株式会社ニフコ

世界で約3,600の特許を取得、年間4,000の新製品を継続的に開発しているニフコは、工業製品に欠かせないエンジニアリングプラスチックファスナーのリーディングカンパニー。例えば自動車なら、カップホルダーから内装、外装、燃料系、パワートレイン系などあらゆる部位に製品が使用されており、自動車一台に使われるニフコ製品は700点以上。自動車以外にも家電製品、オフィスや住宅、ファッション、スポーツ等プラスチックの可能性を追求し、次々と新しい分野にチャレンジし領域を広げてきた。現在では世界40拠点を構え、グローバルカンパニーとして、世界のマーケットで製品を展開している。

設立50年を迎え、さらなる成長のため3,000億円プロジェクトが始動。

経理財務面からみたニフコの強みを教えてください。

あらゆる工業製品は、複数のパーツから成り立っています。ニフコは、そのパーツ同士を繋ぐ工業用ファスナーで国内トップシェア。独立系という強みを活かし、自動車メーカーを中心に世界中のあらゆる分野のメーカーとのお取引があり、現在では海外売上比率が72%と海外にビジネスの基盤を移してきました。また長年にわたり、顧客からの難易度の高い要望に応えてきた開発力を持つ会社です。

新興国における自動車のニーズは急拡大しており、私たちも急激に売上を拡大してきましたが、まだまだ成長の余地が十分にあります。今後、海外展開を加速していくためには、経営管理基盤の整備が急務です。ニフコは2017年で50年目を迎えます、この50年は創業者の強力なリーダーシップで成長してきましたが、今後は人ではなく「しくみ」で動く会社になる必要があると感じています。現在、社内では「3,000億円プロジェクト」がスタートしています。金額的な目標であることはもちろん、そのための基盤やしくみを作っていこうということが主な目的。管理の基盤ができれば、さらに盤石な会社になっていくでしょう。

私は前職の大手家電メーカーでの経験を活かし、「しくみ化」に向けて現在25のプロジェクトを進めています。例えば、「見える化」。海外250口座のデータを毎日確認できるしくみや、帳簿の見える化、原価の標準化など、管理部主導で海外拠点を巻き込み、取り組んでいます。管理本部は会社の様々なデータが集まってきますので、ビジネスセンスがあれば、会社をいい方向に向かわせるため幅広い提案を行い、会社を動かすことができるのです。

萬成 力氏

転職を通じて、キャリアアップを考えていらっしゃる方へのアドバイスをお願いします。

転職を経験している人は、三つの武器を持っていると思っています。一つは、今の会社ではできていないけれど、前の会社では当たり前だったしくみや考え方を理解していること。二つ目は、前の会社で実現したかったけれど、できなかったこと、今度の新しい環境で実現したいこと。三つ目は、前の会社で自分で作り上げたこと。

みなさんが経歴書にも書くのは三つ目だけだと思いますが、それだけではありません。この三つのことを武器だと認識していれば、その会社に応じた使い方ができるのです。自分のことを考えるのではなく、「自分が誰に対して、どんな価値を提供できるのか」を考え続けていけば、価値を提供された側は評価し、その評価が自然とキャリアアップに繋がっていくのではないでしょうか。

萬成 力氏

会社の未来を描き、数字で示していく。

日本CFO協会の主任研究員というお立場ですが、日本企業のCFOとは、どうあるべきだとお考えですか。

今までの経理財務は過去の数字を扱っていましたが、これからは未来を数字で現していくことが求められています。例えば、CEOが「我社は今後、このような価値を創出するべきである」という将来像を打ち出した時に、「そのために今、必要な資源はこうで、こんなリスクがある」ということを、会社全体でコンセンサスをとっていけるよう数字で示す。会社の未来を可視化できるCFOが求められています。

会社というのは持続的に成長し続けていく必要があります。持続的に成長する姿を自分で描き、それに対して自分自身や経理財務としてこういう貢献をしていくべきだ、各部門がこういう役割を担っていくべきだ、というフレームワークを描く必要がありますし、また描ける人がCFOなるべきだと考えています。

CFOになるには経営管理やIR、事業企画などを経験しておいた方が良いという声もありますが、経理だけのキャリアで十分に可能だと思います。私は新卒で大手家電メーカーへ入社し、経理に配属されたのがキャリアのスタートです。その後、子会社へ出向しアメリカに13年駐在。米国CPAなどを取得し、帰国後は事業譲渡に関わり、アジア地域のCFOを経て、ニフコへ転職しました。

アメリカでの経験は、私のキャリアにとって非常に有意義なものでした。アメリカでは「ギルド」のような世界があります。資格を取得するとプロフェッショナル同士のソサエティの一員になることができ、先進事例やベストプラクティスを共有。そして各自が学んだことを自分の会社に応用していく。ベストプラクティスがデファクトスタンダードになっているのがアメリカです。日本のホワイトカラーは生産性が低いといわれていますが、そうではなく「しくみ=ネットワーク」がないだけなのです。アメリカから帰国し、日本で同じようなしくみが作れないかと思っていた時に、日本CFO協会の設立を知り参加。企業財務のプロフェッショナルを育成するための、セミナーやネットワークづくりに取り組んでいます。CFOに限らず、あらゆる職種でプロフェッショナルのネットワーク化が進んでいけば、日本企業がさらに強くなっていくのではないでしょうか。

萬成 力氏と八尋 弓枝氏
八尋 弓枝氏

担当ヘッドハンターの目線

株式会社リクルートキャリア コンサルタント 八尋 弓枝氏

1994年、株式会社リクルート入社。新卒および中途採用、従業員教育の分野で、小規模企業から大手企業までを担当。事業部内でのトップセールス半年間連続など、アワード受賞多数。2003年~2007年11月まで事業運営に携わったのち株式会社リクルートエグゼクティブエージェントにて、役員などマネジメントクラスのキャリアサポートおよびコンサルテイングを経て、2009年より現職。現在、メーカー、商社、流通・小売、サービスなど幅広い業界の経営ボード、経営企画、管理部門のコンサルティングを担当。

日本発、グローバル企業の一員として、
変革をリードしていくチャンス。

海外売上比率が50%を超え、日本の売上シェアが1/4となっている企業は真の意味でグローバル化が進んでいるといいます。その点でニフコはすでに海外売上比率が72%と、まさにグローバル化の先端を走っている企業です。今回募集しているグローバル人事という職務は、まだまだ経験者が少ないため「これから学びたい」とお考えの方にとって非常によい機会。日本発グローバル企業の一員としての役割を実感したい方にはぜひお勧めです。

私は今までファイナンスのマネジメント層、経営ボードの方々のキャリアサポートを担当してきました。日本でCFOまたは管理部門のマネジメントポジションを任されるまでに成長をする過程において、多くの方が転職を経験されています。キャリア構築は不可逆なものです。転職には、メリットもありますが、当然ながらリスクもあり、意志決定は慎重に行う必要があります。その過程で、ぜひ私たちコンサルタントにご相談いただきたいと思っています。

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