがあれば採用ターゲットに入るようになっています。新規事業企画のポジションもなかなか充足せず、企業規模を問わず求人が出ており、より活況になっています。

女性管理職をターゲットにした求人が、大手だけでなく幅広い企業から出始めています。各企業の統合報告書に記載する必要があったり、人的資本経営の取り組みが盛り上がっていたりすることが背景にあると考えられます。

2.【化学業界】求職者側の動き

求職者が大手企業への入社にこだわる傾向が、あまり強くなくなってきた印象を受けます。何を仕事にできるのかを重視し、環境関連のベンチャーに関心を持っているという声も聞く。また、働く時間や場所など、柔軟な制度に魅力を感じてベンチャーを選ぶケースも出てきており、以前は大手志向の方が多かった領域ですが、個人の志向の変化が見てとれます。

<化学業界の転職動向>

化学業界 転職者数の推移

出所:リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析

足立絵美

大学では化学を専攻し、リチウムイオン蓄電池を研究。リクルートキャリア(現リクルート)入社後は、大手製造業(化学・自動車・技術者派遣)を中心に法人営業を担当した後、化学のハイキャリアのエンジニアを中心に転職活動を支援。

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