転職エージェントに年収交渉を依頼する方法

年収の交渉はなかなか切り出しにくいもの。転職エージェントを利用するメリットの一つが、企業側との条件交渉を代行してもらえる点です。ここでは、年収交渉を依頼するメリットや、交渉時に注意するポイントなどについて詳しく解説します。

転職エージェントの年収交渉とは

一般的に転職エージェントのビジネスモデルは、企業にマッチする人材を紹介して入社に至った場合、紹介した人の年収額から一定の割合で成功報酬を受け取ることで成り立っています。

そのため、より高い年収を得るために企業と交渉することは、転職エージェント側にとってもメリットがあります。交渉の余地があると判断すれば応じてもらえる可能性が高いので、希望する年収額に見合わない場合には、転職エージェントに相談してみましょう。

転職エージェントに年収交渉を依頼するメリット

自身で年収交渉を行うのに比べて、転職エージェントを活用した交渉にはメリットがあります。

タイミングや相場を理解している

転職エージェントは、それぞれの業界・職種の年収相場など、交渉の前提条件となる情報を持っているため、どのタイミングでどのように交渉すればよりよい条件を引き出しやすいかを熟知しています。転職市場に幅広く精通したアドバイザーに交渉を依頼することで、より有利な条件をスムーズに引き出せる可能性が高まります。また、事前に年収アップの交渉が可能かどうかのアドバイスももらえるでしょう。

自分で言わずに済む

仮に年収交渉がうまくいった場合、その企業で働くことになるため、強気の交渉はどうしてもしづらいものです。転職エージェントに交渉を代行してもらうことで、自身の希望額をストレートに伝えやすくなりますし、「強気の交渉をしたことで、入社後に気まずくなる」といったことも気にせずに済みます。

年収交渉を依頼するタイミングは?

応募する求人の年収が分かった段階で年収交渉を行うかどうかを検討し、交渉を希望する場合は転職エージェントに相談しましょう。選考が進んで内定承諾をした後では、年収交渉は難しくなります。もし年収額に不満を感じているようであれば、交渉するかどうかを早めに判断するようにしましょう。

年収交渉する場合のポイント

転職エージェントに交渉を任せる場合であっても、自身で注意しておくべき点はいくつかあります。ここでは、年収交渉を行う際、押さえておきたいポイントについて詳しく解説します。

源泉徴収票を確認し、正確な年収を把握しておく

年収交渉を行う際には、前職や現職での年収額が基準となるケースが多いです。そのため、あらかじめ源泉徴収票を確認し、正確な年収を把握しておくことが重要です。年収交渉を開始した後に、「自己申告した前職(現職)の年収額が異なっていた」とならないように注意してください。

希望額と最低希望額を最初に伝える

年収の希望額と最低希望額は、どのような求人を紹介してもらえるかにも影響するため、転職活動を始めるタイミングで転職エージェントに伝えておきましょう。この時「現職と同水準で」「子供の教育費がかかるので」など、その年収を希望する合理的な理由を伝えておけば、年収交渉がスムーズに進みやすくなります。また、希望年収が出るまで強気で交渉するのか、どこまで年収交渉を続けるのかについても、転職エージェントとコンセンサスを取っておくのが良いでしょう。

年収は長期で考える

人事制度の都合上、入社時点ではどうしても希望年収が実現できないケースも考えられます。そんな時には気持ちを切り替え、「入社後に成果を出すことで希望年収を叶える」といった長期的な視点を持つことも大切です。

また、基本給を上げられなくても、入社一時金や調整手当などの形で現職の年収と同等の水準を維持することが可能な場合や、希望年収より提示額が低くても、ストックオプション制度やRSU(譲渡制限付き株式ユニット:自社株を数年に分けてもらえる権利が付与される制度)などがあれば、プラスの検討材料になるでしょう。

他社で年収額が高い内定が出ているのであればそれも伝える

交渉をお願いする際、先に他の企業から年収額が高い内定が出ている場合は、提示された条件などを詳しく転職エージェントに共有するようにしましょう。年収交渉を有利に進めやすくなります。