企業を取り巻く環境が目まぐるしく変化する中、あらゆる業界、業種が事業変革や改善を迫られています。それに伴い、コンサルティングファームへのニーズも増加、かつ多様化しており、各社とも中途採用を積極化しています。未経験者にも広く門戸を広げているところも増えています。一方で、コンサルティングファームに魅力を覚えつつも、「ドライな社風で、未経験者は育成してもらえなさそうだ」「激務を強いられそうだ」などのイメージが先行し、一歩踏み出せない人もいるようです。そんな中、ボストン コンサルティング グループ(以下BCG)では、本人の希望やライフステージに合わせたサステナブルな(持続可能な)働き方を追求。さまざまな人材育成、サポート制度を取り入れており、業界未経験者も多数活躍しています。そして近年では、京都、大阪、福岡など、東京以外のエリアにも拠点を増やしており、活躍できる場所も広がっています。今回は、異業界を経験した後にBCGに転職してきたお二人に、BCGで働く魅力などについて伺いました。
目次
全社目線で経営戦略に携わりたくて、BCGを選択
――お二人とも、別の業界を経験した後にBCGに中途入社されたとのこと。これまでのご経歴を教えていただけますか?
坂部:新卒で広告会社に入社し、6年近くマーケティングに関わっていました。2016年にBCGに転職し、現在はプリンシパル。ヘルスケア業界を中心に、ターンアラウンドや中長期戦略立案、新規事業立案、M&Aサポートなど幅広い案件に携わっています。
松下:私は新卒で大手電機メーカーに入社し、工場の管理会計に2年半携わりました。その後、別のコンサルティングファームに転職し、主にパブリックセクターの業務改善を担当。そして、2年前にBCGに転職し、現在は製造業を中心に中期経営計画の策定やガバナンスの仕組みづくり、人材育成など幅広いテーマを担当しています。
――コンサルティングファームへの転職を志した理由、中でもBCGを選んだ理由について教えてください。
坂部:広告会社でのマーケティングの仕事はとても充実したものでしたが、「マーケティングの上流にある、クライアントの事業戦略や経営戦略にもっと触れてみたい」という思いを抱くようになり、コンサルティングファームを目指そうと考えました。
BCGを選んだのは、事業戦略や経営戦略に関われる戦略系のコンサルティングファームであり、日本のファームの中では案件が豊富で規模も最も大きいという印象を持っていたから。経験を積める機会も多いし、一緒に働く人も刺激的だろうなと思えたので、入社を決めました。
松下:新卒入社したメーカーでの管理会計の仕事では、付加価値を出すことはあまり求められておらず、ミスをしないことだけが求められていました。「もっとこうすればよくなるのに」と思っても、改善提案が必要とされない環境に物足りなさを覚え、転職を決意。もともと人と話すことと、物事を深く考えることが好きなので、コンサルティングファームが向いているのではないかと、BCGとは別のコンサルティングファームに転職しました。
メーカーでの経験から業務改善に携わりたいと思い、業務改善に強みを持つコンサルティングファームを選びましたが、実際に働いてみると、ある一部門の枠組みの中で業務改善に取り組まねばならない大変さを痛感しました。現場の課題を掘り起こしてみると、実は戦略自体やバリューチェーンの上流にそもそもの問題があるケースもあったのですが、スコープ外なので手が出せず、もどかしさを感じる場面が多かったのです。
そこで、より全社目線でクライアントの課題に取り組めるファームに移りたいと考え、戦略系コンサルティングファームの中でもそのような案件を最も多く抱えているBCGを選びました。
一人ひとりのキャリアに徹底的に寄り添う「ウエットな」人財育成制度
――実際にBCGに入社してみての感想をお聞かせください。入社前に抱いていたイメージとのギャップはありましたか?
松下:組織がとてもフラットで驚きました。コンサルティングファームはタイトルごとに役割が明確に分かれていますが、BCGではタイトルに関係なく積極的に意見を言えるし、ディスカッションでも何でも話すことができます。
坂部:BCGでは「誰が言うか」ではなく「何を言うか」が重要視されますね。上の人の意見でも、違うと思えばどんどん意見を言うし、有益な意見であれば、たとえ一番の若手であっても尊重します。
私は異業界からBCGに入ったので、入社前は「外資のコンサルティングファームだし、きっと人間関係もドライなんだろう」と思っていましたが、予想に反してかなりウエットでした。社員旅行もあるし、社内イベントも多い。運動会や部活動も盛んで、みんな全力で臨んでいます。
人材育成に関してもドライなイメージがあったのですが、実際はかなりウエットで手厚く、驚かされましたね。「好き勝手に頑張り、成果を出してください」という会社だと覚悟していたので、いい意味で裏切られました。
代表的なのは、社員1人に対してキャリアアドバイザーが1人付く「キャリアド制度」。プロジェクトの上司以外の上役がキャリアアドバイザーとなり、担当する社員が所属するプロジェクトの上長や、関わっているメンバー全員にヒアリングして、その人の強みや改善点を集め、この社員をどう育成すべきか、どうすればもっと活躍できるようになるのか、時間をかけて考え、本人にフィードバックしています。
――実際に「手厚い育成や評価」を経験してみて、どんな印象を持たれましたか?
坂部:入社時はシニアアソシエイトの立場だったので、当初はキャリアド制度でフィードバックを受ける恩恵を享受することができました。第三者の視点で、自分の状況をフラットに評価し、今後のステップアップのためのアドバイスをくれるのは心強かったですね。今はキャリアアドバイザー側の立場にもなりましたが、実際にやってみると非常に責任ある業務で、先輩方が自分のことを考えてくれた時間を思い、今さらながら改めて感謝しています。
松下:私は評価していただく側なので、とてもありがたいですね。キャリアド制度もそうですが、入ったプロジェクトごとの評価のフィードバックもとても手厚いんです。評価項目が非常に細かく分かれていて、定期的に評価されるのですが、プロジェクトリーダーが「この項目はどうしてこの評価なのか」など一つひとつ説明してくれるうえ、今後やるべきことを一緒に考え、話し合うことができます。
プロジェクトリーダーからは、普段からこまめにフィードバックをもらう機会もあります。今のプロジェクトでは、2週間に1回のペースでいい点と改善点のフィードバックを受けていますが、自身の行動をすぐに改善できますし、自分ではわからなかった強みにも気づくことができます。
坂部:コンサルティングファームは「最大のアセットが人」なので、人がすべてのベースになります。人材育成に力を入れないと組織としての成長もないと理解しているから、このように手厚いサポートが整備されています。
オフィシャルなものではありませんが、月1回ぐらいのペースで、キャリアアドバイザーが担当社員に現状をヒアリングし、悩み相談に乗ったりするカジュアルなミーティングも積極的に行われています。
松下:女性社員には、キャリアアドバイザーのほかに、女性ならではのキャリアの悩みや相談に乗ってもらうことができるアドバイザーも付いていて、数カ月に1回ペースでミーティングを行っています。多方面に相談できる人がいるのは、本当に心強いです。
効率的に働くために皆で話し合い、改善を繰り返す
――業務内容や業務量については、入社前のイメージとはギャップがありましたか?
松下:入社前は「BCGは抱えている案件の難易度が高く、コンサルティングファームの中でも忙しい会社」というイメージを持っていました。しかし、入社して2年になりますが、実際はそのようなことはありません。
BCGは会社として、常に「サステナブルな働き方をしてほしい」と社員にメッセージを発信し続けています。週に1回、先週の働き方についてのアンケートがあり、その結果についてプロジェクトメンバー全員で、より効率的かつサステナブルな働き方にするにはどこをどう改善すべきかを議論しています。
クライアントの要望で仕事が遅くなったのであれば、場合によっては上役がクライアントと話し合いより効率的な業務の進め方を追求しますし、プロジェクトチーム内で業務量にばらつきがあれば分担してくれます。悩みを相談すれば、「自分の時はこう乗り越えた」などのTipsも共有してもらえます。
坂部:ベースとなるマインドとして、「コンサルタントは、本質的ではないことに時間を使わない」というカルチャーがあります。業務をいかに効率化して本質的な価値を生み出すか、常に考えています。
松下:業務のサポート体制も手厚いですよね。例えば、クライアントへのアウトプットの際に使うパワーポイントの資料の作成を、サポートしてくれる専門のチームがあります。手書きでイメージを相談すれば、それをもとに的確な表現や見せ方を提案してくれます。
最新動向に詳しいリサーチチームもあります。例えば、欧州のカーボンニュートラルの動向について知りたいと思っても、前の勤務先であれば自分で調べるしかありませんでしたが、BCGでは欧州の気候変動チームのエキスパートにメールすれば詳細情報が得られます。
コンサルタントが本質的な仕事にフォーカスできるよう、このようなアウトソース態勢が整っているのはBCGの強み。これらを上手に使いこなすこともコンサルタントのスキルの一つとして評価されます。
地方にもオフィスを新設、さまざまなエリアで価値貢献できる喜び
――お二人は、東京だけでなく地方の案件にも多数関わっていると伺っています。
坂部:私は現在、大阪オフィスに所属しています。大阪オフィスは2020年に開設したのですが、新設が決まった段階で自ら手を挙げ、立ち上げメンバーになりました。自分たちでオフィス物件を探すところからスタートし、メンバー募集や採用選考、クライアントとなる関西企業の新規開拓なども行っています。
BCGはアントレプレナーシップを大事にしている会社。一人ひとりが自身のアスピレーション(強い思い・志)を持ち、それを実現する場としてBCGを活用してほしいという姿勢を打ち出しています。大阪オフィスも、オフィス新設そのものに関わってみたいという人や、コンサルティングファームがあまり進出していない関西で価値貢献したいという人が、自らの意志で集まっています。
松下:私はこれまで、東京のほかに京都、名古屋のプロジェクトに関わってきました。世界でも強い企業のあるこれらのエリアで働くことができて、非常にいい経験でした。プロジェクトは基本的に挙手制で、携わりたいプロジェクトがあれば所属オフィスがどこにあろうが、全国どの案件でも携われます。製造業を担当していると、本社は東京でも製造現場は地方ということも多く、全国に足を運ぶ機会があるのは刺激になりますね。
――坂部さんは関西がメインと言うことですが、東京以外の地域だからこそ得られる楽しさややりがいなどはありますか?
坂部:関西で言えば、独自路線で成長してきた企業が多く、だからこそ事業変革に着手し切れていないケースが多いのが特徴。一方で、コンサルティングファームを活用したことがない企業が大半なので、我々が入ることで大きな価値を生み出せた事例が多く、やりがいを感じています。クライアントからも「初めて戦略系コンサルティングファームとお付き合いしたけれど、事業課題の核心を突いてもらい、高い視座に立って変革を進めることができた」などの言葉をいただくことが多く、嬉しく思っています。
常にチャレンジできる環境があり、失敗も奨励される
――これを読んでいるビジネスパーソンに対し、BCGで働く魅力やメリットを教えてください。
坂部:私自身は、働く環境に最も魅力を感じています。一緒に働いている人が刺激的で、ディスカッションすると必ず発見がある。それぞれの観点を出し合いながら、みんなで建設的に話し合えるのが嬉しいし、何よりの学びになっています。
松下:私もそれが大きな魅力だと思います。BCGではどんなことでも意見を言えるし、学び合える土壌があります。「教えるのが好きな人」も多くて、わからないことがあれば必ず手を差し伸べてくれます。
また、私の入社動機でもありますが、社長直下のプロジェクトなど全社に渡る規模の大きい案件に関われるのも魅力ですね。もちろん大変ですし責任も重いですが、その分やりがいも大きく、全てが学びになっています。
坂部:確かに、大きな仕事に関わる機会はとても多いですね。私は今35歳ですが、この歳で上場企業のトップと常に一緒に働ける機会なんて滅多に得られないもの。貴重な経験を積めるのがありがたいですね。
また、チャレンジを支援する社風があるのもBCGで働くメリットだと感じます。次のステップとして新しい業務に挑戦し、トライした結果としての失敗は奨励されているので、心置きなくチャレンジできます。
松下:働く場所も自由なので、地方に住んでいる人でも東京の案件に関われるし、逆に東京に住んでいる人でも関西や中部などの案件にも関われることが魅力です。
坂部:特に大阪・京都オフィスは立ち上がったばかり。急成長中にあり、プロジェクト数もすごい勢いで増えています。BCGは大きな会社ですが大阪・京都オフィスはまだ比較的小さく、程よいベンチャー感もあり、皆でワイワイ話し合いながらオフィス運営しているので、そういう経験をしてみたい人もウェルカムです。
関西エリアはまだまだ白地が大きいので、自らの手で開拓する楽しさや、クライアントの価値を一から創造する喜びなどをよりダイレクトに感じられるはず。このような環境で一緒にチャレンジしたいという人にも、ぜひBCGの門を叩いてほしいですね。
【勉強会開催のお知らせ】
BCGでは、幅広い社会人の皆様にビジネス知識をご提供する勉強会「BCGビジネス教養セミナーシリーズ」を開催しております。
今回はビジネスシーンで必要とされる問題解決の基礎となる<論点・仮説思考>をテーマにセミナーを開催いたします。弊社コンサルタントによる講義の後、少人数グループセッションでテーマについて質疑応答や意見交換を行います。
社会人として効果的・効率的に課題を整理・解決するにはどのような頭の使い方が必要か、講義を通じて基礎に触れて頂きつつ、その実践についてグループセッションで感じ取って頂く機会となれば幸いです。
今回はポジティブアクション推進のため、社会人経験をお持ちの女性の方を対象にしております。弊社やコンサルティングビジネスにご関心がない方も歓迎しておりますのでぜひご参加を頂けますと幸いです。
下記の求人情報を「クリップ」いただけると、企業から勉強会案内のスカウトが届く可能性がございます。
ご興味のある方はぜひクリップください。(参加URLなどは参加確定後、企業より直接ご案内いたします)
<開催日時・場所>
● 対象:勉強会のテーマにご興味のある方(コンサルティング経験や資格は不問です)
● 日程:2023年6月23日(金)19:00-(2時間程度)
● 形式:オンライン開催(Zoom)
● 内容(予定):
-イントロダクション(5分)
-勉強会(45分)「論点・仮説思考入門」
-グループセッション(45分)
-まとめ(20分)
※本セミナーは日本語での開催となります
※応募締切:6月16日(金)中
ボストン コンサルティング グループの企業概要
全世界50カ国以上に100以上のオフィス、約2万5000名のスタッフを擁する国内最大規模の経営コンサルティングファーム。
1963年に米国で設立後、日本では1966年に東京オフィスを開設。以来、世界・国内の企業や官公庁等をクライアントに、長年の経験とグローバルで培った最先端の知見で事業成長や課題解決の支援をしています。
現在は、東京オフィスのほか、名古屋、京都、大阪、福岡にもオフィスを展開、全国のクライアントへの価値提供に注力しています。