在職中に転職活動をする場合、平日の業務時間内に設定される面接のスケジュール調整に頭を悩ませる方も多いことでしょう。「仕事が忙しい」「平日に休めない」という理由で、応募企業から打診された日時に対応できない場合、どのように対処すればいいでしょうか。また、企業に業務時間外や週末での日程調整をお願いすることは可能なのでしょうか。組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。
目次
在職中の転職活動は面接の調整が難しい
仕事を続けながら転職活動をしようとすると、忙しい業務の合間を縫って面接を受ける必要があります。平日に面接の時間を確保するのが難しい方の中には、なかなか在職中の転職活動に踏み切れないケースもあるでしょう。
転職の面接は平日の業務時間内がほとんど
現実的に、応募企業が平日出勤・土日休みの場合、中途採用の面接は平日の業務時間内に行われるのが一般的です。当然ですが、応募企業の人事や面接担当者も同じ平日勤務の会社員だからです。面接の時間帯としては、通常業務が一段落した後の、終業時間前後に設定されるケースが比較的多く見られます。
転職活動では複数社の選考を同時に受けることが一般的で、1社当たりの面接が2回以上行われることもあります。そのため、平日に全く面接に行けないとなると、在職中の転職活動はハードルが高くなるかもしれません。
日程が急遽決まるケースも多い
二次面接や最終面接へと選考プロセスが進んでいくと、応募企業では複数の面接担当者や、役員クラスとの日程調整が必要になるため、面接を実施できる候補日がより限定的になり、急に次回の面接日が決まることもあります。また、他の応募者の面接が先行しているケースでも、採用選考をスピードアップするために、企業から急ぎ日程調整を要望されるケースもあるでしょう。
企業に日程調整をお願いする場合の注意点
とはいえ、指定された日時に面接に行くのが難しくても、その選考を諦める必要はありません。日程の調整に応じてくれる企業は多いので、まずは相談してみることをおすすめします。
その際は、単純に「都合がつきません」ではなく、「プロジェクトが詰めの段階にあるため」「来週まで出張が連続するので」などと率直に状況を説明した上で、「業務時間外や休日は柔軟に対応が可能です」「○日以降であればご対応できます」といった代案を添えて相談するようにしましょう。
また、代案を提示する場合は、複数の候補日時を上げたり、「○日〜○日」「○時〜○時の間」など幅を持たせたりして、先方にある程度の選択肢を渡すことが大切です。あまりピンポイントで日時を指定すると、「相手の事情を想像する力に欠ける」「コミュニケーション力が高くない」といった印象を与える可能性があるので注意しましょう。
【メール例文付き】平日の業務時間以外で日程調整をお願いする方法
平日の業務時間内に面接を受けるのが難しい場合に、企業に日程調整をお願いする方法を、メール例文と合わせてご紹介します。
業務時間外で調整をお願いする場合
平日の業務時間内は面接に行けないことを伝え、業務時間外での調整は可能かを確認してみましょう。その際、いつ(どの時間帯)であれば可能かという代案を添えます。
また、企業が業務時間外で調整できないことも想定しておきましょう。例えば「〇日以降であれば、仕事を調整して有給休暇を取得することも可能」である旨を伝えるなど、自身の都合だけでなく、相手の事情も汲みながらすり合わせる姿勢を見せることが肝心です。
業務時間外でお願いするときのメール例文
【件名】
面接日程の調整の件/□□□□(氏名)
株式会社〇〇 人事部採用担当 〇〇様
お世話になっております。
貴社の求人に応募いたしました□□□□と申します。
この度は面接のご案内をいただきまして、誠にありがとうございます。
ぜひ面接を受けさせていただきたいのですが、
在職中で9:00〜18:00まで仕事があり、さらに◎◎◎といった理由で
面接にお伺いするのが難しい状況です。
朝であれば8:30までの時間帯、夕方であれば18:30以降でしたら
貴社のご都合に合わせることが可能です。
もしご対応が難しい場合は、私の方で業務時間内の面接にお伺いできるよう
有給取得の調整を行いますので、△日以降で貴社のご都合の良い日時を
教えていただけますでしょうか。
お手数をおかけしてしまい申し訳ございませんが、
ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
==================
□□□□(氏名)
電話番号
00−0000−0000
メールアドレス
aaaaa@bbbbb.com
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土日での対応をお願いする場合
平日の面接がどうしても難しい場合は、土日での日程調整が可能かどうかを確認してみましょう。相談をすること自体に問題はありませんが、「お休みの日にお時間を頂戴するお願いとなり、恐縮ではございますが」など、申し訳ないという気持ちを失礼のない言葉で伝えることが大切です。
複数の面接担当者がいたり、役員が同席したりする場合、土日の面接調整は難しくなるかもしれませんが、平日に面接に行けない状況や理由、具体的な候補日などを提示すれば、検討してもらえる可能性があります。
また、この場合も、企業が調整に応じられないことを想定して「対応が難しい場合、○日以降であれば仕事を調整して有休や半休を取得することも可能」などの提案ができるといいでしょう。
土日でお願いするときのメール例文
【件名】
面接日程の調整の件/□□□□(氏名)
株式会社〇〇 人事部採用担当 〇〇様
お世話になっております。
貴社の求人に応募いたしました□□□□と申します。
この度は面接のご案内をいただきまして、誠にありがとうございます。
ぜひ面接を受けさせていただきたいのですが、
在職中で◎◎◎◎といった状況もあり、
平日に面接へお伺いするのが難しい状況です。
お休みの日にお時間を頂戴するお願いとなり大変恐縮ではございますが、
土曜日または日曜日に面接を行っていただくことは可能でしょうか。
これらの曜日でしたら貴社のご都合に合わせて、幅広い時間帯で調整が可能です。
もしご対応が難しい場合は、私の方で平日の面接にお伺いできるよう
有給取得の調整を行いますので、△日以降で貴社のご都合の良い日時を
教えていただけますでしょうか。
お手数をおかけしてしまい申し訳ございませんが、
ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
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□□□□(氏名)
電話番号
00−0000−0000
メールアドレス
aaaaa@bbbbb.com
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平日に日程調整をして面接を受ける方法
応募企業に業務時間外や週末での調整をしてもらうのが難しい場合は、次のような方法で平日の面接に対応していきましょう。
半休を取得する
例えば、平日の始業時間前後や、終業時間近くに面接が設定された場合は、半休を取得して、面接を済ませてから仕事に向かう、あるいは面接の時間に間に合うように退社するという方法があります。半休を取得できるようであれば、より時間的な余裕を持って面接に臨めるでしょう。
有休を取得し、数社の面接を受ける
転職活動では、複数企業の選考が並行して進むことも多いものです。その場合、面接の度に半休を取得するのは、少し現実的ではないかもしれません。そこで1日有休を取り、複数の面接を同日で設定するという方法も考えられます。1日に数社を訪問することになりますが、時間を有効に使うことができます。
また、志望度の高い企業の面接にしっかり準備をして臨みたいときなども、有休を取得することで、その日は面接に集中できるというメリットがあるでしょう。
オンライン面接で対応する
近年はオンライン面接を行う企業が増えてきています。オンライン面接は、場所が離れていても面接できることがメリット。応募企業が希望する日時に面接へ行くのが難しい場合は、オンライン面接が可能かを問い合わせてみるのも一つの方法です。
例えば、忙しくて企業に出向く余裕がないときも、オンライン面接であれば、半休や時間休を取るなどして、対応することができます。
ただし、オンライン面接だからといって、場所はどこでもよいというわけではありません。あくまでも面接であることを意識し、自宅やレンタルスペースなどの静かな場所で行いましょう。
また、オンライン面接の場合でも、対面の面接と同様の身だしなみで受けるのが基本です。自宅の場合は部屋の背景が映ってしまうことも考えられるので、バーチャル背景を設定したり、装飾のない壁が背景となるよう工夫したりするといいでしょう。
面接の調整は転職エージェントに任せる方法も
「経済的な不安を避けたい」「空白期間を作りたくない」などの理由で、在職中に転職活動をしたいと考える方も多く見られますが、その場合は転職エージェントを利用することで、転職活動をスムーズに進めることが可能です。
担当キャリアアドバイザーに「平日は休みが取りにくい」とあらかじめ伝えておけば、企業側の採用選考の事情も理解した上で、双方の間に立ち、うまく選考が進むように日程調整をしてくれるでしょう。ライバルがいる場合は動向を把握しつつ、求職者がチャンスを逃さないようにプッシュしてくれるかもしれません。企業に対してどのように打診や交渉を行えばいいかなど、プロ目線でアドバイスしてもらえるので、安心して転職活動に取り組むことができるでしょう。
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野 友樹(あわの ともき)氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。