「ルーチンワーク」とは?主な仕事内容と向いている人と、転職のポイントを解説

ルーチンワーク

「ルーチンワーク」を中心とする仕事がしたいと考えたとき、転職活動でどのようなポイントを考えればいいのでしょうか。「仕事の選択肢」「向いている人」「転職を実現させるポイント」などについて、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏が解説します。

ルーチンワークとは?

ルーチンワークとは、決まった手順に沿って繰り返し行う「定型」の業務を意味します。「ルーティンワーク」とも呼ばれます。業務内容によって、日単位・週単位・月単位など、ルーチン作業の周期が異なります。 

ルーチンワークが比較的多い仕事

ルーチンワークがメインとなる仕事、ルーチンワークの比率が高い仕事としては以下のようなものが挙げられます。 

事務系

一般事務・営業事務・経理事務・貿易事務といった事務職全般は、ルーチンワークが多くを占める傾向があります。データ入力、ファイリング、電話対応、来客対応、ビジネス文書作成、伝票作成、郵便物や荷物の発送・受け取りなどは、事務業務を効率化して生産性を高めるために、多くの業務が定型化されています。ただし、顧客や状況によっては作業内容が異なることもあるので、対応力やホスピタリティが求められます。 

調査・点検系

環境調査や建築物調査、あるいは設備・機器の点検などは、あらかじめ決められた項目と手法に沿って測定やチェックを行うため、ルーチンワークと言えるでしょう。ただし、業務の性質から、「違和感」や「問題点」に気づく力が必要となります。 

なお、マーケティングリサーチなどの分野でも、データの収集(アンケート調査など)や集計部分に関しては、ルーチンワークが中心となります。 

製造・物流系

メーカーの製造現場における機械・装置のオペレーション、監視、メンテナンス、検品などはルーチンワークが中心です。また、物流施設や倉庫などでは、荷物の仕分け、梱包、出荷などの作業のほか、配送スケジュール管理・車両管理・人員配置などのルーチンワークがあります。 

ただし、製造・物流系でも、完全にマニュアルが決まっているルーチンワークは、パート・アルバイトや派遣スタッフに任されることが多く、トラブルが発生した場合は正社員や現場責任者にエスカレーションされるため、ルーチンワークが多いかどうかは雇用形態によって異なります。 

接客系

接客業の中でも、来客に対応する「受付」「案内」などは定型化されており、ルーチン業務が中心となります。また、コールセンターのオペレターやカスタマーサポートなどの、問い合わせを受けてマニュアルに沿った対応をする仕事も、ルーチンワークと言えるでしょう。 

ただし、不動産・旅行・金融サービスのカウンターセールスに関しては、来客に対して接客を行いますが、相手に応じて対応を変えたり、提案内容を考えたりするため、ルーチンワークの割合は低くなります。 

EC系

Eコマースの分野では、オンラインショップに掲載する商品の管理、商品の写真・情報の入力、受注対応、発送などのルーチンワークがあります。 

ルーチンワークに向いている人の特徴傾向

ルーチンワークに向いている人の特徴としては、次のような傾向が見られます。 

根気強い人 

日々同じ作業を繰り返すことが苦にならず、根気強く続けられる人はルーチンワークに向いていると言えます。 

1人で黙々と、コツコツ作業を進めたい志向の人にもマッチします。 

集中力が続く人

同じ作業を繰り返していると、慣れてきて集中を欠き、思いがけないミスを起こしてしまうこともあるものです。集中力を継続し、注意深く遂行できる人が重宝されます。 

明確なタスクを処理するのが得意な人 

課題や目的が明確な仕事を、依頼や指示に忠実に確実に実行できる人は、ルーチンワークで強みを発揮できるでしょう。マニュアルやルールをきっちりと守れることも重要な要素です。 

ルーチンワークが多い仕事に転職するポイント 

ルーチンワークが中心の仕事や、ルーチンワークの比率が高い仕事に転職するために、企業選びや選考で意識しておきたいポイントをお伝えします。

「繰り返し業務」が多い仕事に応募する 

1日の仕事・1週間の仕事の流れ、年間の仕事のスケジュールなどが明確に決まっている業種・職種の求人を探してみましょう。転職サイトで「ルーチンワーク」のワードで検索すると、該当する求人が見つかることもあります。 

また、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を推進している企業にも注目してみてください。デジタルを活用して効率化を図り、業務の標準化やツールの導入を行った企業では、それらを運用するルーチンワークの仕事も一定数ある可能性が考えられます。 

応募書類や面接では「正確性」「継続力」などをアピールする 

ルーチンワークの求人に応募する際には、これまでの職務経歴の中で「正確性」「継続力」などを発揮した場面を振り返って整理し、具体的なエピソードを交えて語れるようにしておくといいでしょう。 

「イレギュラーな対応」「改善」などの姿勢も意識しておく 

ルーチンワークが中心の仕事だとしても、完全に受け身の姿勢では、主体性や対応力を懸念されてしまいます。ルーチンワークを確実に遂行することに加えて、イレギュラーな事態や想定外のトラブルにも柔軟に対応し、独自の工夫や改善ができる人は、選考でプラスの評価をされる可能性があります。こうした経験がある場合は、具体的なエピソードとともにアピールできるようしておきましょう。 

「業務改善」にも主体的に関わっていこう 

昨今は、DXが進められており、あらゆる業務にデジタル技術が導入されています。現在行われているルーチンワークはAIやロボットへの代替が進んでいくと予測され、今後、ルーチンワークでの経験の市場価値は下がっていく可能性も考えられます。 

そこで、ルーチンワークをメインで担当しつつ、「業務改善」や「新たな仕組み作り」などに対して意欲的な人は、高く評価される可能性があります。ルーチンワークに対して「より早く」「より正確に」という意識を持ち、課題の発見・解決に取り組んでいくことで、成長実感を得ながら市場価値を高めることができるでしょう。 

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組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野 友樹(あわの ともき)氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。