あずさ監査法人 金融事業部

あずさ監査法人の基幹事業部の1つ、金融事業部がここ2~3年で職員数を増やしており、現在もさまざまな職種でキャリア採用を行っている。金融事業部では、監査だけでなくアドバイザリーにも力を入れており、日系・外資系を問わず多くの金融機関の信頼を得ている。そのため、人材の採用もアドバイザリー・監査の両部門で積極的に実施している。そこで今回は、金融事業部のキャリア採用全般及び監査部門のキャリア採用については高橋秀和氏に、アドバイザリー部門のキャリア採用については浅海路史氏に、それぞれ詳しくお話を伺った。

アドバイザリー部では2013年から新卒採用(ボストンキャリアフォーラム)をスタートし、キャリア採用でも育成型採用を実施
その結果として若手職員、外国籍職員、女性職員が増え、社風が大きく変化してきた

高橋さんに伺います。金融事業部では多くの職種で人材を求めているとのことですが、なぜでしょうか。

大きな理由としては、3年ほど前から景気が良くなってきて、取り扱うアドバイザリー案件が増えてきたからです。それまでは、金融機関出身の即戦力だけを採用していたのですが、景気の関係で金融機関の流出者が減ってきたため、それだけでは対応が難しくなってきました。そこで、金融事業部では、2013年から新卒採用や若手キャリア採用(金融機関出身者の第2新卒のようなイメージ)を新たに始めました。それ以来、多くの職種で通年のキャリア採用を行っています。

結果として、3年前のアドバイザリー部は約60名の組織でしたが、今では100名ほどに増員しています。また、若手職員、バイリンガル職員、女性職員がいずれも多くなっています。なかでも新卒者に求める条件としては日本語と英語のバイリンガルを設定していますので、若手社員の間では、英語でコミュニケーションを取るのが当たり前の光景になっていますし、外国籍の職員も増えてきております。

あずさ監査法人のロゴ

こうした採用施策の影響で、社風が大きく変化してきました。3年以上前の私たちをご存知の方は、既存のイメージとかなり違う社風になっているのではないかと思います。今後はさらに若手や女性が増え、国際色が豊かになっていくでしょう。こうした社風の変化に合わせ、私のように長く在籍する職員も、各自が意識や考え方を変えていく必要があります。

一方で、昔も今も変わらない良さもあります。たとえば、シニアマネジャー以上の職員はそれぞれの領域の第一人者ばかりですので、新入職員だけでなく、相当のキャリアをお持ちの方でも、日々、刺激を受けられる環境が整っていることもまた確かです。

新卒採用や若手採用を積極的に行っているということは、教育体制を強化していると考えてよいのでしょうか。

もちろんです。現在は、どのマネジャーも部下を育成しなければならないという意識を強く持っていますし、マネジメントもそれを求めています。新入職員は当然ですが、若手キャリア採用でも、時には一から育てていくスタイルを採ります。特に法人としての英語の研修・サポートは手厚く、1カ月ほどの海外語学研修コースなども用意しています。

アドバイザリー部は、監査法人としての信頼性が強み
監査部は、アドバイザリーも経験できることが大きな特徴

それでは浅海さんに伺います。アドバイザリー部では、どのような方に、どのような活躍を求めているのでしょうか。

アドバイザリー部は、金融機関に対して、リスクコンサルティングと言われているアドバイザリー業務を幅広く提供しています。具体的にはその多くは金融機関に対する規制などに起因しているのですが、そうした規制の多くは欧米諸国が先行していますので、それらの先行事例をいち早く収集・分析して、日本でも2、3年後に導入されるだろうことを見越して、金融機関における体制づくりのお手伝いをしています。最近は、環境変化のスピードがますます速くなっており、将来への準備の善し悪しがビジネスを大きく左右するため、どの金融機関でもアドバイザリーの力を強く必要としています。アドバイザリーを行う組織はいくつもありますが、そのなかでのあずさ監査法人の強みは、監査法人としての信頼性であり、あずさ監査法人が行う分析結果の精度の高さを多くのクライアントに感じていただいておりますし、そう思っていただくことが何よりも重要です。

そういったことから、アドバイザリーに就く人材に求めることとしては専門知識や経験はもちろんですが、「誠実性」、「コミュニケーション力」が特に必要となります。クライアントの信頼を得るためには、誠実であることと、クライアントの悩みを引き出すコミュニケーション力が何よりも必要なのです。

もう1つ、我々がアドバイザリーのキャリア採用で重視しているのは、「あずさ監査法人で、中長期的にどのようなキャリアを積んでいくかが見えること」です。たとえば、大きなプロジェクトがあり、そのための人員がすぐに必要という状況になっても、私たちはその場限りの採用は決して行いません。1~2年でまた転職となってしまっては、その方の履歴書に傷がつきます。私たちのビジネスは、5年後をしっかりと見通すことですから、入っていただく方の5年後のキャリアがしっかりと見えないようであれば、その方にとってはあずさ監査法人に入っていただくことはプラスにならないと考え、採用はしません。逆に言えば、あずさ監査法人での中長期的なキャリアを描く意欲のある方を採用したいと考えています。

いま、特に採用に注力しているポジションはどこでしょうか。

高橋 秀和氏

現在、アドバイザリー部で特に必要としている専門家は、アセットマネジメント、内部監査関連、コンプライアンス関連(特にマネーロンダリングなどの金融犯罪対応)、年金・保険関連のアクチュアリーなどです。即戦力を求めるポジションから、ポテンシャル採用を積極的に行っているポジションまで、さまざまです。

例えば、マネーロンダリングなどの金融犯罪対応を行う専門家は、中途採用のマーケットには即戦力がほとんど出てこないのが現実ですので、例えば弁護士資格を持ち、コンプライアンスに詳しい方のポテンシャル採用を考えています。また、内部監査関連は、金融機関での業務経験があり、十分な意欲がある方であれば、ポテンシャル採用を前向きに検討しています。一方、アセットマネジメントについては、金融機関での資産運用関連業務の経験者を募集しています。このように、現在のビジネス環境、今後の展開予想、各チームの人員バランスなどによって、求める人材はポジションごとに大きく異なります。

では高橋さん、監査部では、どのような方に、どのような活躍を求めているのでしょうか。

監査部では、基本的に公認会計士として一定のキャリアのある方を求めていますが、中長期的にキャリアを構築し、活躍していただける方を求めている点は、アドバイザリー部とまったく変わりません。

あずさ監査法人 金融事業部の大きな特徴は、監査をしながら、アドバイザリーも経験できることです。当法人では、監査部とアドバイザリー部が近くにいて、パーテーションと組織の壁が低くなっているため、あちこちで監査とアドバイザリーの協働が起こっています。監査部に在籍しながら、アドバイザリーのサポートを行っている職員が何人もいますし、なかには監査からアドバイザリーへとキャリアを変えた者も何名か出ています。監査を追求する一方で、関心の深い領域の知見を蓄積し、新たなキャリアの展開をつくることができる環境は、なかなか珍しいのではないかと思います。

また、最近は、特に日本企業の海外進出やM&Aに伴う業務が増えており、KPMGの海外拠点とのやりとりがますます増加しています。海外との連携業務にチャレンジしたいという方には、おそらく希望どおりの職務環境をご提供できるでしょう。

浅海 路史氏

最後に、読者へメッセージをいただければと思います。

私たちの事業部では、仕事以外のコミュニケーションも多く、メンバー同士の集まりやイベントがよくあります。たとえば、ランニングを趣味にしている方々が集まって、皇居ランを行うランニングイベントを開催するといったことが行われています。こうした社風も知った上で、十分に納得して入社を決めていただけたら、私たちも嬉しく思います。

公認会計士、早稲田大学第一文学部史学科卒。旅行会社にて財務部に所属し、3年弱勤務。その後、1995年に公認会計士試験に合格し、同年11月朝日監査法人(現あずさ監査法人)に入所。IPO業務や一般事業会社に対する監査を経験した後、2001年7月の金融事業部発足に伴い、同事業部へ移籍。爾来、大手銀行グループに属する様々な金融機関に対する監査を担当し、また政府系金融機関へのアドバイザリー業務にも従事している。

日本アクチュアリー会正会員、年金数理人、京都大学工学部数理工学科卒。日本生命保険相互会社において年金数理・制度設計等を11年間、外資系コンサルティングファームのマーサーヒューマンリソースコンサルティング(現マーサージャパン)で退職給付制度設計コンサルティングや年金数理計算業務等を1年半経験。2006年9月にあずさ監査法人に入所。退職給付全般のアドバイザリー業務やM&A時のデューデリジェンス、ストック・オプションやデリバティブの時価評価業務などを担当。また「確定給付企業年金のすべて」「年金制度設計ハンドブック」 (以上、共著 東洋経済者)、「Q&A退職給付会計の実務ガイド」を執筆。

大谷 幸宏氏

担当ヘッドハンターの目線

株式会社VRPパートナーズ 代表取締役 大谷 幸宏氏

大学卒業後、金融機関にて法人営業職を経験し、98年に管理部門に特化した株式会社日本MSセンター(現:MS-ジャパン)へ入社。東京本部の立ち上げを行うなど、現在の同社の基盤を作る。2004年に国内最大規模のヘッドハンティング会社、サーチファーム・ジャパン株式会社よりスカウトを受け、エグゼクティブサーチ業界へ。同社入社後も数多くの結果を残し、入社2年でパートナーへ昇進。2007年11月に株式会社VRPパートナーズを設立、代表取締役に就任。18年間のキャリアにおいて、2万人以上の転職者との面談実績を持ち、入社後の定着率は95%以上とサーチ業界内においてもトップクラスの実績を誇る。2014年に日本アクチュアリー会の会員に。

グローバルでのサービス品質の高さに定評がある一方で
若手人材を育成する意識が強い会社

ご存知の方が多いと思いますが、あずさ監査法人が所属するKPMGといえば、世界155カ国のメンバーファームに約17万4000名のプロフェッショナルを擁する巨大グローバルネットワーク。グローバルでのサービス品質の高さには世界的に定評があります。なかでも金融事業部は信頼性の高さでよく知られています。

一方で、私が多くの職員の方々とお会いして感じるのは、人当たりの柔らかい方が多いという印象です。若手人材を育成する意識が総じて高いことも大きな特徴で、キャリア意識と育成意識の両方が高いマネジャーが多いと感じます。

また、特にアドバイザリー部は、専門家の集まりで、個人主義が強そう、敷居が高そうといったイメージがあるかもしれませんが、実際は事業部内、チーム内の協力体制が整っており、さまざまなバックグランドの方が自分の強みを活かし、力を合わせてプロジェクトを遂行されています。高橋さんがお話しされていたとおり、監査の方々がアドバイザリーの方々のサポートをするといった例も数多くみられます。確かにスペシャリストの集合体ではあるのですが、敷居の高さをあまり強く感じる必要はありません。ご興味のある方は、ぜひ少し気軽な気持ちでご連絡いただけたらと思います。

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