株式会社ローランド・ベルガー

株式会社ローランド・ベルガーは、ドイツのミュンヘンに本社を置く、欧州系最大の戦略コンサルティングファームの日本法人です。日本国内マーケットの様々なビジネスにおける経営戦略を支援するだけではなく、日系企業のグローバル戦略を力強くサポート。世界各国のローランド・ベルガースタッフと連携するのはもちろんのこと、アジア各国にも「ジャパンデスク」を置き、グローバルマーケットをカバーする立場にあります。日本共同代表である岡村暁生さんによると、日本における戦略コンサルティングファームとしての確固たる地位を確立していく上で、現在のマーケットは同社が創業時から貫いてきた強みが活かされる環境に変容してきていると感じているのだそうです。果たしてローランド・ベルガーの強みとはどのようなものなのでしょうか。

20年先を見据えた長期的な視野での戦略策定と実行。クライアントへの提案にも、自社の人材育成にも求められる時代へ。

戦略コンサルティングファームといえば、米国系の企業が目立ちますが、ドイツ生まれのローランド・ベルガーは、競合他社と何が異なるのでしょうか。

私たちのような欧州に起源のある会社では、「長期的な安定成長」「ES(Employee Satisfaction=従業員満足)の向上」といった考え方を、長い歴史の中で培ってきました。他方で、これまでの市場では短期的で劇的な成長や株主価値の向上が最優先であったと感じます。もちろん短期的な成長も大切なのですが、これからの根本的な考え方として、20年先を見据えるような長期視野でマーケットやクライアント企業をとらえて戦略を策定し実行していくことが、より重要になってきたと感じます。だからこそ、長年この考え方を率先してきた当社は豊富な実績を武器に、これからのマーケットに向き合っていけるようなアドバンテージがあるのだと考えています。

また、このような長期視点はクライアント企業に向けたものだけではなく、自社の人材育成においても同じです。ドイツには「マイスター制度」が象徴するように、若手を育成することで産業を発展させていくという考え方が根付いています。短期的な成果ばかりを追い求めるのではなく、5年後、10年後に一人前のコンサルタントとして花開いてもらうことが、私たちの人材育成における考え方。私は、2014年まで、8年ほど会社を離れていましたが、復職してみるとベルガー育ちの若手コンサルタントが着実に力をつけ、各種プロジェクトを牽引する立場になっていることを実感しました。今後入社する方にとっても、私たちと一緒にじっくりと成長しながら、未来のローランド・ベルガーでリーダーとなっていただきたいと思っています。

岡村 暁生氏と久留須 親氏

長期的な視点が必要になったのは、どのようにマーケットが変化しているからなのでしょうか。

長期的な視点が必要な理由は、直接的には企業を取り巻く環境がかつてなく曖昧模糊な混沌とした状況となっているからです。弊社では現在の事業環境をVUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity の4つの単語の頭文字)と呼んでいます。VUCAワールドでは、シナリオプランニングに基づく長期的な先読みや、変化に柔軟に対応するための経営判断力と組織能力、現場力が重要となります。短期的な成果にとらわれ過ぎると、VUCAワールドでは方向性を見失ってしまいます。このような状況下、今マーケットでは長期的な視点の戦略に加えて、組織能力を向上させ結果を出していくための“地に足がついたコンサルティング”も求めています。10年前は、コンサルティング業界は成長期のフェーズで、業界全体では経営トップ層に直接対峙するような仕事が主流でした。しかしながら現在は、世の中で広くコンサルタントの価値が認知された成熟期。企業の経営者だけでなく各部門単位でコンサルタントを活用したいと望む声が顕在化しています。この流れは、私たちにとっては自社のカルチャーに世の中がフィットしてきたような感覚です。長期的視野で経営戦略を実現し結果を出していくためには、企業の組織能力を継続的に上げていくことが必要であり、現場を疎かにすることはできないからです。従って、ローランド・ベルガーは、経営層の視界で物事を捉えるようなトップダウン型の戦略を立案するだけでなく、クライアントの組織能力を正しく理解し実行可能な戦略オプションを構築することを重視する一方、現場の課題解決や改善に寄り添うことで組織能力の継続的向上を促し、その結果事業が拡大・発展していくという思想を大切にしてきました。現場にコミットすることで、経営が向上する、そして私たちのビジネスも発展していくという好循環が、私たちの強みであり、創業以来深く根付いているDNA。昔から続けてきた考え方だからこそ、クライアント企業の細部まで深く入っていける力が私たちにはありますし、これからも更に進化してかなければならないと考えています。

「転職」するのではなく、「参加」してほしい。胸に秘めたアントレプレナーシップを発揮できる環境。

今後の事業展開において、何を注力していきたいとお考えですか。

前述したとおり、企業の各現場からいただく声に向き合っていくためには、戦略コンサルタントとしてのベースとなる経営戦略に関する知識・ノウハウだけではなく、各部門の担当者の業務をその方と同じレベルで語れるような深く・細かな専門性を求められるようなシーンも増えていると感じています。そのため、当社としては各業界に深く精通したプロジェクトチームを組めるように、まずは「自動車」「エネルギー」「産業機器」「消費財」「ヘルスケア」の5分野を特に注力し、専任チームを編成しています。今回募集する方は、この分野に精通する方はもちろん大歓迎ですが、若手の方やこれからコンサルタントを志す方にとっては、長期的な成長という観点で採用・育成する方針です。そのため、最初から特定の分野のプロジェクトに特化するよりは、様々な分野のプロジェクトを経験いただきたいと考えていますね。

岡村 暁生氏

一方で、ファンクションを軸として捉えると、現在最も強化しているのは、ICTをビジネスに活用するような「ITマネジメント」と、グローバル戦略に欠かせない「M&A、PMI」です。世の中の流れをみても、ICTの活用やグローバル戦略は、これからの事業成長において避けて通れません。ただし、日々進化を続けるICTの動向を探りながら最適なソリューションを見出すことは簡単ではありませんし、グローバル戦略においても世界的にみれば日系企業は遅れをとっていると感じます。まだまだ課題は多く、上るべき山は大きい。だからこそ、今後入社してくださる方と一緒に積極的にチャレンジを続けていきたいですね。

今後、ローランド・ベルガーに必要な人材とは、どのような方だとお考えですか。

久留須 親氏

ローランド・ベルガーは、グローバルでみれば一定の規模ですが、日本法人としては100名規模。代表である私と入社1年目の新卒社員との距離も近いですし、スタッフ同士も同様で、少数精鋭の企業としての特徴を持っています。だからこそ、一人ひとりの希望や挑戦したい気持ちに耳を傾けることができますし、自ら積極的に提言していきたいという人を歓迎したいですね。このような社風は、今後規模が大きくなったとしても失いたくないローランド・ベルガーの良さ。例えば、オフィスをより良くするための社内プロジェクトは、プリンシパル以上のスタッフを除いて若手スタッフだけで構成され、「自分達が未来のローランド・ベルガーをつくる」という気持ちで取り組んでもらっています。私は共同代表という立場ではありますが、肩書は“職位”ではなく“役割”でしかないというのが個人的な考え。働くスタッフのことも、“部下”ではなく“仲間”だという想いです。極端に言えば、誰がこの会社を引っ張っても良いとさえ思っています。そんな気概のある方とぜひ一緒に働きたいと思っていますし、この気持ちを持っている方にとっては、ローランド・ベルガーは成長機会の多い会社だと自信を持って言えますね。

久留須 親氏

担当ヘッドハンターの目線

久留須 親氏 株式会社ムービンストラテジックキャリア パートナー&マネージングディレクター

東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。新卒で株式会社電通国際情報サービスに入社。プロジェクトマネージャーとして、主に金融系システム開発に従事。その後、IBMビジネスコンサルティングサービス株式会社の事業戦略グループにて、戦略コンサルタントとして事業戦略立案、中期経営計画立案、市場成長予測といったプロジェクトやPMOとしてクライアントの実行支援に携わった後、株式会社ムービンストラテジックキャリアに入社。主にコンサルティング業界を中心に、戦略系・総合系ファームを目指す方々やコンサルティング経験者のキャリアコンサルタントとして、個人の抱える悩みや想いに向き合う日々。

コンサルタント業界の様々なクライアントや転職希望者とお付き合いしていますが、正直に申しあげてローランド・ベルガーは転職をお考えの方々に一言で魅力を伝えるのが難しい企業です。しかしながら、それは決して魅力がない訳ではなく、ローランド・ベルガーの価値がコンサルティングファームにとって本質的で深いものだからだというのが、私の実感です。現代は、日本国内においても世界的にも多くのマーケットが成熟し、経営環境の変化が非常に激しく、従来の方法論は通用しなくなってきています。だからこそ、短期的な成果を追い求めるのではなく、長期的な視点で物事を捉えてしっかりと成長し、結果を出せる組織にしていくことはとても大切。このような価値観を、長い歴史がある欧州を土壌として磨いてこられたローランド・ベルガーは、本質的ですし、先進的だと言えますし、現在のグローバル化の流れにおいて日本が学べるところは大きいのではないでしょうか。

このような考え方の一方、アントレプレナーシップが強く、チャレンジ精神旺盛で、自らで手を挙げて積極的に動くことが出来る。一見すると両極端な特性を併せ持つのも同社の魅力です。世の中全体ががらりと変化をしようとしている現代だからこそ、このような文化があり、成長と挑戦の機会に溢れた同社の環境は、5年先10年先にご自身が大きな成果を発揮するための足掛かりとなるのではないかと思います。これからコンサルタントに挑戦したいという方にとって、大変魅力的な環境だと感じています。

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