転職エージェントの電話面談とは？事前準備と当日確認しておきたいこと

転職エージェントとの面談は、「対面」「オンライン」「電話」などの形式で行われることが一般的で、自身の都合の良い形式を選ぶことができるケースがほとんどです。今回は「電話面談」について、メリット・デメリット、事前準備、当日の流れ、活用のポイントなどについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。

転職エージェントの電話面談とは？

かつては転職エージェントの面談は対面で行われることが主でしたが、近年は多くの転職エージェントにおいて電話やオンラインで面談することが可能となっています。面談内容は基本的に対面面談と変わらないでしょう。電話面談を希望する場合、転職エージェントに相談してみると良いでしょう。

転職エージェントへの登録手続きを完了すると、転職エージェントから電話やメールで連絡があり、面談の日程調整を行います。電話面談の場合は、設定した面談日時に転職エージェントから電話がかかってくることが一般的です。

電話面談のメリット・デメリット

電話面談にはメリットがある一方、デメリットもあります。特徴を理解し、効果的に活用してください。

メリット

電話面談を選ぶメリットとして次のポイントが挙げられます。

自宅や外出先など、さまざまな場所で行える

電話であれば、自宅をはじめ、出張先での終業後など、さまざまな場所で面談を行うことができます。慣れた場所で行うことで、リラックスして話せるでしょう。

移動に時間がかからず、「スキマ時間」で面談できる

転職エージェントのオフィスへ出向く必要がないため、移動に時間がかかりません。手が空いた「スキマ時間」などに面談のアポイントを入れることも可能であり、時間を効率的に使うことができます。

デメリット

電話面談には次のようなデメリットもありますので、注意して対策してください。

思いや人柄が伝わりづらいことがある

電話面談の場合、お互いの表情が見えません。そのため、対面面談と比較すると、仕事や転職に対する思いなどが伝わりづらいこともあります。また、転職エージェントは求職者の人柄や雰囲気から「この企業の社風にマッチしそう」と判断して提案するケースもありますが、電話では人柄が十分に伝わらない可能性もあるでしょう。

情報の共有に手間がかかる

対面であれば、手元の資料を一緒に見ながら話すことが可能ですが、別々の場所で一つの資料を参照しながら話すと、どの部分を指しているのか共有がしづらくなることもあります。職務経歴書の添削を行う場合も、目の前で赤入れするのではなく、電話口でのアドバイスだけでは分かりづらいかもしれません。

転職エージェントの電話面談前に準備しておきたいもの

電話面談に臨むにあたり、前もって準備しておくと良いものをご紹介します。事前準備することで、先に挙げたデメリットをカバーできることもあります。

履歴書・職務経歴書などの応募書類

これまでの職務経歴（所属企業・所属部署・担当業務）をすべて書き出し、その中で成果を挙げたこと、身に付けたスキルなどを整理しておきます。可能な限り履歴書・職務経歴書を作成し、事前に送っておくとでしょう。対面なら履歴書・職務経歴書を持参し、その場で一緒に見ながら対話できますが、電話面談ではそれができません。経歴を一から説明する時間と手間を省くためにも、事前にメールで共有しておき、電話面談では転職エージェントからの質問に答える形で進めると時間を有効に使えます。 なお、職務経歴書には書かなかった仕事への思いやこだわりなどもメモし、面談中に見られるようにしておくとでしょう。

筆記用具・メモ帳

電話面談中、転職エージェントから提供された情報やアドバイスを書き留めておけるよう、筆記用具とメモ帳を準備しておきます。

静かな個室、イヤホン・マイク

電話面談は静かな個室で行うのが理想です。外出先や移動中の場合は、なるべく背後の雑音が少ない場所を選びましょう。雑音があると、お互い会話に集中しづらい上に、転職エージェントが発した重要な情報を聞き漏らしてしまう可能性もあります。

また、転職エージェントだけが知っている企業の情報を面談時に共有されるケースもありますので、その点も考慮し、静かな個室で面談を受けるようにすることがおすすめです。 なおマイク付きのイヤフォンを使うと、音声を拾いやすくなるほか、ハンズフリーになりメモを取りやすくなります。

パソコン／タブレットなど

パソコンやタブレットを開いておくと、自分で整理・作成したメモを見ながら話せたり、求人の提案を受けた際に企業サイトにアクセスして参照できたりして便利です。

転職エージェントの電話面談当日に確認したいこと

限られた時間を有効活用するために、転職エージェントに質問したい項目を準備しておきましょう。 また、転職先を選ぶにあたっての希望条件も明確にしておきます。電話で思いつくままに話していると、会話が長びき、焦点がぼやけてしまうこともあります。今回の転職で実現したいことの軸を定めた上で、下記の項目についての希望条件を整理し、優先順位もつけておくとでしょう。

• 業界
• 職種・仕事内容
• ポジション
• 企業属性（大手／ベンチャーなど）
• 社風
• 年収
• 勤務地
• 勤務時間／働き方
• 入社希望時期

転職エージェントの電話面談の一般的な流れ

電話面談の進め方は、転職エージェントによって異なるものの、基本的には対面面談と変わらないでしょう。一般的な流れをご紹介します。

経歴のヒアリング

お互いの自己紹介でアイスブレイクを行った後、経歴の確認からスタートするのが一般的です。「職務経歴」「強みとする分野・スキル」などを聞かれます。

転職の目的や条件を確認

今後目指すキャリアビジョンを踏まえ、今回の転職の目的・希望条件・希望時期の確認が行われます。 なお、すでに転職活動を進めている場合、その手段や進捗状況も伝えておきましょう。他の転職エージェントに登録していることや、すでに応募している求人の選考の進み具合も共有しておくと、今後の応募スケジュールの調整をしてもらえます。

転職の方向性の提案

今後のキャリアビジョン・希望条件を踏まえ、転職エージェントから転職の方向性や選択肢が提案されます。場合によっては、想定していなかった業界や企業の選択肢が伝えられることもあれば、「今は転職せず、しばらく現職にとどまった方が良い」というアドバイスを受けることもあります。

求人の紹介

面談を経て、転職活動を行う意思が固まったら、その場で求人の紹介を受けるケースもあります。ただし、希望条件によってそのタイミングで適切な求人がない、あるいは提示された求人に興味を持てないこともあるでしょう。その場合は、後日改めて求人の紹介を受けます。

今後の転職活動の進め方についての案内

今後の転職活動の進め方、スケジュールの見通しなどの案内があります。このとき、連絡を取りやすい手段などを伝えておくとでしょう。「この時期は繁忙期なので面接を組めない」といった情報も共有しておきましょう。

転職エージェントの電話面談のコツ

電話面談の時間を効果的に使うためのコツをお伝えします。

転職の目的・希望条件も事前に伝えておく

職務経歴書のほか、先ほど「事前準備」の項で挙げた「質問事項と希望条件」についても、なるべく事前に転職エージェントに伝えておくとでしょう。面談当日、転職の目的や希望、今後のキャリアの志向などをさらに掘り下げることができます。転職エージェントの理解が深まり、より適切な提案やマッチする求人の紹介を受けられる可能性が高まります。

聞き取りやすい環境を整えておく

「事前準備」でも触れたとおり、お互いの声が聞き取りやすいよう、静かな環境で話せるようにしておきましょう。自宅で電話面談を行う場合も、家族に事前に説明をしておくと安心です。

求人を見られるようにしておく

転職エージェントから提案を受ける求人は、Webサイト上で公開されているケースもあります。また、メールで求人を受け取った場合は、すぐに見られるようにしておくと、対話しながら検討することも可能になります。パソコンやタブレットなどを用意しておくと便利でしょう。

転職エージェントの面談を上手に活用するポイント

電話に限らず、面談を有意義なものにするためには、次のポイントを意識してみてください。

聞きたいことや不安事項を共有する

転職活動には不安も付きものです。どのような点で不安や疑問を抱いているかを伝えておくことで、適切なフォローを受けやすくなります。

転職エージェントには隠さず正直に話す

自身が置かれた状況や希望条件など、言いづらいことがあったとしても隠さず正直に話すことをおすすめします。転職エージェントは、問題点に留意した上で適切にサポートしてくれるでしょう。

希望のスタイルを伝える

転職エージェントにどのようなサポートを期待するかを伝えておくとでしょう。例えば「条件にぴったりマッチする求人が出たときだけ紹介してほしい」「選択肢を増やしたいので、幅広い求人を提案してほしい」など、希望するスタイルを共有しておくことをおすすめします。

転職エージェントの電話面談に関するよくあるQ＆A

電話面談に関して、よくある疑問にお答えします。

スカウトサービスの利用も有効

「スカウトサービス」とは、求人を掲載している企業や転職エージェントから直接スカウトが届くサービスを指します。自身で求人を探す時間を省くことができるほか、企業や転職エージェントは経験・スキルをもとにスカウトを送っているため、意外な求人やポジションに出会えることもあります。

転職エージェントからスカウトを受けた場合は、選考に進める前に担当者との面談を申し込むこともサービスによっては可能です。ぜひスカウトサービスの活用もご検討ください。