「齟齬」とは?意味やビジネスでの使い方と例文、使う際の注意点を解説

オフィスで働く人々の様子

仕事の中で「齟齬(そご)」という言葉を耳にすることがありますが、正しい意味をご存じでしょうか。この記事では、齟齬の意味やビジネスにおける使い方、実際に使う際の注意点や言い換え例などをご紹介します。

「齟齬(そご)」とは?

例えば、「担当者の間の認識に齟齬がある」「事前に伝えた内容と齟齬が生じている」「情報伝達に齟齬を来した」など、ビジネスにおいては齟齬という言葉を耳にする機会が意外にあるものです。「実は正しい意味を理解し切れていない」という人は、この機会に覚えておくといいでしょう。

「齟齬」の言葉の定義

齟齬の意味は、物事がうまくかみ合わないこと。互いの意見や行動、事柄にズレが生じて食い違い、物事がうまく進まなくなってしまう状態を指します。
仕事においては、関係者同士の意思疎通が図れておらず行き違いが生じていたり、物事が円滑に進まなくなっていたりするときに使われるケースが多いようです。

「相違」との違いは?

齟齬と似たような場面で使われる言葉に「相違」がありますが、その意味合いは異なります。
齟齬は互いの意見や考えがズレていたりかみ合わなかったりするなど「すれ違い」の状況を指しますが、相違は互いの意見や考えに明確な違いがあり「明らかに一致しない」状況を指します。

つまり、「両者の意見に齟齬が生じている」という場合は、2人の意見にズレや食い違いが生じていることを指し、「両者の意見に相違がある」という場合は、2人の意見が明らかに異なり対立状況にあることを指します。

「齟齬」のビジネスシーンでの使い方と例文

ビジネスにおいては、複数人の間で、仕事に対する意見や考えが食い違うシーンで使われることが多いです。いくつか具体例を挙げてみましょう。

例1:認識にズレがある場合

「新しい企画の進め方について、AさんとBさんとの間に齟齬が生じているようなので、改めて目線合わせを行いましょう」

例えば1つのプロジェクトを進める場合、メンバーの認識にズレが生じていると、そのズレがどんどん大きくなり、プロジェクトの途中で壁にぶつかったり頓挫してしまったりする恐れがあります。関係者同士の物事の進め方やゴールの捉え方に関して、認識の食い違いが生じている場合、「ズレている」という現状を明らかにして改めて同じ認識を持つために、齟齬という言葉を使うケースがあります。

例2:行動に行き違いが起きている場合

「営業部門と製造部門との間に齟齬が生じた要因は、情報共有の機会が不足しているためだと思われます」

多くの場合、部門が変われば立場も違い、抱えている目標も異なります。お互いの状況を共有し意思疎通を図っておかないと、うまく連携が取れず物事が円滑に進まないケースは少なくありません。そういう時に、行き違いが起きている現状を指して「齟齬が生じている」という場合があります。

例3:相手の間違いや認識違いを確認したい場合

「事前にご説明いただいていた話と齟齬が生じているようですが、早急にご確認いただけますか?」

例えば取引先との契約内容と食い違いがあるなど、自分の認識と実際の状況が異なっていることを伝える際に、齟齬を使うケースもあります。齟齬という言葉を使うことによって、遠回しにやんわり抗議しつつ、認識のずれを正してほしいという思いを伝えることができます。
このような間違いや認識違いを起こさないように、「クライアントの考えと齟齬がないよう、事前に期待値調整を十分に行ったほうがいい」などと使うケースもあります。

「齟齬」を使うときの注意点と言い換え例

齟齬は食い違いを表す言葉ですが、使い方によっては相手に面と向かって批判的に受け取られる可能性があります。例えば上司や先輩など目上の人や、クライアントなど取引先の人には使わないようにするなど、配慮が必要です。

認識のズレではなく、明らかに自分のミスで食い違いが生じた場合も、齟齬という言葉は使わないほうがいいでしょう。自分を正当化していると受け止められてしまい、「ミスを認めない人」とマイナス印象を与えてしまう可能性があります。自分に非がある場合は、例えばミスを上司に報告する場合「レポートの提出期日に関して、認識に齟齬がありました」などというのではなく、「提出期日の認識が間違っていました。申し訳ありません」などと素直に詫びましょう。

齟齬という言葉は堅い表現なので、プライベートで使う機会はあまりありません。したがって、社会に出て間もない若手社員など「齟齬」という言葉にあまり触れてこなかった人に対して使うと、意図が正しく伝わらない可能性もあります。また、近しい関係性の人に使うと「堅苦しすぎる」と受け止められ、距離を感じさせてしまうかもしれません。例えば以下のように、相手やシーンなどに合わせて、別の言葉に言い換えることも検討するといいでしょう。「行き違い」や「食い違い」「ズレ」「不一致」などの言葉を使うと、堅苦しすぎず、わかりやすく伝わることが多いようです。

●言い換え例

「新商品の企画に関して、私と山田さんの考え方に齟齬が生じているようだ」→「考え方が一致していないようだ」「考え方が食い違っているようだ」

「製造スケジュールについて、生産部門と営業部門との認識に齟齬があるようだ」→「認識がかみ合っていないようだ」「認識に行き違いがあるようだ」

「急なトラブルのために事前の計画と齟齬が生じている」→「計画とのズレが生じている」「計画との不一致が起きている」

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