「好奇心」を自己PRで伝える場合のポイントと自己PR例文

転職活動の自己PRで「好奇心」を伝える場合、どのような点に注意すればより効果的なアピールにつなげられるのでしょうか。組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に、好奇心を自己PRで伝える際のポイントや企業が確認していること、注意点などを伺いました。自己PRの例文や作成する際の構成要素なども合わせてご紹介していきます。

「好奇心」を自己PRで伝える場合のポイント

好奇心とは「物事を探求する根源的な心」を意味しますが、自己PRで伝える場合は「新しい分野・未知の領域に対して、目的や目標を持って学び成長する志向」と定義すると良いでしょう。

ただ単に自身の興味が湧いたことについて知ろうとするのみの好奇心を伝えても「個人的な興味・関心のみで終わり、仕事上の成果につなげる能力に欠ける」と判断される可能性があります。自分なりの方向性や目的を持って好奇心を発揮し、組織にとって有益な成果につなげたエピソードを伝えることが大事です。

また、好奇心という言葉をそのまま使うのではなく、自身のエピソードに基づいた「自分らしい好奇心」を伝えることもポイントです。「新しいことにチャレンジしていく成長意欲」「世間のニーズを敏感に察知する情報収集力」などに言い換えて、ほかの応募者との違いを明確にしましょう。

長くキャリアを積んでいるベテラン層の場合も、自己PRで好奇心をアピールすることは評価される可能性があります。過去の成功体験や慣れ親しんだ手法に縛られることなく、「アンラーニング(既存の仕事の信念やルーティンをいったん棄却し、新しいスタイルを取り入れること)によって新たな組織や仕事に適応していく姿勢」を示すことで、プラスの評価につなげることができるでしょう。

「好奇心」の自己PR例文

「好奇心」を強みとして伝える自己PR例文を職種別にご紹介します。

財務会計コンサルタント・管理職の自己PR例文

過去の成功体験に拘泥せず、新しい領域を一から学ぶ好奇心とそれに伴う成長経験を強みとしております。
監査法人の公認会計士として監査保証業務を〇年間経験した後、顧客企業の成長戦略支援に興味を持ち、グループ内のコンサルティング会社に転籍しました。
転籍当初、一定の基準を基に評価・測定を行う監査保証業務と、基準も正解もない中で成長戦略を描く戦略コンサルティングでは、思考方法が大きく異なると痛感しました。そこで思考をリセットするために、若手メンバーと肩を並べて社内勉強会や各種スキル研修にも積極的に参加し、コンサルティングに必要なマインドやスキルセットを約1年間学びました。コンサルティングのスキルに公認会計士の知見を活用できるようになり、3年目にはマネジャーに昇進できました。
過去に捉われず一から学び、引き出しを増やしてきた経験を活かし、新しい領域・分野に挑戦している貴社に貢献していきたいと考えております。

フロントエンドエンジニア職の自己PR例文

業界の先進事例を自ら学ぶ好奇心を活かし、新たなデザインシステムを導入した成功体験を強みとしております。
現職でフロントエンドエンジニアとして営業支援ツールの開発を担当する中、競合他社との差別化のためにユーザー体験の向上を図ろうと考え、新たなデザインシステム導入に挑戦。海外事例を学ぶエンジニア勉強会に参加して技術的な理解を深める一方、幅広い部署と連携するプロジェクトリードにも挑戦し、全体進捗管理や役割分担、ミーティングのファシリテート、経営層向けレポーティングを手掛け、ビジネスサイドの視点も学びました。自社ブランドの価値を再定義し、具体的なデザインツールを整備した結果、開発管理コストを○%削減、新機能追加の所要時間を週平均○時間短縮した上、ユーザー満足度を○%向上させる成果を挙げました。未知の領域を学び、ビジネスに還元したこの経験を活かし、貴社の新たな領域への挑戦に貢献したいと考えております。

人事(組織開発)・管理職の自己PR例文

自ら体感して学ぶ好奇心を活かし、新たな組織開発を導入した成功体験が強みであると考えております。
前職では人事部門の組織開発マネジャーを務め、従業員エンゲージメントの低下防止に取り組みました。管理職の声や組織サーベイの結果から、リモートワークによって若手・中堅メンバー層の帰属意識が低下していることがわかり、新たな取り組みが必要であると考えました。先進的な取り組みをする他社の人事担当者へのヒアリングや、人事コンサルタントによるセミナーに参加。リアルな一次情報を得て、自社にマッチするワークショップの開催や管理職によるシステムコーチング導入した結果、1年後の組織サーベイではエンゲージメントスコアが〇%向上。組織内コミュニケーションの量と質を高めたと評価されました。
組織開発における最新情報を自ら体感して吸収し、新たなアプローチを導入した経験を活かし、貴社の組織強化に貢献していきたいと考えております。

自己PRで採用担当者が確認していること

採用担当者が、履歴書や職務経歴書の自己PRを読んで確認しているポイントは次のとおりです。

  • 職務経歴だけではつかめない、その人の強み(スキル・実績・取り組み姿勢)など
  • その強みを活かし、自社でどのように活躍・貢献してくれそうか

好奇心の自己PRについては「目的や目標、計画性を伴った好奇心であるか否か」「好奇心を持って取り組んだことに対し、ビジネス上の成果を挙げているか」を確認しています。個人的な興味・関心のみでなく、組織が求めていることに紐づけて好奇心を発揮していることがまず評価のポイントとなります。また、課されたミッションに自身の好奇心を結びつけているか、その要素がどの程度あるのかも確認し、活躍・貢献できる人材であるかを判断しているでしょう。

好奇心という特性については、ルーティンワークに対する飽きっぽさや、自身の興味・関心の強さ次第で成果にムラが出ることを懸念される可能性があります。伝え方によっては、「地道さや継続性が求められる日々の業務で安定して力を発揮できないのではないか」「学ぶ意欲は強くても、目的や計画性のない興味本位の好奇心では、ビジネス面に発揮することができない」と捉えられてしまうこともあります。対象となる事柄に対し、自身がどのように好奇心を発揮し、どのような着眼点と行動によって成果につなげたのかをしっかりと伝えましょう。

また、派手な成功体験のみを伝えるのではなく、地道な事柄に好奇心を発揮したことや、日々、計画して学ぶ姿勢があると伝えることも重要です。地に足を着け、目的達成のために必要なことを遂行していける力もアピールし、さらなる評価につなげていきましょう。

自己PR文を作成する際には、これらのポイントを意識してみてください。
自己PR内容が興味を持たれれば、「よりくわしい話を聞いてみたい」と、面接に招かれる確率が高まります。

自己PR文の作り方のコツ

履歴書や職務経歴書に自己PRを記載する際は、以下の構成を意識して文章を作成しましょう。

【1】書き出し

書き出しには、強み、経験領域、こだわりなどを記載します。ここで「好奇心」を入れておくとわかりやすいでしょう。

【2】【1】を裏付けるエピソード

最初の一文で打ち出したアピールポイントについて、これまでの経験の中でどう発揮されてきたのかを読み手がイメージできるよう、具体的なエピソードを記します。
開示できる範囲内で数字や固有名詞なども盛り込むと、手がけてきた仕事の規模感やイメージが伝わりやすくなります。
ただし、長文をダラダラと書くのはNG。200~400文字程度にまとめてください。

【3】成果

【1】の強みが発揮され、【2】のプロセスを経て、成果が挙がったことがあれば記載します。
数字や周囲からの評価など、客観的な情報を伝えましょう。

【4】締め

応募企業で働くことへの意欲が伝わるような言葉で締めくくりましょう。
入社後にどのような活躍・貢献がしたいかという意思表示をすることで、採用担当者の期待が高まります。

自己PRを作成する際の注意点

自己PRを作成する際、内容や表現が不適切だと、アピールポイントが伝わらないばかりか、マイナス印象を与えてしまうこともあります。
以下のポイントに注意してください。

企業が求める人物像にマッチしていない

自身では「強み」と認識しているアピールポイントも、応募企業がそれを求めていなければ、自己PRの効果は望めません。企業が求めている人物像から外れている内容をアピールすると、「自社を理解していない」と評価ダウンにつながる可能性があります。企業のホームページや採用情報などを読み込み、その企業ではどのような人材が活躍しているのか、どのような人材を求めているのかをつかみましょう。
その上で、企業が求める要素と自身の強みが一致しているポイントをピックアップし、アピールするといいでしょう。

具体性に欠け、人柄がイメージしにくい

曖昧で抽象的な表現は避けましょう。例えば「コミュニケーション力に自信があります」だけでは、日頃の業務でコミュニケーション力がどのように発揮されているのかが伝わりません。
「どのような相手と」「どのような場面で」「どのようなスタイルで」「どのようなことを心がけて」など、スキルの要素を細かく分解し、具体的なエピソードを交えて記載しましょう。そうすれば、読み手は入社後の活躍のイメージを描くことができます。

要点が絞られていない

アピールポイントが多すぎると、読み手の印象に残りにくくなります。文章が冗長になると、「要点をわかりやすく伝えられない人」と、マイナスに捉えられてしまうこともあります。
伝える強みは1つ、多くても3つ以内に絞りましょう。

専門用語が多く、分かりやすさに欠ける

異業界に応募する場合、これまでの業界の専門用語を多用しないように注意してください。
読み手は内容を理解できないばかりか、「配慮に欠けた人」とマイナスの印象を抱くかもしれません。
専門用語はなるべく使用しないか、業界以外の人にも伝わるような一般的なワードに置き換えるか、括弧書きなどで説明を添えるといった工夫をしましょう。

【アドバイザー】

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野 友樹(あわの ともき)氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

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