2013年、25歳の若さで新社長となった山下和洋氏が率いるヤマシタコーポレーションが、様々な職種で積極採用を進めています。そこで今回、山下氏に積極採用の背景、組織の現状、将来の事業展望、求める人物像などを詳しく伺いました。
目次
ビジネスが急伸しているため、組織はベンチャー企業のように未成熟
組織改革をスピーディーに進めていくためには、優秀なマネジャーが欠かせない
ヤマシタコーポレーションとはどのような会社でしょうか?
一言でいえば、「成長業界のリーディングカンパニー」です。ヤマシタコーポレーションは、1963年にリネンサプライ会社として始まりました。全国のホテルや旅館をはじめ、研修所や保養所・スポーツクラブなどに、寝具・リネン・カーテン・ユニフォームなどの多彩なレンタル商品を提供してきました。また医療現場には、衛生管理と安全性に徹底的にこだわったリネンサプライサービスを実施。それに加えて、現在は福祉用具レンタル・販売事業も展開しています。
私たちのビジネスに特徴的なのは、いずれも「成長期」にあるということです。特に、福祉用具業界は、2000年に介護保険制度が施行されてから15年ほどで、約27倍の規模のマーケットに急成長し、現在も年率6~7%の成長を続けています。少子高齢化が進み、高齢者の自律を促す福祉用具が強く必要とされているからです。ロボットやITの導入がさらに進むことも予想され、今後もしばらく成長は鈍化しないでしょう。また、病院リネンサプライ事業も高齢化の影響で伸びています。ホテルリネンサプライ事業は、外国人観光客の増加に伴いホテルの稼働率が上がり、客室数も増えて、再び成長期に入っています。この傾向は2020年まで続くはずですし、その後も観光客が大きく減ることはないと言われているため、継続的にビジネス発展の余地があります。現在の日本で、このように成長事業ばかり展開している企業は決して多くないのではないかと思います。
私は2013年に、創業者の3代目として後を継ぎました。それを機に、現在は「第3の創業」を進めている最中です。個人と組織、ビジネスの継続的な成長を目指し、新たに人事制度を導入しました。今後もこのような取り組みを加速し、リーディングカンパニーという立場に甘んじず、新たな価値を創っていきたいと考えています。
なぜ今回、多くのポジションで募集しているのでしょうか。
私たちは業界のリーディングカンパニーで、2,400名を超える社員を抱えているのですが、ビジネスが急伸していることもあって、良くも悪くも、組織はベンチャー企業のように未成熟です。そこで、ビジネスと組織を大きく拡大していくとともに、今後2、3年で、数千名規模の企業として標準的な組織体制にしたいと考えています。例えば、マーケティングの力を磨き、コスト意識を高め、エラーやミスを減らすことで高収益体質を目指していくとともに、人事考課制度や人材育成に力を入れ、将来のマネジャー候補が次々に出てくるような体制を整えたいと考えています。現在はその基盤整備を進めているところです。
力を入れていることの1つが、福利厚生の整備です。ヤマシタコーポレーションの経営理念は「正しく生きる、豊かに生きる」。お客様や社会だけでなく、社員の幸せを考える姿勢を大事にしています。その証拠に、私たちは、売上や利益のほかに、社員満足度をKPIに入れています。経営と社員満足度は直結していると考えているからです。そして、社員満足度を上げるために重要なのは、ワークライフバランスの実現です。そこで私たちは、昨年は107日だった年間休日を、今年は115日まで増やしました。来年には120日にしたいと考えています。また、残業時間を前年の半分に減らし、有給消化率を前年比2倍に高めました。もちろん、単に従業員の休日を増やし、勤務時間を減らしているわけではありません。一方では、皆でさまざまなアイデアを出し合いながら、生産性アップに取り組み、順調に売上と利益を上げています。
こうした組織改革を今後、よりスピーディーに進めていくためには、優秀なマネジャーが欠かせません。そのため、新卒採用や若手社員募集を積極的に進める一方で、マネジャークラスの人材を広く求めているのです。
外部からマネジャーを採用することには、もう1つ大きな意味があります。それは、他業界のノウハウを持ち込んでいただきたいということ。福祉用具レンタル事業もリネンサプライ事業も、業界全体が成長期で未成熟ですから、業界の常識そのものを変えなくてはならないことが多いのです。そこで、他業界で十分な経験を積んだ方に、新しい風を吹き込んでいただきたいと考えています。
どのような組織にしていきたいと考えていますか。
トップダウンの会社にはしたくありません。一人ひとりが主体的に考え、行動する風土を創りたいと思っています。もちろん経営陣が改革を進めていくこともありますが、それも現場とよくコミュニケーションをとって、一つひとつ丁寧に説明し、相互に納得できる形で実行しています。私が社長に就任してからの3年間は、そうした風土改革を進めてきました。成果は少しずつ出てきており、最近では社内での質問、議論、意見交換が着実に増えてきています。
また数年後、組織基盤がしっかりと整ったら、M&Aなども積極的に行っていくつもりです。そして近い将来、既存事業で、誰も想像がつかないようなまったく新しい価値を提供できる会社にしていきたいと考えています。
イノベーションを起こすチャンスは、いくつもご提供したい
理想を掲げながらも、今ここでできることに全力を尽くしていただけたら
今回の募集で入社する方に、どのような活躍を望んでいますか。
1つ目に、先ほどもお伝えしたとおり、まずは組織基盤整備にご協力いただきたいと考えています。他業界でしっかりとした組織体制やマネジメントを経験してきた方に、日々の仕事を通じて、それがどういうものかを伝えていただき、社内の「当たり前」の基準値を上げていただきたいのです。ただし、同時に私たちの「当たり前」、私たちの価値観を十分にご理解いただく必要もあります。互いの既存概念にとらわれず、一緒に新たな考えを受け入れていけたら、最高の関係を築けるのではないかと考えています。
2つ目に、会社をよくするための新しいアイデアにどんどんチャレンジしていただきたい。そのとき、単に持論を述べるだけでなく、現場で率先垂範していただきたいのです。また、当然ながら、前社では成功したけれど、ここではうまくいかないといったこともたくさんあるはずです。そうしたとき、メンバーと現場に寄り添って、自責で柔軟に対応できる方を求めています。理想を掲げながらも、今ここでできることに全力を尽くしていただけたらと思います。
3つ目に、おそらく想像以上に忙しいでしょう。何しろ、転職者の多くが、「頑張ろうと思って転職してきたけれど、まさかここまでやるべきことがたくさんあるとは思いませんでした」と言うのです。成長期の大変な時期にさしかかっており、数年はこの状況が続くはずです。この大変さを、ワクワクしながら楽しんでいただける方だと嬉しいです。
4つ目に、数年後に組織基盤が十分に整ったら、そのときには、私たちと一緒にどんどんチャレンジして、イノベーションを起こしていただけたらと思います。成長期業界だけに、イノベーションは起こしやすい。チャンスはいくつもご提供できると考えています。
最後に読者へメッセージをお願いします。
自分を成長させたいという気持ちがあれば、人は変わっていける、変わり続けていけると、私は信じています。私はヤマシタコーポレーションを、社員の皆さんが成長し、変わり続けていける環境を継続して提供できる会社にしたい。ここで私たちとともに、ワークライフバランスを大事にしながら、ぜひ楽しい職業人生を歩んでいただけたらと思っています。新たなチャレンジの機会が豊富な当社での仕事は、決して飽きることはないと思います。
【ヤマシタコーポレーションの概要】「福祉用具レンタル・販売事業」及び「リネンサプライ事業」など、レンタル・リーススキームを軸にした事業の展開を進めている。福祉用具レンタル事業では日本の超高齢社会を、リネンサプライ事業では日本の医療・観光拠点を、強力に支援している。いずれの事業も成長期にあり、今後も市場の伸びが予測されている。
設立:1963年
従業員数:約2400名
資本金:1億円
売上高:205億円(2016年3月期 連結)
株式会社ヤマシタコーポレーション 代表取締役社長 山下和洋氏
慶応義塾大学法学部を卒業後、株式会社ヤマシタコーポレーションに入社。 営業・管理部門を経て、平成25年6月に代表取締役専務に就任。同年7月、代表取締役社長に就任し、現在に至る。
担当ヘッドハンターの目線
株式会社リクルートキャリア ハイキャリア・グローバル コンサルティング 高橋 紀夫氏
大手人材エージェントにて、管理部門(人事、経理、総務)経験者に向けた、人材紹介事業の立ち上げ業務、部門マネジャーを経て現職。【人事、経理、総務、法務】【購買調達系・SCM系・物流系】領域のハイキャリア専任コンサルタント。リクルートメディカルキャリアに出向し、薬剤師領域の新規事業を立ち上げた経験もある。
ベンチャー企業並みの勢いや成長スピードで、組織づくりは「王道」
ちょうど今が、会社の急成長に立ち会える面白いフェーズ
ベンチャー企業並みの勢いや成長スピードのある会社ですが、一方で「王道の組織づくり」を進めているのが、ヤマシタコーポレーションの特徴です。さまざまな企業を見てきましたが、良い意味で「まっとうな会社」「きちんとした会社」という印象が強くあります。社員一人ひとりに期待して、活躍できる場をつくろうとする人材育成の姿勢、必要な人材を採用して適切なポジションに配置する手腕、外部の力を適切に利用しながら組織変革を進める手法。決して珍しいことをしているわけではありませんが、経営判断やマネジメントプロセスの一つひとつが丁寧で、社員への想いを感じます。また、ご自身が「トップダウンにしたくない」とおっしゃっているとおり、周囲に権限を与えて、積極的に任せ、社長がいなくても回っていく仕組みをつくろうとされています。おそらく数年後には、「まっとうさ」を強みにした強い組織ができ上がっているのではないでしょうか。ちょうど今、会社は組織的に急成長を遂げているところ。その急成長に立ち会える面白いフェーズです。社長を支え、組織を変革する一員に加わるなら、今がベストタイミングだと思います。