5年半のブランクを経て、52歳で正社員技術者としての転職に成功【転職事例Vol.28】

新卒以降、長きにわたり化学・材料系開発職として長年勤務した後、家庭の事情により47歳で退職。5年半のブランクを経て再就職を決意するも、紹介されるのは希望する技術職以外の仕事ばかり。書類選考でも苦労する中、キャリアを正当に評価し、強い想いを持って支援してくれる転職エージェントと出会えたことで、希望する正社員の技術職として返り咲くことができた転職のストーリーを紹介します。

転職者プロフィール

Mさん(転職当時52歳)
転職前:大手精密機器メーカーで化学・材料系開発や特許出願を担当(年収600万円)
→家族の事情により5年半のブランク
転職後:精密機械メーカーの開発、特許出願(年収600万円)

 

OA機器メーカーや半導体メーカーで化学・材料系開発職として勤務した後、介護のため47歳で退職。5年半のブランクを経て、2018年12月に精密機器メーカーに開発職として入社。

介護や家族との時間を優先して退職、ブランクを経て再就職を決意

ブランクを経て、52歳で正社員技術者に

大学で化学を学んだ後、出身県にある大手OA機器メーカーに就職。社内で売上の大部分を占める花形部署でもあるインクジェットプリンターの開発部門に配属され、無機系機能性材料の開発、特性及び品質・信頼性評価、特許出願などを4年ほど経験。家族の事情で地元に近い製菓メーカーに転職するも、化学系の知識や専門性が活かせないため半年で退職し、大手精密機器メーカーに転職。1社目と近しい製品開発や特許出願業務を担当し、仕事も充実していたものの、47歳の時に退職せざるを得なくなりました。理由は子供の発達障害と親の介護が重なり、妻の負担を少しでも軽減したいと思ったからです。

その後、5年半はアルバイトなどをしながら、家族と向き合う時間を優先。介護も落ち着いてきたことに加え、成長した子供2人に誇りを持って働く父親の姿を見せたいという気持ちが強くなり、2018年の6月頃から転職活動をスタートしました。

理解してくれる転職エージェントとの出会いが大きな転機に

転機になったのは、転職活動を始めて2ヶ月後くらいに、転職エージェントのマッケン・キャリアコンサルタンツからオファーをいただいたこと。企業担当の溝口さんは製造メーカーの出身ということもあり、私のブランク前の経験と知識を正当に評価し、価値を感じてくれました。また、キャリアアドバイザーの橘さんも、ご自身もブランクを経て今の仕事をしている経験から「ブランクがある人の社会的価値を守りたい」という想いを持って支援してくれたことも大きな励みとなりました。

私のキャリアを活かせる求人として、県内にある精密機器メーカーA社の技術者募集を紹介され、書類選考を通過。実は当初、人事側でブランクがあることを懸念していたようですが、企業の現場とも強いリレーションのある溝口さんが現場責任者の方に、私の経歴と開発だけでなく知財特許もできることをアピールしてくれたおかげで、現場から人事側への働きかけもあったようです。

年収面の懸念も払拭され、希望通りの正社員技術者として入社

一次面接は現場責任者、二次面接は人事担当者と行い、スムーズに内定へ。実は同時に技術者派遣会社を受けており、そちらからも内定をいただき、2社の間で最後まで迷うことに。A社はやりたい仕事ではあるものの、勤務地が自宅から通えず、提示年収が希望に満たない480万円。技術者派遣会社は、提示年収が希望より高い550万円であるものの、将来的に仕事内容と勤務地が変わる可能性もある。

どちらにするか悩みましたが、家族のためにも収入を重視して技術者派遣会社に心が傾きかけていた時、またしても溝口さんがA社の人事担当・現場責任者と交渉をしてくれて、提示年収が600万円にまでアップしたのです。自宅からは通えないものの、同じ県内なので車で1時間半で帰れること、そして何よりも経験を活かせる仕事に再び正社員として就けることに魅力を感じて、最終的にA社への入社を決めました。

開発業務や特許出願に加えて、海外工場立ち上げという新たな挑戦も

書類にサインをする人の手元

入社後は、前職の経験を活かしながら開発業務だけでなく、特許出願の分野でも期待されており、書類作成まで任されています。新型コロナウィルスの影響を受ける前は、海外出張も多く、海外工場の立ち上げも担当するなど、充実した毎日。久しぶりの正社員としての仕事にやりがいを感じていますし、50代にして期待されながら新しいチャレンジもできるなんて、こんな嬉しいことはありません。

今は同じ県内ではありますが、単身赴任寮にも入居。週末は車で1時間半ほどの距離の自宅で過ごすので、家族との時間も大切しながら、仕事にも集中して取り組むことができています。私が前職でバリバリ働いていた頃は子供たちも小さく、ブランク中のアルバイトをしていた姿しかあまり知らなかったので、再び誇りを持って働くようになり、私への見方も大きく変わったのではないでしょうか。彼らの仕事選びや人生に少しでもいい影響を与えられたらと思っています。

担当ヘッドハンター:「デジタルマッチではなく、人が介するからこその転職支援をしていきたい」

マッケン・キャリアコンサルタンツ株式会社

常務執行役員 溝口健一さん、執行役員 橘幸恵さん

企業担当:溝口
私自身、製造メーカーで働く中で役職定年後に苦労する方を数多く見てきたことから、シニア世代の支援に特に力を入れています。大切にしているのは、ブランクがあっても、何歳であっても、その方本来の力や価値を見極めて、再定義して企業に伝えていくということ。今回のMさんについては、職務経歴を見ただけでポテンシャルの高さを感じられ、企業の現場責任者との強いリレーションをもとに強く推薦することができました。特にMさんはブランク前の職務経歴を細かく記載していたことがポイントになったので、ブランクのある方はぜひ意識していただくと良いかもしれません。今回のようにデジタルマッチでは実現できない、人が介するからこその転職支援をこれからも続けていきたいと思っています。

キャリアアドバイザー:橘
ご家族の事情でやむなくといった場合でも、ブランクが長いというだけで、そこにばかり目がいってしまう転職エージェントや人事担当者が多く、再就職に苦労されている方がたくさんいます。私自身も子育てによるブランクを経た経験があり、同じような立場の方々の社会的価値を守り、社会に戻す支援をしていきたいと想いがあります。マッケン・キャリアコンサルタンツには、単にビジネスとしてではなく、それぞれの価値観や想いを持って求職者様と向き合い、転職を支援していくメンバーが揃っていますので、まずはざっくばらんに何でもお話しいただければと思います。

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