【2022年下半期】外食・店舗型ビジネスの転職市場は今後どうなる？

外食・店舗型ビジネスの2022年下半期の転職市場の求⼈・求職者の動きを、業界に精通した株式会社リクルートの人材領域で活躍するキャリアアドバイザーがレポートします。「2022年下半期の転職市場や業界トレンドを知りたい」「納得感のある転職活動のために、採用動向を知っておきたい」という方はぜひご一読ください。

1.【外食】全体傾向

本格的に採用は回復しており、新規出店の再開に伴い店長や本社側のさまざまな職種で採用が進んでいます。ロードサイドの店舗では、そもそもコロナ禍の影響は都市型店舗に比べれば低く、現在は積極採用になっています。店長やSVは経験者採用をしているが、同業界内で争奪戦になっている状況です。「ワークライフバランスを整えたい」「ポストが上がらない」という転職理由が多いため、大手を中心にしっかりと休みがとれる体制を構築していることなどを訴求しています。

未経験採用では、引き続き他業界の営業職と競合しており、採用ターゲットを広げる動きはあるものの充足は難しいのが現状です。

IT人材の採用は他業界同様苦戦しており、外食へIT人材を惹きつけることが難しく、さらに企業内にも知見がないケースが多いため全てを任せたい、というような求人になることもあり、難易度が上がってしまっています。一部の企業では、IT人材採用のために別会社を立ち上げ、賃金テーブルの見直しや働き方の整備をし採用が進んでいるところがあり、そういった対応ができる企業とできない企業で差が広がりそうです。

管理部門の採用にも力を入れており、特にマーケティングや海外展開を見据えたポジションはニーズが高いです。

2.【店舗型ビジネス】全体傾向

店舗運営・接客販売の求人が引き続き増加傾向にあります。本社の採用が中心ではありますが、SVの採用も増えているようです。店舗開発の求人も増えており、企業はさまざまな業態とのコラボや新規業態への転換を図っています。採用の職種は幅広く、メンバークラスから管理職まで役職としてもさまざまなポジションが出ており、特にEC運営やWEBマーケティングのポジションはニーズが高いでしょう。

求職者を惹きつけるために、各社働き方の柔軟性を高める動きを進めています。全国転勤必須だったポジションを地域限定社員として採用するといった動きは、昨年と比べてもより広がっています。また、フレックス制度の導入やリモートワークが可能になるなど、本社での働き方は変化しているようです。

求職者も企業を見る目が厳しくなっている今、各社がどれだけ既存社員を大切にし、選ばれる企業になれるか、企業の価値を上げていけるかは、これからの事業や採用にかかっています。