世界を代表する企業3社の人事が本音で語る。「採用マーケットにおける人材紹介の今とこれから」をテーマにパネルディスカッション開催

今年で5周年を迎えたCAREER CARVER。ご利用のエージェントの皆様にご参加いただき、「CAREER CAVER 5th Thanks Day」を行いました。今回のメインイベントは、人事をされているお3方にご参加いただいたパネルディスカッション。「採用マーケットにおける人材紹介の今とこれから〜企業が持つエージェントへの期待とは〜」をテーマに、企業の本音や採用への想いがダイレクトに伝わるディスカッションとなりました。

ここ数年での採用ニーズの変化や今後の展望について、また、企業にとって評価の高いエージェントとは?など、転職を検討される方にとっても興味深い内容となっていますので、ぜひご確認ください。

ご参加いただいた人事の方々は、株式会社フィリップス・ジャパンの古川哲久氏、日本コカ・コーラ株式会社の星野智也氏、ボッシュ株式会社の千葉千尋氏の3名。モデレーターを務めたのは、CAREER CARVERのリリース時から提携している、株式会社アイ・エス・エス・コンサルティング(以下ISSコンサルティング)の代表取締役社長 関口真由美氏です。

今年で5周年を迎えたCAREER CARVER。提携エージェントの皆様にご参加いただき、「CAREER CARVER 5th Thanks Day」を行いました。今回のメインイベントは、人事のお3方によるパネルディスカッション。「採用マーケットにおける人材紹介の今とこれから〜企業が持つエージェントへの期待とは〜」をテーマに、企業の本音や採用への想いがダイレクトに伝わるディスカッションとなりました。

ここ数年での採用ニーズの変化や今後の展望について、また、企業にとって評価の高いエージェントとは?など、転職を検討される方にとっても興味深い内容となっていますので、ぜひご確認ください。

ご登壇いただいた人事の方々は、株式会社フィリップス・ジャパンの古川哲久氏、日本コカ·コーラ株式会社の星野智也氏、ボッシュ株式会社の千葉千尋氏の3名。モデレーターを務めたのは、CAREER CARVERのリリース時から提携している、株式会社アイ・エス・エス・コンサルティング(以下ISSコンサルティング)の代表取締役社長 関口真由美氏です。
※イベント実施時の御所属・役職名にて記載させていただいております

テクノロジーの進化により、企業と求職者が直接コンタクトできる世界へ。その中でエージェントが果たす役割とは

関口:本日モデレーターを務めますISSコンサルティングの関口です。私自身は92年から人材紹介業に携わっておりまして、今回ご登場される人事の皆さんとも長い間お付き合いをしております。最初のテーマとして、この5年で採用がどのように変わってきているのかというところからお話をしていきたいと思っているのですが、古川さん、いかがでしょうか。

関口真由美氏

古川:私が現職でちょうど5年目になるのですが、会社からのミッションとして、プロアクティブなインハウスエージェンシーを作ることに取り組んできました。以前は募集を出して応募を待つという体制でしたが、今はインハウスでのリクルートメントマーケティングやブランディングプロモーションなど、エージェントさんがやっている活動を自社でも行うチームになってきました。

千葉:古川さんのおっしゃる通り、SNSなど求職者と直接コンタクトできるチャネルが増えてきていますね。それと同時にマーケットが日本だけでなく、海外にも広がってきたなというのも常に感じています。

星野:この5年間のテクノロジーの進化が本当に凄いですよね。これまで求職者とのコネクションはエージェントの皆様が持っていたものでしたが、今では我々企業側も直接関係構築ができるようなりました。テクノロジーが進む中でも、エージェントさんとのパートナーシップはすごく大切なチャネルだと思っていますので、どう関係性を新しくアップデートしていくかというのが今後の課題だと思っています。

関口:ありがとうございます。では、採用の状況が変わる中で、皆さんがエージェントに求めていることについて、プロセスに分けて聞いていきたいと思います。最初にサーチ&アトラクト、求職者を探し、ポジションや企業の魅力を伝え惹きつけるというフェーズではいかがですか。

古川:ジョブディスクリプションを渡さないでも適切な人材を紹介いただけるエージェントが理想です。当社では現在、医療機器の領域から、データを中心としたヘルスケアの新しい領域を築いていく取り組みを始めていますが、まだまだ世の中に浸透していないところがあります。そうした当社の事業戦略や経営課題を把握し、募集ポジションの上下左右の関係などの組織の状態を理解した上で、どんな方が入社すれば化学反応が起こるのか、組織全体のフォーメーションを考えながら人材をご提案していただけるエージェントとは、ぜひお付き合いをしていきたいと思っています。

古川哲久氏

星野:私も同じく、我々の5年後のビジョンを叶えるには、こんな人材が必要であるという仮説を持って人材提案してくれる方々とパートナーシップを築いていきたいですね。

千葉:求職者とエージェントの間で信頼関係ができているかどうかで、当社へのマッチングの精度が変わってくるということを感じています。「この方なら御社でこんな風にリーダーシップを発揮して活躍できると思いますよ」という具体的な提案を聞いていると、実際にその絵が頭に浮かぶ瞬間があって、そういうエージェントだと上手くいく印象があります。

関口:皆さん企業戦略と求職者を深く理解した上で提案してほしいという点で共通されていますね。

エージェントと求職者が本音で会話できる信頼関係を築いてくれることは、企業にとっても大きなメリットに

関口:続いて選考のプロセスや内定承諾、条件などの最終調整フェーズの場面ではいかがでしょうか?

星野:求職者もいくつかのオファーを持っている中で、選考過程で弊社の魅力に惹きつけられて気持ちを傾けていってほしいんですよね。そのためにも本音を聞き出しながら、求職者が本当にやりたいことに辿り着けるようにコーチングしていただくことを期待したいですね。あとは、スムーズさも大切だと思います。求職者もお忙しい方が多いので、面接調整などで手間取ってしまうと、2週間3週間というタイムロスが生まれてしまいますから。

星野智也氏

千葉:選考プロセスや面接を通して、弊社にギャップを感じられる求職者の方もいるので、ぜひエージェントの皆様には、求職者のモチベーションを上げていただき、当社に入って幸せになると感じてもらえるようなアプローチを築いていただきたいと思っています。

古川:最終調整フェーズでいうと、オファーを出すまでに私たちも弊社のエグゼクティブも結構な時間を費やしてきていますから、最後の最後で突然断られてしまうと、我々人事も社内で信用を失って次の提案をしにくくなるという現実があります。もちろん他に受けているところがあることはわかっていますから、エージェントにうまく入っていただくことで、双方にとって納得できる道になるよう期待したいですね。

千葉:当社の選考でも最後の最後になって「実は奥様が反対で」といったケースが最近よくあると感じています。もし事前に聞いていたら、何かできることがあったのではと思います。

千葉千尋氏

関口:企業側で何かされていることはありますか?

星野:求職者もいくつかのオファーを持っている中で、条件面だけでなく、「この組織で働きたいか」「キャリアとしてこの仕事をやりたいか」といった点も基準になると思いますので、王道だとは思いますが、企業としては現場の人間をアテンドして納得度、密度の濃いコミュニケーションの場を用意するなどを行っています。

関口:あと、エージェントには入社後のフォローにも期待したいと以前おっしゃっていましたよね。

星野:入社後の最初の3ヶ月は、求職者にとってナイーブな時期です。もし入社後に想定と異なるギャップを感じていても、人事や上司に相談したら大ごとになってしまうのではという心配もある中で、唯一相談できるのがエージェントの方々ではないでしょうか。少しヒアリング・サポートしていただくだけでも、精神的に安定されるのかなと思います。

古川:エージェントは、求職者にとってライフスタイルコーチであって欲しいし、あるべきと私は考えています。特にポジションが上がれば上がるほど、その方は孤独になるもの。事業戦略や組織の変更によってポジションがなくなってしまったり、社内的な政治があったり、悶々として家族にもなかなか話ができない中で、エージェントは寄り添える数少ない存在。求職者とエージェントがずっとお付き合いができるような関係性を築けていたら、とても素晴らしいなと思います。

キャリアの築き方や働き方が大きく変わっていく時代。求職者に寄り添って一緒にキャリアを考えていくエージェントの存在が重要に

関口:では最後に「人材紹介のこれから」をテーマに、エージェントに求めることや期待することを伺えればと思います。お一人ずつお願いできますでしょうか。

古川:本質的には以前と変わらないと思うのですが、私が感じているグローバルでの変化について少しお話ししますと、ストラテジック・ワークフォース・プラニングという考えができ始めています。分かりやすく説明すると、これまでのように正社員を会社のコアに置いて周辺をテンポラリーの方々がサポートする体制から、徐々にプランニングや技術など会社のコアの部分でさえ外から調達していく、プロジェクトベースでの組織運営が世界では始まっていると感じています。そうなるとキャリアの積み方もどんどん多様化し、会社との関係性も変わっていくはず。だからこそ今後は単に「転職をしましょう」というよりも、外部環境の変化を踏まえて自分のキャリアをどう築いていくのか、求職者に寄り添いアドバイスをしながら一緒にやっていくというのが、エージェントには重要になってくると思います。

星野:冒頭でもお話ししましたが、HRテクノロジーが進んだことによって企業と求職者が直接つながるようになり、これが今後5年、10年となっていくと、もしかしたらもっと簡単に求職者の方にアプローチできるようになるかもしれません。その中でエージェントの付加価値を考えたら、ビジネスを高いレベルで理解していただくというところではないかと思っています。私たち日本コカ·コーラの話になりますが、新たにアルコールを発売することになり、今後は我々のやったことのない領域に突き進んでいくので、社内にも答えがないような状況になります。だからこそ社外の戦略・組織・人材をよく知るエージェントの皆さんからの提案力がますます必要になっていくと思っています。

千葉:求職者の変化として、40代や50代のハイクラス層の転職が増えているのを感じています。求職者の方が持っているその会社でしか使えないスキルと、どこの会社でも使えるスキルや経験を見極めた上で、提案していただきたいと思います。もう一つは、マーケットも大きく変わっているので、日本だけじゃなくて世界を視野に入れて、レベルの高いグローバルで活躍できる人材を探していけるとありがたいです。

関口:本日は貴重なお話をいただき、本当にありがとうございました。

パネルディスカッションに続き、質疑応答が活発に交わされるなど、イベントは盛況で終了しました。企業の人事から見て、求職者との間に入るエージェントには、今後のビジネスや戦略を読み解き、先回りして適材を提案できる力、また求職者の本心に踏み込める信頼形成力などが求められる力となります。逆に求職者の視点で見ると、自身のこれまで培った汎用性あるスキルを、どの企業・組織でなら活かせるのかは、個人の視界のみでは判断しにくいということ。エージェントには、得意領域や懇意にしている企業がそれぞれ存在するため、個人のキャリアを構築するには、複数の信頼できるエージェントを持つことがお勧めと言えます。

CAREER CARVERは今後も、ハイクラス人材の挑戦を応援し続けます。

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