【2023年】コンサルティング業界の転職市場は今後どうなる？

コンサルティング業界の2023年転職市場の求⼈・求職者の動きを、業界に精通した株式会社リクルートの人材領域で活躍するキャリアアドバイザーがレポートします。「2023年の転職市場や業界トレンドを知りたい」「納得感のある転職活動のために、採用動向を知っておきたい」という方はぜひご一読ください。

1.【コンサルティング業界】業界・企業側の動き

一部、採用を控える企業も出てきましたが、全体としては引き続き採用意欲は高い状況にあります。アソシエイトからマネジャークラスまで幅広い層の求人があり、異業界から未経験での応募も多い状況です。人材争奪戦は過熱していくため、企業側も、より一層の情報開示や、スカウトの強化など、採用体制や採用活動のプロセスをアップデートしていくことが求められています。

コンサルティングを手掛ける案件が多種多様になっており、エマージングテクノロジー（将来、実用化が期待される先端技術）を活用した新規事業の検討なども出てきており、最先端の技術に触れながら業界の変革や社会課題の解決に関われることは魅力です。ドローン技術の商用化、WEB3.0、メタバース活用などの案件はR&D段階のものが多く企業の関心の高さがうかがえ、今後も増えていくでしょう。また、引き続き官公庁系の案件、ヘルステック（特に病気予防、健康促進）、カーボンニュートラル対応、サステナビリティに関連する案件も増えており、採用ポジションとしても増加傾向です。経験者が少ない領域のため、何らかの知見を持った方であれば可能性があり、興味があればチャンスがある状況です。

また、コロナ禍を経て、マーケティングや管理会計領域のデジタル化に力を入れる企業が増加しており、マーケティングでは、消費者の購買行動の変化をマクロで捉えて分析するツールを入れるケースが増えていますが、そこで得たデータを基に再度商品戦略をプランニングするなど、以前より深く顧客のビジネスに携われるようになってきており、コンサルタントにとっても絵を描くだけで終わらずやりがいにつながっています。

中途入社者のオンボーディングについては、コンサルティング業界は他業界に比べると先行している印象です。コミュニケーションツールの拡充や試行錯誤に早期に取り組み、今では中途入社者が早期に立ち上がる仕組みができています。

2.【コンサルティング業界】求職者側の動き

未経験からコンサルティング業界を目指す方が年々増加している印象です。業界の動きでも触れたように、案件も多様化しており、企業の中長期戦略や海外の新興企業とのオープンイノベーションの創出、新規事業企画など新しいことにチャレンジできる環境が多くあるため、より一層コンサルタントとしての活躍の幅が広がっていると考えられます。

コンサルティングの経験の有無に関わらず、この業界を志望する方は総じて中長期のキャリアプランをしっかり考えている方が多い印象です。コンサルティング業界で長く働くということにこだわらず、この業界で身に付けた経験やスキルを言語化し、起業を視野に入れたり、専門分野のフリーランスコンサルタントとして働いたりと選べるキャリアの選択肢は多種多様です。また、さまざまな業界の変革に深く携われる環境のため、いずれ自分が骨を埋めたい業界が見つかったらそこへ転職するという方もいます。

未経験でコンサルティング業界を目指す方から多い質問は、「働き方」についてです。まだ「残業が多い」「働き方が非常にハード」という印象を持っている方も多いですが、実際はここ数年でかなり変わっています。もちろん案件の繁閑はあることもありますが、コンサルタントが健康を保ち、長期的にコンサルティング業界で就業できるような環境づくりが推進されてきているため、過度に心配する必要はないでしょう。

＜コンサルティング業界の転職動向＞

出所：リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析

3. 関連動画 【コンサルティング業界編】転職市場 最新トレンド をみる

本記事に関連する内容として、YouTube番組『リクルートダイレクトスカウト ビジネストレンドビュー』で、転職市場のトレンドを解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

【コンサルティング業界編】転職市場 最新トレンド｜リクルートダイレクトスカウト ビジネストレンドビュー