監査法人から事業会社の経理部門リーダーへ。新システム導入の責任者も担当【転職事例Vol.26】

今回は、監査法人から「より経営者目線を持って経理・財務業務に携わりたい」という想いを持って事業会社の経理部門へと転職した事例。20代にして、今後設立予定の公認会計士事務所の責任者としても期待されています。転職は初めて&極度のあがり症というタイプながら、活動スタートから約1ヶ月で希望通りの転職先に決定できた経緯をご紹介します。

転職者プロフィール

Sさん(転職当時24歳)
転職前:監査法人で監査業務担当(年収620万円)
転職後:不動産投資会社の経理・財務担当(年収750万円)

公認会計士を目指して猛勉強を続け、大学時代に公認会計士試験に合格。卒業後は実務経験を積むために監査法人に入社し、金融機関向けの監査業務を担当。2017年12月の修了考査受験を控えて、事業会社への転職活動をスタート。2018年3月に武蔵コーポレーション株式会社に入社。

中堅規模の事業会社で、経営者目線を持って仕事がしたかった

転職者のSさん

私が公認会計士を目指すことを決めたのは高校生の時です。あまり進学校ではなかったことから、将来のためには価値のある資格を取得することが重要だと認識し、猛勉強をスタート。大学時代は、授業があるときは8~10時間、ない日は15時間以上の資格取得に向けた勉強をし、その努力の甲斐もあって在学中に公認会計士試験に合格することができました。

卒業後は公認会計士登録を目指して実務経験を積むために監査法人に入社し、大手金融機関の監査業務を担当。それなりにやりがいは感じていたものの、想像以上にハードワークな日々だったこと、また上場企業に対する監査業務ではビジネス全体を把握しきれないというモヤモヤ感を徐々に感じるように。そこで、公認会計士登録後に転職することを決意。今後のキャリアとして、監査法人ではなく事業会社、大手ではなく、成長が期待されるベンチャー企業や中小・中堅規模の会社において、より経営者の目線を持って経理・財務業務を行う道を選びました。

登録してすぐに届いたスカウトに興味を持ち、まず会ってみることに

軽い気持ちで転職活動をスタートしたのは、2017年11月のこと。修了考査の受験を翌月に控え、勉強の合間の息抜きがてらに転職支援サービスに登録してみることに。転職にあたっての条件は、(1)任される業務の幅が広く、確かな経理スキルが身につくこと(2)福利厚生が充実していて労働環境が改善されること(3)年収700万円以上の3点。

情報収集のつもりで登録したところ、すぐにスカウトが届き、武蔵コーポレーションの募集オファー内容に興味を持ちました。そこで、スカウトを送ってきたエバーコンサルティングのヘッドハンターの坪田さんに「転職を始めたばかりで何もわからないので、とりあえず話を聞いてみたい。人生相談みたいになってもいいですか?」と返信したところ、「では勉強の息抜きに話をしましょう」ということに。面談では公認会計士の活躍フィールドや年収などの情報を聞かせてもらったほか、武蔵コーポレーションの募集の話も詳しく聞いて興味が深まり、まずは一次面接に行ってみることにしました。

極度のあがり症を再認識し、複数回の面接トレーニングで準備

オファー内容は、財務・経理担当だけではなく、「顧客の税務対策全般に対応するために、3年以内に開設予定の公認会計士事務所の責任者のポジションを任せたい」という魅力的なもの。一次選考では採用担当者との面接のほか、社内見学もさせてもらい、お洒落なオフィスやロケーションの良さにも刺激を受けて、次のステップにも進みたいという意欲が湧きました。

ただ、私の課題は極度のあがり症であること。年齢の近い採用担当者との会話にも緊張してしまい、志望動機など自分の中でまだ整理できていなかったこともあって上手く伝えることができず、改めて自分のコミュニケーションの問題を実感。そこで二次面接前に、ヘッドハンターの坪田さんと複数回お会いし、面接トレーニングをしてもらいました。文章の丸暗記ではなく、箇条書きにして言いたいことをポイントで覚える方法で準備し、二次面接へ。面接官の公認会計士でもある財務経理部長が魅力的な方で、さらに入社への意欲は高まりました。

開き直って臨んだ最終面接、まさか1社目で入社が決定するとは

転職者のSさん

最終の社長面接は、2017年12 月23日。採用担当者からは「もう少し会話力を上げないと難しいかもしれない」というアドバイスをもらっていたので、当日は2時間前に坪田さんと会って最後に仕上げのロープレをしました。極度に緊張している私を見て、坪田さんが買ってきてくれたのが温かい缶コーヒー。徐々に心が落ち着き、「(私の地元の)秋田弁で話してみたら」という言葉に、開き直って頑張ろうという気持ちに。正直面接はボロボロなところもありましたが、すぐに内定の連絡をいただけたときは嬉しかったですね。

まさか転職支援サービスに登録して1ヶ月後に決まると思っていなかったので驚くばかり。転職活動の過程で坪田さんからは「複数の内定を得て選べるようにするのが納得のいく転職活動になること」や、一社のみで選考が進んだため「他の会社も見てみた方がいいのでは」というアドバイスも受けましたが、武蔵コーポレーションは条件や働きやすさ、キャリアプランなど、まさに私が希望していた通りの会社。1社目で行きたいと思える会社に出会えたのは縁があったのかなと感じています。

経理チームのリーダーの他、新システム導入の責任者も担当

入社したのは、収益用不動産の売買・仲介・賃貸管理をしている会社。私は不動産の知識ゼロからのスタートだったので、入社後2ヶ月間は営業部門で研修を受け、用地仕入れから物件完成までの経過を自分の目で確認。業務全体の流れが明確になったことが経理業務を遂行する上で非常に役立っています。

その後は、経理業務全般をマネジメントする経理チーム(8名)のリーダーへ。決算説明会資料においては、部長及び社長からアドバイスを受けながら完成度の高い資料を作成することができ、経営視点も磨かれている実感があります。若手にどんどん権限移譲する社風もあるので、現在は、「顧客管理システム」と「会計ソフト」の導入責任者も担当。経理の枠を超えた貴重な経験となっています。

転職への満足度を評価するなら80点。残り20点は、もっとキャッチアップスピードを加速させたいという自分への戒めも込めて。いずれにせよ社員全員が同じベクトルを向いた会社で働けるのは大きな喜びです。

担当ヘッドハンター:「人物面重視の会社だからこそ、人柄が伝わるよう徹底した面接準備を実施」

武蔵コーポレーション様は不動産事業の中でも収益用不動産に特化して事業を展開しているベンチャー企業。財務経理部長が30代前半といった、若い社員が多く活躍しています。今回採用を目指すのは、そういった会社の風土にも馴染んでもらえるような、公認会計士有資格者。企業の考えとして候補者のスキルよりも、企業哲学・理念にマッチしているかという人物面を重要視していることから、非常にハードルの高い採用となりました。

そういう点では転職活動を始めたばかりのSさんに声をかけられたのは、非常に運とタイミングがよかったと感じています。面接を通して企業側の採用担当者と部門長は「ぜひSさんと一緒に働きたい」という意向も強くなり、社長面接に向けて私と企業で積極的に情報交換をしながら面接準備を進めていくことができました。

私自身は、求職者に書類審査を通過してもらい、1次選考の席に着いてもらうため、候補者が求人企業の求めている人材像と重なるよう、候補者に振る舞いや伝え方が適切になるようアドバイスをすることを全く惜しみません。Sさんの場合も、合計3回の面接ロープレを実施。また、面接前には現地で最終打ち合わせをして企業受付に送り出すのもこだわりです。すべては「後悔しない転職」をしていただくため。Sさんもそうした後悔のない転職を実現できたのではと感じています。