「おみそならハナマルキ」のフレーズで知られるように、老舗メーカーとして家庭用・業務用味噌、及び袋入りやカップ入りの即席みそ汁を広く展開しているハナマルキ(株)。現在同社では、2012年より販売している『液体塩こうじ』の販売強化を行っており、2015年にはタイに工場を立ち上げるなど、世界展開を視野に入れた活動が本格化しています。この新規事業の成長を加速するためにも、豊富なキャリアを持つ人材を将来の幹部候補として迎え入れたいという同社。『液体塩こうじ』にかける想いやその背景について、マーケティング部 兼 広報宣伝室の平田伸行さんに伺いました。
日本古来の調味料“塩こうじ”を、世界的な食のプロも絶賛!
国内外で販売拡大できる大きな可能性。
老舗味噌メーカーである御社が、“塩こうじ”に挑戦されているのは、
どのような背景があるのでしょうか。
“塩こうじ”は日本古来の調味料。麹と塩、水を混ぜて発酵・熟成させるため、当社のような味噌メーカーや酒造メーカーにおいては馴染み深いものでしたが、一般にはあまり普及していませんでした。それが2012年ごろ「酵素の働きによって肉や魚が柔らかくなり、旨みが増す」と注目され、一大ブームに。その流れを受け、当社がもともと販売していたペースト状の塩こうじに加えて、新たに開発したのが『液体塩こうじ』です。
塩こうじは、どんな食材とも相性が良く、「漬け込む」「塗る」「まぶす」など汎用性の高い万能調味料。更に液状タイプにしたことで利便性が高まり様々なシーンでお使いいただけるようになりました。また、塩こうじはほぼ米こうじと塩だけでできており、ナチュラル。アレルギーにお悩みの方や“グルテンフリー(小麦など麦由来の食品を摂取しないこと)”な食事を指向される方にとっても、有効な調味料だと言えます。
このように、塩こうじを取り入れることで食生活をより豊かにしていくことが可能。食材自体の旨みを引き出すという特性から、和食に限らず様々な料理で使っていただけるため、日本における食の多様化や世界中の料理にも対応できる商品だと位置付け、国内外で販売を強化しています。
現在、日本と海外それぞれでどのように展開されていますか。
日本国内は、かつての塩こうじブームが落ち着いた段階。ブームによって“塩こうじ”自体の認知度は以前に比べて飛躍的に高くなりましたので、今は家庭用・業務用ともに“定番化”していくことが重要な時期だと捉えています。当社では小売・卸先への提案活動はもちろんのこと、『液体塩こうじ』を使ったレシピを発信したり、各種イベントを通じた試食会を開催したり、キッチン用品で有名な「ル・クルーゼ」とのコラボレーションなど、様々なチャネルで『液体塩こうじ』の普及に注力していますね。
一方、海外においては2015年にタイで現地法人(Hanamaruki Thailand Co.,Ltd.)を設立しています。これは、タイが鶏肉加工品の一大生産国であり、日本はもちろんヨーロッパなど世界中に輸出していることから、加工工場向けに業務用製品を拡販していくことが主な狙い。加えて、東南アジア地域においても日本食が注目されていることから、一般向けの販売も視野に入れています。
また、アジアだけでなく、欧米圏におけるマーケティング活動を進めており、現地の展示会等にも積極参加。欧米では、有名シェフやグルメ志向の方など、発信力の高い方々を通じて、外食産業で取り入れていただくことをファーストステップと位置付けており、ある有名シェフからは、塩こうじを「マジックシーズニング」だと評価していただくなど、世界展開の拡大に向け着実な手ごたえを感じています。
社内ベンチャーのような立ち位置。ボトムアップ型でアイデアを形にしていける環境。
では、この事業に参加していただきたい方について教えてください。どのような方が御社で活躍できると思いますか。
必要となる経験やスキルについては、お任せするポジションに応じて相応のキャリアを期待したいのですが、大前提としてお伝えしたいのは、今回の採用は当社の“新規事業”を牽引いただくような方の採用だということです。そのため、事業を推進するための原動力として、商品を愛し可能性を信じ抜く気持ちが必要不可欠になってきます。既存の社員以上に『液体塩こうじ』を好きになっていただけるような情熱に期待したいです。
加えて、自らの手で仕事を動かし形にするようなプレイングマネージャーとしての素養も重要。メンバーに任せて指示するだけではなく、自らも一つひとつのプロジェクトの最前線に立ち、方向性を示していくような動きが、ハナマルキの大切にしてきた文化の一つです。具体的な行動を伴うようなリーダー像を目指していただきたいと思っています。
そのような人材にとって御社でキャリアを築いていく魅力とは何でしょうか。
当社は大正7年創業の老舗企業だというイメージが強いので、もしかしたら意外に思われるかもしれませんが、実は各担当者の意見が尊重されるボトムアップ型で物事が進んでいくのが特徴です。ましてや今回お任せしたいのは、社内ベンチャーのような位置づけの新規事業。長年に渡って味噌を中核商品としてきた当社にとっては、試行錯誤で進めている色合いも強く、各部門が横断で参加する「塩こうじ推進会議」が発足され、知恵を集めながら意思決定を行っています。このようなスタイルだからこそ、自らの意思を込めながら事業を拡大していくような醍醐味を味わえる環境だと思いますね。
また、それでいて放任主義や結果主義という訳ではなく、社長をはじめとした経営陣の配慮や懐の深さも転職者である私自身が驚いた点です。「急がばまわれ」の育成方針で、より本質的で大きな成果が出せるように導いていく風土があるのも、キャリア採用の方にとっては安心できることだと思います。
『液体塩こうじ』はまだスタート地点に立ったばかりです。日本でも海外でも、大きな伸びしろが期待できる商材を、ぜひ一緒に盛り上げていただきたいですね。
【ハナマルキの事業概要】味噌醸造販売および加工食品製造販売/大正7年、信州で始めた味噌・醤油の製造が出発点となり、大正12年には関東に進出。昭和39年には大阪市に営業所を設置し、以降全国展開。日本を代表する老舗味噌メーカーとしての位置づけを確立する。代表商品は、『おかあさん みそ』。近年は独自の商品である『液体塩こうじ』に力を入れており、国内外で販売チャネルの開拓・強化を行っている。
従業員数:290名
売上高:169億5000万円(2014年12月期)
資本金:1億円
マーケティング部 兼 広報宣伝室 執行役員部長 平田 伸行氏
1990年(株)リクルート新卒入社。人材採用広報の制作ディレクターを経験後、新組織の立ち上げや自社の宣伝を担う。2010年、アパレル企業である(株)クロスカンパニーに移り、宣伝広報部門の立ち上げを担った後、執行役員社長室長に就任。急成長期にあった同社の組織体制強化を任され、人事・システム・CS窓口など全方位的に体制の見直し・強化を行う。その後2013年6月よりハナマルキ(株)に参加し、現職。
担当ヘッドハンターの目線
株式会社経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上 和幸氏
1989年(株)リクルート新卒入社。人事、広報、教育領域の事業企画などを担当した後、人材コンサルティング会社に転職し取締役に就任。2004年に(株)リクルート・エックス(現:(株)リクルートエグゼクティブエージェント)に転職し、エグゼクティブコンサルタント、マネージングディレクターなどを経験する。2010年2月に(株)経営者JPを設立し、代表取締役社長・CEOに就任。現在までに1万名超の経営者、経営幹部と対面してきた実績を持つ。『社長になる人の条件』(日本実業出版社)など著書多数。
世界中の食文化に影響を与えられる、
またとない機会です。
食品市場はいわば出来上がったマーケットであり、特にハナマルキ社が扱っている味噌は成熟市場の商品カテゴリーにあります。その中にあって、独自性のある商品を開発し販売強化されていることに、同社のチャレンジ精神を感じさせられます。平田さんがおっしゃるように『液体塩こうじ』は日本食だけに留まる調味料ではなく、世界中の食文化に通用する可能性が十分にある商品。「国内外の食文化を変えていく」というテーマに向き合える機会には滅多に出会えるものではなく、同業界で経験豊富な方にとっても非常に大きなチャンスだと言えるでしょう。ここ数年の動きが事業戦略上も非常に重要ですので、同社内においても今この時期しか経験できない非常にエキサイティングな仕事となるはずです。
また、このような挑戦をしていながらも、長年日本の家庭を温かく支えてきた企業らしい、質実剛健で包容力のある風土を持つのもハナマルキ社の良さだと感じています。だからこそ、新規事業の推進に必要な瞬発力に加えて、誠実さと真面目さを兼ね備えた長期的発展を志向することも大切。家族的な温かみの中で一つのことをしっかりと成し遂げていくようなキャリアを模索している方にとっては、安心してキャリアを築いていける環境だと思います。