「気配り」を自己PRで伝える場合のポイントと自己PR例文

転職活動の自己PRで「気配り」ができることを伝える場合、どのような点に注意すればより効果的なアピールにつなげられるのでしょうか。気配りができることを自己PRで伝える際のポイントや企業が確認していることを解説します。また、自己PRの例文や作成する際の構成要素なども合わせてご紹介していきます。

「気配り」を自己PRで伝える場合のポイント

自己PR文において気配りをアピールしたい場合には、自身のスタンスやこだわりを改めて認識したうえで、実際に気配りをしたことで、どのような成果が出たのかを具体的に表現することが大事です。なぜなら、具体的な成果に関する記載がなければ、単なる自己満足として受け止められてしまう可能性があるからです。気配りが強みであることを採用担当者にしっかり理解してもらうためにも、具体的なエピソードを交えながらその成果を伝えることを意識しましょう。

また、気配りにフォーカスして自己PR文をまとめる際には、「お客様に喜ばれた」というフレーズを使うことが多くなりがちです。ただ単に「喜ばれた」というだけでは、気配りによってどのような価値を生んだのか、相手に対してどのような貢献ができたのかが判断できません。気配りを行うことで目に見えて起きた変化や、数字で表せる成果などを盛り込むことができれば、より効果的に自身をアピールすることができるでしょう。

「気配り」の自己PR例文

「気配り」を強みとして伝える自己PR例文を職種別にご紹介します。

営業職(不動産)の自己PR例文

私が常に意識しているのは、「お客様へ対しての気配り」です。不動産営業に従事してきた10年間は、お客様の想いを汲み取ることに注力してきました。今後のライフプランについてじっくり話し合い、無理のない返済計画に基づき、安心して暮らせる住まいのご提案を貫いてきた結果、担当したお客様から数多くの紹介をいただけるようになり、2021年には営業〇名中、全国トップの成績を収めることができました。貴社においても、お客様への気配りを大切にしながら、売上アップに貢献していく所存でございます。

飲食・管理職(統括マネジャー)の自己PR例文

関東エリアを統括するマネジャーとして、スタッフの育成に努めてきました。その際に最も意識していたのが「気配り」です。例えば、仕事の悩みを抱えがちな新人スタッフについては、週1回の定期面談を実施し、常に「スタッフの立場になって考えてみる」という意識で、一人ひとりの気持ちに寄り添いながら問題解決をサポートしてきました。その結果、離職率が大幅に低下したのに加え、スタッフのモチベーションアップにつながり、既存店売上の拡大に寄与することができました。貴社においても、管理職として気配りを重視しながら、事業拡大に貢献していきたいと考えています。

エンジニア職(工作機械メーカー)の自己PR例文

私の強みは「気配り」だと考えています。前職では工作機械メーカーの設計部門に所属していました。当初は設計部門で作成した図面を製造部門に共有するのみという運用だったため、完成した製品に対し「意図していたものと微妙に違うのではないか」という疑問を感じたことがありました。そこで、製造部門のメンバーと交流を図り、部門の垣根を超えた議論が活発に行える場を構築。各部門のメンバーの意見や考えを引き出しながら、連携を図りました。その結果、製品の不具合やトラブルを前年の半分以下に抑えるという結果を残せました。貴社においても、部門間の潤滑油の役割を担うことで、組織の活性化に貢献したいと考えています。

自己PRで採用担当者が確認していること

採用担当者が、履歴書や職務経歴書の自己PRを読んで確認しているポイントは次のとおりです。

  • 職務経歴だけではつかめない、その人の強み(スキル・実績・取り組み姿勢)など
  • その強みを活かし、自社でどのように活躍・貢献してくれそうか

気配りをアピールすることは、人や仕事に対して気遣いができたり、十分な配慮ができたりする人材を求めている企業に有効です。営業や接客など、対人スキルが必要となる職種のイメージが強いですが、周囲への気配りは、あらゆる仕事をする上でも欠かせないものです。

また、気配りとは、指示通りに動く受け身の姿勢とは対極をなすものです。相手の気持ちを理解し、「どのような対応がベストなのか」を自ら追求する力があることを示しています。具体的なエピソードや成果を明示することができれば、サービス業など特定の業種だけでなく、さまざまな業種でアピール材料となるでしょう。

自己PR文を作成する際には、これらのポイントを意識してみてください。
自己PR内容が興味を持たれれば、「よりくわしい話を聞いてみたい」と、面接に招かれる確率が高まります。

自己PR文の作り方のコツ

履歴書や職務経歴書に自己PRを記載する際は、以下の構成を意識して文章を作成しましょう。

【1】書き出し
書き出しには、強み、経験領域、こだわりなどを記載します。ここで「気配り」を入れておくとわかりやすいでしょう。

【2】【1】を裏付けるエピソード
最初の一文で打ち出したアピールポイントについて、これまでの経験の中でどう発揮されてきたのかを読み手がイメージできるよう、具体的なエピソードを記します。開示できる範囲内で数字や固有名詞なども盛り込むと、手がけてきた仕事の規模感やイメージが伝わりやすくなります。ただし、長文をダラダラと書くのはNG。200~400文字程度にまとめてください。

【3】成果
【1】の強みが発揮され、【2】のプロセスを経て、成果が挙がったことがあれば記載します。数字や周囲からの評価など、客観的な情報を伝えましょう。

【4】締め
応募企業で働くことへの意欲が伝わるような言葉で締めくくりましょう。
入社後にどのような活躍・貢献がしたいかという意思表示をすることで、採用担当者の期待が高まります。

自己PR文を作成する際の注意点

自己PR文を作成する際、内容や表現が不適切だと、アピールポイントが伝わらないばかりか、マイナス印象を与えてしまうこともあります。
自己PR文の作成にあたり、以下のポイントに注意してください。

企業が求める人物像にマッチしていない

自身では「強み」と認識しているアピールポイントも、応募企業がそれを求めていなければ、自己PRの効果は望めません。企業のホームページや採用情報などを読み込み、その企業ではどのような人材が活躍しているのか、どのような人材を求めているのかを掴みましょう。その上で、企業が求める要素と自身の強みが一致しているポイントをピックアップし、アピールすると良いでしょう。

具体性に欠け、人柄がイメージしにくい

曖昧で抽象的な表現は避けましょう。例えば「コミュニケーション力に自信があります」だけでは、日頃の業務でコミュニケーション力がどのように発揮されているのかが伝わりません。
「どのような相手と」「どのような場面で」「どのようなスタイルで」「どのようなことを心がけて」など、スキルの要素を細かく分解し、具体的なエピソードを交えて記載しましょう。そうすれば、読み手は入社後の活躍のイメージを描くことができます。

要点が絞られていない

アピールポイントが多すぎると、読み手の印象に残りにくくなります。文章が冗長になると、「要点をわかりやすく伝えられない人」と、マイナスに捉えられてしまうこともあります。伝える強みは1つ、多くても3つ以内に絞りましょう。

専門用語が多く、分かりやすさに欠ける

異業界に応募する場合、これまでの業界の専門用語を多用しないように注意しましょう。読み手は内容を理解できないばかりか、「配慮に欠けた人」とマイナスの印象を抱くかもしれません。
専門用語はなるべく使用せず、業界以外の人にも伝わるような一般的なワードに置き換えるか、括弧書きなどで説明を添えるといった工夫をしましょう。

【アドバイザー】

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野 友樹(あわの ともき)氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

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