医療・医薬・バイオ業界の2022年下半期の転職市場の求⼈・求職者の動きを、業界に精通した株式会社リクルートの人材領域で活躍するキャリアアドバイザーがレポートします。「2022年下半期の転職市場や業界トレンドを知りたい」「納得感のある転職活動のために、採用動向を知っておきたい」という方はぜひご一読ください。
医療・医薬・バイオ業界の2022年下半期転職市場の展望を一言でいうと
求人は堅調に推移。MRは大量採用計画と早期退職が同時に進む。
求職者はリモート環境を求める傾向に。異業界への転職も叶っている。
1.【医療・医薬・バイオ業界】業界・企業側の動き
業界全体として引き続き採用活動は堅調に推移しています。MRについては、早期退職と中途採用が同時に行われている状況。2桁規模での大型採用をしたいという企業もあります。一方で、経験している薬剤のマッチ度は重視されるため、より専門性や即戦力性の高い知識が求められています。今後もMRは、難易度の高い医薬の分野では採用が継続していくでしょう。医薬専門職についても同様に堅調です。メディカル職の採用ニーズは依然として高く、研究所や工場再編に伴う採用も出てきています。上記を踏まえ、CSOでは専門性を見ながらも採用は活発で、早期退職を見越した採用もあります。CROでも人材ニーズが高く、未経験からの採用も進んでおり、看護師や臨床心理士経験者といったコメディカルが採用されています。
バイオの領域では、医療・医薬関連はもちろん、ソイミートやバイオミートといった食品に絡む領域での募集も活発であり、一定の採用活動が行われています。
医療機器は、従来通り営業職とマーケティング職がメインで求人が出ていますが、特にPCRや予防の分野での採用が進んでいます。
2.【医療・医薬・バイオ業界】求職者側の動き
若年層の登録が増えてきている印象です。コロナ禍でリモート環境になったことで、特にキャリアの展望が見えづらい若手が、このままでいいのかというちょっとした不安を感じ、それを周囲が察知することができず、転職を進めるということが起きていそうです。現在はこの業界に限らず非常に活況なため、未経験でも採用されるケースも多く、異業界への転職が叶いやすい状況もこの動きを後押ししていると考えられます。
異業界への転職を希望される方で多いのは、在宅勤務ができなかったり、出社を求められたりといった、働き方の柔軟性がないことによる不満です。完全フルリモートを求める声もあり、企業はどこまで対応できるかが問われています。
看護師を中心とする医療従事者からの転職相談も引き続きあり、コロナ禍で厳しい環境での就労を余儀なくされている看護師や臨床検査技師などの方々が、もっとよい環境と報酬で働きたいと考えるケースがあります。異業界を目指す場合は、専門知識ではない部分のポータブルスキルをしっかりと棚卸しして言語化することが重要です。同様のキャリアの他者事例紹介や、自身では気付いていない可能性を知るためにも、ぜひエージェントを活用してください。
＜医療・医薬・バイオ業界の転職動向＞
出所：リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析
関連リンク
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【2022年下半期】転職市場の今後｜全15業界の中途採用状況
過去の医療・医薬・バイオ業界の転職市場動向
【2022年】医療・医薬・バイオ業界の転職市場は今後どうなる？
増間大樹
製薬業界を中心とした営業職・専門職、双方のサーチ部門を経験後、ライフサイエンス・ヘルスケア領域のアドバイザー部門のマネジャーを務め、現在はハイキャリア領域×候補者専任組織の立ち上げにリーダーとして従事。
菊竹ふみ
管理部門系職種を担当後、メディカル・化粧品・食品業界の技術系専門職・営業職を担当。現在はメディカル業界の技術系専門職、営業職、医療従事者の方を担当するキャリアアドバイザー組織のマネジャー。
