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転職すると年収は下がる?年収を下げないポイントと後悔しない転職のコツ

年収アップを実現するために転職を考える方がいる一方で、年収以外の条件を重視する中で「これまでよりも年収が下がってしまうのでは?」と心配している方も少なくないでしょう。それでは、実際に転職で年収が下がる人はどのくらいいて、どのような場合に下がりやすいのでしょうか?また、年収を下げずに転職するコツや、年収が下がったとしても満足感のある転職を実現するポイントはあるのでしょうか?組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタントの粟野友樹氏に伺いました。

【アドバイザー】

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野 友樹(あわの ともき)氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

転職による年収のアップ・ダウンはケースバイケース

最初に転職によって年収が上がる人、下がる人の割合を見てみましょう。

厚生労働省の調査(※1)によると、令和2 年(2020年)の転職者全体のうち、前職よりも収入が「増加した」人の割合が34.9%、「減少した」人が 35.9%、「変わらない」人が28.4%となっています。また、リクルートが発表している『リクルートエージェント』のデータ(※2)によると、2021年7〜9月期の転職で賃金が「1割以上」増えた人の割合は30.5%となり、過去最高値を更新しました。なお、前職の賃金は時間外労働などを含む一方、転職後の賃金はそれらを含まないため、実際には1割以上の賃金増になった人の割合はもっと多いでしょう。

平均すると、転職で年収が上がる人と下がる人の割合はだいたい3割強で、それ以外の人が現状維持となるようです。年収のアップ・ダウンは転職の状況によってケースバイケースであり、必ず年収が上がるとは言えませんが、悲観するほどでもないでしょう。

※1出典:厚生労働省 令和2年雇用動向調査 「転職入職者の賃金変動状況別割合」
※2出典:リクルート「転職時の賃金変動状況」

転職で年収が下がりやすいケースとは

次に、転職で年収が下がりやすいケースについて、いくつか例をご紹介しましょう。

キャリアチェンジの場合

未経験の職種や業界への転職、いわゆるキャリチェンジは「キャリアの再出発」となるために企業側も高い金額の提示はできず、年収が下がることが多いようです。特に、今まで在籍した会社で順調に昇給してきた方ほど、前職より給与水準の高い業界へ移らない限り、収入減になると考えておいた方が良いでしょう。しかし、現職よりも成長性がある業界や企業に転職することで、長い目で見れば収入がアップする可能性もあります。

役職や等級が下がった場合

例えば部長候補に応募して選考が進んだ場合、選考での評価によって、同じ「部長」という職位の中でも、どの等級に位置づけられるかが変わってきます。もし「現時点では、部長職としての経験・スキルの水準は高くない」などと判断された場合、仮に採用されても部長職の中で下位の等級となり、年収が下がってしまうことがあります。
また、前職と同じ役職で転職できたとしても、責任の範囲、業務内容、評価制度や手当は企業によってさまざまです。さらに企業の業績によっても給与水準が異なるため、場合によっては年収が下がることもあるでしょう。

選考時に適切な交渉を行わなかった場合

応募者が内定獲得を優先し、希望年収を伝えないまま選考が進んでしまうと、年収ダウンの提示を受ける可能性があります。また、面接中に希望年収を聞かれた場合でも、「○○万円は欲しい」と金額を伝えるだけで、なぜその金額が必要なのかという根拠や背景の説明がないと、企業側も納得感が得られないものです。その結果として、希望通りにならないことも起きるでしょう。

転職で年収を下げないためのポイント

続いて、「今の年収を下げないで転職をしたい」という場合、どのように転職活動を進めるべきか、そのポイントをいくつかご紹介しましょう。

希望年収を超える可能性がある求人を選ぶ

企業の募集要項には、○万円〜○万円と幅を持たせた想定年収が掲載されていることが多く、基本的に企業はその範囲内で応募者に年収を提示します。したがって、交渉をしても上限を大きく上回る可能性は低く、上限で採用されるのも、選考でよほど評価が高かった場合に限られるでしょう。

そこで年収を下げないためには、希望年収を超える可能性がある求人を選ぶことがポイントになります。例えば、年収800万円を希望する場合は、800万円が上限ではなく1000万円以上を上限とする求人に絞るなど、応募する求人の選定が重要になるでしょう。

なお、転職エージェントやスカウトサービスでは、掲載企業の給与体系や報酬決定の方針、実際にいくらの提示があったかという実績などを把握している場合があります。事前にしっかりリサーチしたい方は、相談してみてはいかがでしょうか。

評価を上げるためにアピールする

応募する役職の中でいかに評価され、上の等級で採用されるかどうかも、希望年収を叶えるポイントになります。対策としては、やはりキャリアの棚卸しをしっかり行い、応募する企業や役職の業務に対する理解を深め、自分の経験・スキルとの接点を見出してアピールすることが基本になるでしょう。中には、役員が出席する最終面接にプレゼン資料を用意し、その企業に必要な事業プランなどを提案する方もいます。そうした「貢献したい」「活躍したい」という意欲を見せることも大切になるでしょう。

内定前に希望年収を企業に伝えておく

選考が進んでいる企業に対して、年収の交渉をすることに問題はなく、むしろ内定が出る前に希望年収を伝えておくことが大切です。企業は応募者に任せる仕事内容に加えて、年収も含めて内定の判断をするからです。本人と企業との認識がずれたまま内定が出た場合、交渉をすることも可能ですが、うまくいかなければ不本意な条件で入社したり、最悪の場合は採用自体が見送りになったりするかもしれません。

したがって面接中に採用担当者から希望年収を聞かれたときは、本音ベースで希望を伝えましょう。もしも年収が話題に上らず選考が進んだ場合は、「何か質問がありますか?」と聞かれた時に、他の質問に交えて「年収についても伺いたい」と切り出すといいでしょう。

企業に伝える際は、希望年収と最低希望年収、それらの根拠や背景を具体的にすることがポイントです。例えば、「今年は昇進する年次で○万円となる想定なので、最低その額を希望します」「子どもが進学したので今後のことを考えて+○万円を希望します」といった伝え方をすれば、企業側も年収決定時の検討材料の一つにすることができるでしょう。

年収が下がっても後悔せずに転職を成功させるコツ

転職において重要なのは年収ばかりではありません。叶えたい転職理由によって年収ダウンが避けられない場合、どう準備したら納得感のある転職ができるのか、最後にそのポイントをお伝えします。

転職で実現したいことの優先順位を明確にする

転職を考える場合、現状よりも良い待遇を望むのが一般的で、最初から「年収が下がってもいい」と考える方は少ないでしょう。一方で「新しい領域に挑戦したい」「ワークライフバランスを大切にしたい」「仕事の裁量権を広げたい」など、転職で実現したいことは人それぞれですが、必ずしもその希望条件と、希望年収の両方が同時に叶えられるとは限りません。

転職で後悔しないためには、年収とそれ以外の希望条件の優先順位を自分の中で整理しておくことが大切です。転職で一時的に年収が下がったとしても、転職した企業で中長期に獲得できる経験・スキルと成長が自分にとって重要であれば、納得感は高いことでしょう。

年収ダウンの許容範囲を決めておく

年収ダウンの転職を想定する場合は、いくらまでなら下がってもいいという「許容範囲」を決めておきましょう。ただし生活水準を大きく落とすような年収ダウンは、家族をはじめ周囲の理解が得にくく、また年収ダウンや生活水準の変化によるストレスが、仕事のパフォーマンスに影響を与えることもあります。まずは生活にかかる費用を整理し、「固定費用」と「削減可能な費用」を仕分けした上で、少しの余裕を持って最低希望年収を算出することをお勧めします。年収について一定の譲歩ができれば、それだけ応募先の選択肢が広がり、納得度の高い転職ができる可能性も高まるでしょう。

入社後の報酬制度や昇給のタイミングを確認する

企業と交渉した結果として年収ダウンを受け入れる場合は、入社後の年収アップの可能性に目を向けましょう。近年は定期昇給だけでなく「成果を挙げれば報酬に反映する」という人事制度・評価制度を導入する企業も増えています。入社後にどのような成果を挙げれば昇格・昇給になるのか、どのようなタイミングで年収を前職と同じ水準に戻せるのかなどの目安を、面接で確認するといいでしょう。業績賞与やインセンティブ、ストックオプションなど「+α」の報酬制度がある企業であれば、自分と同じ役職における実績も確認しておきましょう。

家族と話し合い、理解を得ておく

どのような転職でも、家族や周囲に対して相談しなかったり、反対されても押し切ったりすれば、信頼関係が損なわれてサポートが受けられなくなってしまうことがあります。まして年収が下がる可能性のある転職では、生計を共にする家族がいる場合、よく相談して理解を得ておくことが重要です。特に住宅費や子どもの教育費については、パートナーであっても価値観が分かれることが多々あります。お互いの意見や希望をすり合わせ、削減可能な範囲についてしっかり合意しておくべきでしょう。

年収が条件の転職はスカウトや転職エージェントの活用を

年収を下げない転職を望む方は、スカウト型の転職サイトや、転職エージェントをうまく活用してはいかがでしょうか。

スカウト型の転職サイトはあらかじめ希望年収が登録できるので、希望条件に合致したスカウトを受けられる可能性が高くなります。
転職エージェントでは、数ある情報の中から、応募者の経験・スキルと希望年収に合致した求人を選んでご紹介できます。選考が始まれば応募者から希望年収を聞いて企業に伝え、もし提示された金額が妥当でない場合は、本人に代わって年収アップの交渉を行うこともできます。応募者と企業との間に転職エージェントが介在することで、適正な年収を獲得できる可能性も高まるでしょう。