職務経歴書を英語で書くときの5つのポイント【職種別例文あり】

中途採用で外資系や海外の企業を受ける場合、履歴書と職務経歴書を合わせた「レジュメ」と呼ばれる英文の書類を提出するのが一般的です。レジュメには、氏名や連絡先の他、応募職種や自身のスキル・強み、そして職務経歴などを記載します。特に、職務経歴はレジュメの中で大部分を占めるので、書き方のポイントを知っておくと安心です。今回は、英文レジュメの「職務経歴」の書き方について見本をもとに解説していきます。

日本の履歴書・職務経歴書と英文のレジュメとの違い

日本企業の中途採用では、履歴書と職務経歴書が分かれているのが一般的ですが、外資系や海外の企業ではそのような区別はありません。履歴書と職務経歴書を一つの書類として提出することが多く、Curriculum Vitae=略して CV またはResume(レジュメ) と呼ばれます。また英文のレジュメには市販のフォームもありませんので、A4サイズで1、2枚程度をパソコンで作成します。

英文のレジュメに記載する内容

前述の通り、英文のレジュメに記載する内容には、「Personal Information(氏名や連絡先)」のほか、「Objective(応募職種)」「Key Skills(自身のスキル・強み)」「Work Experience(職務経歴)」などがあります。そして、英文のレジュメの中でも一番時間とスペースを費やす部分がWork Experience(職務経歴)です。

外資系の企業では、即戦力となるスキルや経験を持った人材を求める傾向にあります。そのため、レジュメ内のWork Experience(職務経歴)には、「あなたがいかに即戦力として応募企業に貢献できるか」「あなたを採用したら応募企業にとってどのようなメリットがあるのか」ということを意識して、これまでの経歴のほか、Responsibility(担当業務)やAchievement(業績)を記載します。

「Education(学歴)」「Qualifications (資格)」「References (推薦者)」など仕事に直結しない内容はWork Experience(職務経歴)欄に書かないことが一般的です。ただし、企業から求められた場合や自分の経歴を説明する際に必要だと感じた場合はその限りではありません。

また、Work Experience (職務経歴)は他に「Experience」や「Career History」というタイトルでも表現できます。

英文レジュメの職務経歴の書き方見本と5つのポイント

続いて、英文のレジュメに記載するWork Experience (職務経歴)の見本を紹介します。また、英文レジュメのWork Experience (職務経歴)は、日本の履歴書や職務経歴書に記載するものと書き方が異なりますので注意が必要です。見本をもとに、気を付けておきたいポイントを5つご紹介します。

・WORK EXPERIENCE

Customer Service Manager | XXX Cooperative Group | November 20XX – Current

・Responsibilities
Responsible for leading and supervising a team of 30 customer service staff
Building connections and supporting the wellness of the team to achieve excellence in customer service
Handling customer complaints and any major incidents such as security issues
Analysing statistics and other relevant data to determine level of customer service
Collaborating with HR team and managing staff recruitment

・Achievements
Achieved remarkable growth by increasing the customer base by 40% during the year 20XX
Received Employee of the Year Award in 20XX
Promoted to the management role for exceptional organisational skills in August 20XX

Customer Service Representative | XXX Limited | April 20XX – October 20XX

・Responsibilities
Built and maintained strong relationships with designated customers
Provided a service point for all order activities and inquiries

・Achievements
Reduced customers’ complaints by 30% during the year 20XX
Resolved an average of 50 inquiries per day

Education
・Bachelor of Business Administration (20XX) – XXX University in Tokyo Japan

1.職歴は新しい順から

日本の職務経歴書は一般的に年代の古い順に職務経歴を書きますが、英文のレジュメでは最新の経歴から書いていきます。「ポジション名」「会社名」「期間」の順に記載します。同じ会社の違う部署で働いた経験がある場合は、それぞれの部署での経験を別々に記載します。

例:職歴の書き方

WORK EXPERIENCE

Customer Service Manager | XXX Cooperative Group | November 20XX – Current

2.ギャップ(空白期間)を作らない

子育てや家族の介護などの理由で仕事をしていない期間があると、職務経歴の間に時間的なギャップが生じます。そのような場合は、ギャップを埋める記述が必要となります。

職務経歴にギャップ(空白期間)がある場合、応募企業の担当者は「この期間に何をしていたのだろうか」と疑問に感じるでしょう。面接に呼ばれれば直接説明できますが、書類選考の場合はそうはいきません。採用担当者がすんなりと読めるように整えておくようにしましょう。

例:子育てで数年間職場から離れていた場合

Parent | Stay at Home | November 20XX – April 20XX

また、学業や留学でギャップがある場合にはレジュメのEducation(学歴)欄に、ボランティア活動などでギャップがある場合にはレジュメのVolunteer(ボランティア)欄に記載しましょう。

3.求められる人材やスキルに合わせたアピールをする

「Requirements(求められる人材やスキル)」は募集要項に記載されています。募集要項には応募条件も記載されていますので、しっかり読んだ上でその条件を満たしていることをレジュメに反映させていきます。

例:募集要項の応募条件

Requirements:

  • 5+ years of experience in leading a team
  • Proven customer support experience
  • A Bachelor’s degree or equivalent

この例のような応募条件の場合、「A Bachelor’s degree or equivalent」はEducation(学歴)欄に記載しますが、それ以外はResponsibility(担当業務)として反映させます。その際に単に応募条件をコピーするのではなく、実際に行っていたあなたの仕事経験のなかで、特に採用担当者に知ってもらいたいスキルや経験を強調します。

例:応募条件をWork Experience(職務経歴)の中に反映させた場合

WORK EXPERIENCE

Customer Service Manager | XXX Cooperative Group | November 20XX – Current

・Responsibilities
Responsible for leading and supervising a team of 30 customer service staff
Building connections and supporting the wellness of the team to achieve excellence in customer service
Handling customer complaints and any major incidents such as security issues

4.職務内容は箇条書きで読みやすくする

Work Experience(職務経歴)のResponsibilities(職務内容)は箇条書きで見やすく書くことが大切です。

箇条書きの際は、IやYouといった人名代名詞は使用せずに動詞や名詞で書き始めましょう。また数字はアラビア数字(1、2、3など)を使用します。

【箇条書きの書き出しや文中でよく使われる動詞のリスト】

Accelerate(促進する)
Accomplish(成し遂げる)
Achieve(達成する)
Acquire(習得する)
Act as(代行する)
Analyse(分析する)
Assign(任命する)
Authorise (許可する)
Build(構築する)
Complete(完成する)
Construct(構築する)
Contribute(貢献する)
Coordinate(調整する)
Create(創造する)
Delegate (委任する)
Deliver(届ける)
Demonstrate(示す)
Develop(開発する)
Differentiate (区別する)
Direct(指揮する)
Empower(権限を与える)
Enhance(拡張する)
Ensure(確実にする)
Execute(実行する)
Expand(拡大する)
Facilitate(促進する)
Finalise(完成させる)
Generate(生み出す)
Guide(導く)
Handle(扱う)
Identify(見分ける)
Implement(実行する)
Improve(改善する)
Increase(増やす)
Influence (影響を及ぼす)
Initiate(主導する)
Inspire(奮い立たせる)
Instruct(教える)
Launch(開始する)
Lead(導く)
Manage(管理する)
Maintain(維持する)
Maximise(最大化する)
Mentor (指導する)
Minimise(最小化する)
Navigate(かじ取りする)
Negotiate(交渉する)
Obtain(手に入れる)
Operate(運用する)
Organise(組織化する)
Participate(参加する)
Perform(実行する)
Prepare(準備する)
Process(加工する)
Produce(生産する)
Propose(提案する)
Provide(提供する)
Reach(届く)
Receive (受け取る)
Recognise(認める)
Reduce(削減する)
Research(研究する)
Resolve(解決する)
Secure(確保する)
Select(選ぶ)
Succeed(成功する)
Supervise(監督する)
Support(支持する)
Train(訓練する)
Verify(確かめる)
Volunteer (志願する)

5.業績や昇進は具体的に書く

Work Experience(職務経歴)の中には、Achievement(業績)やPromotion(昇進)も記載します。「プロジェクトで目標を達成した」「社内で昇格・表彰された」など個人で達成したこともチームで達成したことも、応募する仕事に少しでも関連することであれば書くようにしましょう。その際に数字を使って表現すると、より具体的に成果が伝わります。

例:Achievement(業績)の書き方

・Achievements
Achieved remarkable growth by increasing the customer base by 40% during the year 20XX
Received Employee of the Year Award in 20XX

例:Promotion(昇進)の書き方

・Achievement
Promoted to the management role for exceptional organisational skills in August 20XX

Education(学歴)は、新しいものから記載します。最終学歴が大学、短期大学、専門学校卒業以上の場合は、高等学校以前の学歴は不要です。Education(学歴)には、取得学位、学校名、所在地、卒業年などを記載します。

例:Education(学歴)の書き方

・Education
Bachelor of Business Administration (20XX) – XXX University in Tokyo Japan

【職種別】英文の職歴テンプレート

職種別に職歴のサンプルをご紹介します。自身の職歴を書く際にご活用ください。

営業職

WORK EXPERIENCE

Sales Representative | XXX Limited | November 20XX – Current

Responsibilities
•Selling products and services using solid arguments to prospective customers
•Performing cost-benefit analyses of existing and potential customers
•Maintaining positive business relationships to ensure future sales

エンジニア職

WORK EXPERIENCE

Civil Engineer | XXX Limited | November 20XX – Current

Responsibilities
•Managing the planning and designs stages of civil engineering projects
•Surveying new construction sites and assessing existing structures for upgrades
•Overseeing all project stages from preliminary layouts to final engineering designs

IT専門職

WORK EXPERIENCE

IT Specialist | XXX Limited | November 20XX – Current

Responsibilities
• Installing new software and hardware components
• Assisting with network administration tasks and ensuring data storage is safe and secure
• Supporting day-to-day operations of the computer network

事務職

WORK EXPERIENCE

Office Clark | XXX Limited | November 20XX – Current

Responsibilities
• Updating and storing files to ensure they are accurate and accessible for other employees
• Writing reports, letters and other business documents
• Sorting mail and responding to it and distributing it to appropriate employees

職務経歴は、応募企業への貢献度を意識して書く

英文レジュメの職務経歴には、「あなたがいかに即戦力として企業に貢献できるか」「あなたを採用したら会社にとってどのようなメリットがあるのか」ということを意識して書きましょう。また、「見やすさ」や「スペルミス」などもないように入念に確認した上で提出するように心がけてください。

【執筆者】外資系面接アドバイザー

高田 あつこ(たかだ あつこ)

将来外資系エアラインのキャビンクルーになりたい方、外資系企業や海外就職を希望さ方の、履歴書作成や面接準備をオンラインでサポート。以前はニュージーランド航空でキャビンクルー採用面接官・チームマネージャー、国際線乗務員、合計13年間キャリアを有する。海外で現地採用の面接官に従事し、また自身でも数多くの就職面接を経験することで、気づくことのできた「海外就活における日本人の強みと弱み」。それを理解した上で、自己分析を通して表現力をつける指導を行う。

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