社会人15年目のテーマは「仕組化」と「感情理解」

多くのヘッドハンターが在籍する「CAREER CARVER」。今回は、次世代を担うプロ経営人材に精通する、プロフェッショナルバンクの高橋啓さんに、ミドルクラス(社会人経験15年前後)の採用トレンドについて伺いました。

多くのヘッドハンターが在籍する「CAREER CARVER」。今回は、次世代を担うプロ経営人材に精通する、プロフェッショナルバンクの高橋さんに、ミドルクラス(社会人経験15年前後)の採用トレンドについて伺いました。

2017年は、会社との関係性が大きく変わる年に

私が日々接しているミドルクラスからは、以下のような悩みをよく伺います。

・20代の頃に比べて新鮮な学びが減っている。
・人工知能で失われる仕事のニュースをみた。自分の仕事の将来が心配だ。
・将来を見据えた上で、何を意識して日々の仕事に取り組めばよいか分からない。

2017年は、私達と会社との関係が大きく変わる年になりそうです。今、私が注目している主な出来事を挙げてみましょう。

・残業時間に対する規制が強化される
・副業解禁に向けた取り組みが各所で始まる
・経営判断にAI(人工知能)を導入する企業が増加する

これらの報道・ニュースを目にしない日は無いと思いますが、上記の出来事は私達と会社との関係を新しいものへと導き、大きく変化させると思います。この大きな変化の中で、業界・業種問わず引く手あまたの人材となるため、私達ヘッドハンターの視点から、『どのような人材が求められるか』『明日から何をすべきなのか』に触れたいと思います。

求められるのは「仕組化」と「感情理解」

打ち合わせをする人たち

私達は忠誠・奉公という言葉に美徳を感じ、動機づけとしてきました。特に戦時中は国家に対する帰属意識、滅私奉公の意識が非常に強く、戦後においては、それが会社に向かいました。自分の会社に対する忠誠・奉公によって、私達は優れた製品・優れたサービスを多く世の中に輩出してきました。自分が今所属する会社のみに対し自分の人生の時間の多くをささげることが美徳とされてきました。

しかし、今、私達は自らによって、この美徳を否定し、次のステージに移ろうとしています。

「残業規制」「副業可」「リモートワーク」など。今年の大きな変化は、これまで私達の美徳だった会社に対する帰属意識・滅私奉公と違った新しい価値観を生み出そうとしています。また、昨今に進んでいる職場へのAI導入について総務省の調査によると私達の仕事の49%は将来AIが代替できるとのこと。人手不足が今後も続く日本においてAIが急速に普及していくことは容易に想像できます。

この変化のなかで、今後は、どのような人材が求められるのでしょうか。例えば、こんな能力が重視されると思います。

・長時間労働の是正、副業の促進により人手が減るなかでも、業務の標準化による生産性の向上、時短が実現できること
・AIが急速に普及するなか、AIに置き換えられない戦略、変革が推進できること

日々の業務を仕組み化できる人材

現在、多くの会社が、こぞって「仕組化」に取り組んでいるため、属人的な組織から一般化された組織へ会社を移行させることが出来る人材が求められます。是非、この仕組み化を推進できる人材となって頂きたく思います。

たとえば、現在の仕事の中でBPRなどの試みがあれば積極的に参加してほしいと思います。同様の試みが社内で無かったとしても、例えば、自分の業務マニュアルは常に作成しておくことや、自分と同様の実績を他者が残せるためにはどうすればよいか常に自分の業務を標準化していくための活動は続けて欲しいと思います。

AIにできない事ができる人材

仕事を進めるうえでは、様々な価値観、考え方の違う方々とのコミュニケーション、調整が必要になります。AIにできないこと、それは“多くの方を調整し、組織を導ける”人材だと考えています。

人は論理的に計算が出来ない感情で動いています。是非、他人の感情を理解し、様々な価値観、考え方の人を率先垂範出来る人材となって頂きたく思います。

例えば、上司や部下、後輩とのコミュニケーションの場は積極的に持たれたほうが良いと思います。できれば、仕事の話だけではなく何を大切に考えているか、仕事に関してどのような価値観を有しているか話をされる場を持たれては如何でしょうか。

将来的に自分が、組織でリーダシップを発揮するためには、彼らの協力なくして実現できません。仕事を通じて何を求めているのかは、言葉にならないことを、きちんと理解しておく必要があります。これはAIにできない人が有している学習能力です。

このような取組みは、あなたにとって

・毎日の繰り返しの業務から一つ上の仕事へステップを進めさせ
・AIに真似が出来ない能力をあなたに身に着けさせ
・将来、より大きな立場でのマネジメントへ進む

ことに必ず繋がります。

経営マネジメント人材のニーズは増加する

間もなく、経営者の集団退職の時代が始まります。

現在の中小企業の経営者の平均年齢が66歳。また退職年齢の平均は67歳。つまり、これから数十万社の経営者が引退し、交代すると言われています。上記の能力を持つ経営マネジメント人材のニーズはこれからますます増加してくることは明白です。

特にミドルクラス世代の方は、今がまさに自身のキャリアを振り返る良き節目だと言えます。

目の前の業務に流され続けることは楽なことではありますが、一方で、知らないうちに自分の市場価値が下がっている懸念もあります。このような大きな変化の年にビジネスの中心でいられることは非常に幸せなことだと思っております。世の中全体を良い方向に進めるべく、まずは日々の意識変革から取り組んで頂ければと思っております。

自分が努力する方向性を確かめたい、といったご希望があれば、ぜひ、気軽に私どもヘッドハンターにご相談ください。3年後、5年後の将来を見据えた上で明日から何をすべきなのか、貴方にとって参考となる気づきが得られる場になると思います。

このヘッドハンターの詳細を見る

リクルートダイレクトスカウトは、リクルートが運営する会員制転職スカウトサービスです。リクルートの求職活動支援サービス共通の『レジュメ』を作成すると、企業や転職エージェントからあなたに合うスカウトを受け取ることができます。レジュメは経験やスキル、希望条件に関する質問に答えるだけで簡単に作成可能です。一度登録してみてはいかがでしょうか。