「リーダーシップ」を自己PRで伝える場合のポイントと自己PR例文

転職活動の自己PRで「リーダーシップ」があることを伝える場合、どのような点に注意すればより効果的なアピールにつなげられるのでしょうか。リーダーシップがあることを自己PRで伝える際のポイントや企業が確認していることを解説します。また、自己PRの例文や作成する際の構成要素なども合わせてご紹介していきます。

「リーダーシップ」を自己PRで伝える場合のポイント

「リーダーシップ」をアピールする際に注意するポイントは、「焦点がぼやけないようにすること」です。リーダーシップには、目標設定、指導、育成など、複合的な役割が絡んできます。そのため、文章の中でたくさんの役割を盛り込んでしまいがちですが、これでは「どこに強みがあるのか」が伝わりにくくなる可能性があります。

そこで、リーダーシップに着目して自己PR文をまとめる際には、まず「前提となる課題」や「課題解決のために意識したこと」などを交えるようにしましょう。そうすることで、それぞれの役割が、どのような状況で実施されたのかが明確になり、仕事に対する姿勢や人柄が理解しやすくなります。問題解決に向けた具体的な行動は、すべてを盛り込むのではなく、強調すべきポイントを絞って記載するように意識しましょう。

「リーダーシップ」の自己PR例文

「リーダーシップ」を強みとして伝える自己PR例文を職種別にご紹介します。

営業職(ソフトウェア)の自己PR例文

私の強みは「リーダーシップ」です。
前職では法人営業部のリーダーとして、後輩社員の指導、育成を行ってきました。新規顧客開拓プロジェクトを立ち上げた際には、既存顧客中心であったこれまでの営業活動の課題点を抽出し、自身の経験を活かしながら後輩社員の指導をきめ細かく行いました。また、チャットツールを新たに導入することで、日々の営業活動で生じた疑問や悩みごとの相談がしやすい環境を作り、フォローに力を入れました。その結果、年間30件ほどの新規顧客開拓に成功し、会社の売上を30%アップさせました。貴社においても、リーダーシップを発揮して売上拡大に貢献したいと思います。

管理職(化粧品販売)の自己PR例文

私の強みは「リーダーシップ」です。
前職では関西エリア35店舗を管理する化粧品販売のエリアマネジャーとして勤務し、持ち前のリーダーシップを発揮して売上拡大に貢献してきました。既存店の売上の落ち込みを食い止めるため、社員のモチベーション向上を意図して行ったのが定期的な勉強会です。各現場の成功事例を共有できる場を作り、競争意識を醸成することで仕事への意欲を高め、結果的に既存店売上を1年間で20%ほどアップさせることができました。貴社においても、管理職として培ってきたリーダーシップを活かし、事業拡大に貢献していきたいと考えています。

ITエンジニア職の自己PR例文

私の強みは「リーダーシップ」です。
大手自動車部品メーカーの生産管理システムを開発した際には、PL(プロジェクトリーダー)としてメンバーの管理、指導を担当しました。リモートワークが常態化する中、あえて対面での1on1ミーティングを設定し、業務に不安を抱えがちな若手とのコミュニケーションを図りました。また、作業をより細分化してメンバーの日々のミッションを明確にすることで、モチベーションを維持しやすい環境づくりに努めました。この結果、チーム全体の業務時間を15%短縮することに成功し、さらには取引先からも信頼を獲得することができました。こうした経験を活かして、貴社のプロジェクトを力強く推進していきたいと考えています。

自己PRで採用担当者が確認していること

採用担当者が、履歴書や職務経歴書の自己PRを読んで確認しているポイントは次のとおりです。

  • 職務経歴だけではつかめない、その人の強み(スキル・実績・取り組み姿勢)など
  • その強みを活かし、自社でどのように活躍・貢献してくれそうか

「リーダーシップ」は業界を問わずさまざまな企業が求めるスキルの一つです。そもそもリーダーシップとは、組織の目標や方向性を明らかにし、その実現に向けてメンバーの育成や指導を行い、チームを牽引する力のことを指します。組織のリーダーやプロジェクトの責任者、マネジャー職などには必須となる重要なスキルです。

また、メンバークラスの募集であっても、将来のリーダー候補として評価される可能性が高いため、リーダーシップにつながるような経験は、自身のアピール材料として積極的に伝えると良いでしょう。

自己PR文を作成する際には、これらのポイントを意識してみてください。
自己PR内容が興味を持たれれば、「よりくわしい話を聞いてみたい」と、面接に招かれる確率が高まります。

自己PR文の作り方のコツ

履歴書や職務経歴書に自己PRを記載する際は、以下の構成を意識して文章を作成しましょう。

【1】書き出し

書き出しには、強み、経験領域、こだわりなどを記載します。ここで「リーダーシップ」を入れておくとわかりやすいでしょう。

【2】【1】を裏付けるエピソード

最初の一文で打ち出したアピールポイントについて、これまでの経験の中でどう発揮されてきたのかを読み手がイメージできるよう、具体的なエピソードを記します。
開示できる範囲内で数字や固有名詞なども盛り込むと、手がけてきた仕事の規模感やイメージが伝わりやすくなります。
ただし、長文をダラダラと書くと要点が掴みにくくなります。200~400文字程度にまとめてください。

【3】成果

【1】の強みが発揮され、【2】のプロセスを経て、成果が挙がったことがあれば記載します。
数字や周囲からの評価など、客観的な情報を伝えましょう。

【4】締め

応募企業で働くことへの意欲が伝わるような言葉で締めくくりましょう。
入社後にどのような活躍・貢献がしたいかという意思表示をすることで、採用担当者の期待が高まります。

自己PR文を作成する際には、これらのポイントを意識してみてください。

自己PR内容が興味を持たれれば、「よりくわしい話を聞いてみたい」と、面接に招かれる確率が高まります。

自己PR文を作成する際の注意点

自己PR文を作成する際、内容や表現が不適切だと、アピールポイントが伝わらないばかりか、マイナス印象を与えてしまうこともあります。
自己PR文の作成にあたり、以下のポイントに注意してください。

企業が求める人物像にマッチしていない

自身では「強み」と認識しているアピールポイントも、応募企業がそれを求めていなければ、自己PRの効果は望めません。企業のホームページや採用情報などを読み込み、その企業ではどのような人材が活躍しているのか、どのような人材を求めているのかを掴みましょう。
その上で、企業が求める要素と自身の強みが一致しているポイントをピックアップし、アピールすると良いでしょう。

具体性に欠け、人柄がイメージしにくい

曖昧で抽象的な表現は避けましょう。例えば「コミュニケーション力に自信があります」だけでは、日頃の業務でコミュニケーション力がどのように発揮されているのかが伝わりません。
「どのような相手と」「どのような場面で」「どのようなスタイルで」「どのようなことを心がけて」など、スキルの要素を細かく分解し、具体的なエピソードを交えて記載しましょう。そうすれば、読み手は入社後の活躍のイメージを描くことができます。

要点が絞られていない

アピールポイントが多すぎると、読み手の印象に残りにくくなります。文章が冗長になると、「要点をわかりやすく伝えられない人」と、マイナスに捉えられてしまうこともあります。
伝える強みは1つ、多くても3つ以内に絞りましょう。

専門用語が多く、分かりやすさに欠ける

異業界に応募する場合、これまでの業界の専門用語を多用しないように注意しましょう。
読み手は内容を理解できないばかりか、「配慮に欠けた人」とマイナスの印象を抱くかもしれません。
専門用語はなるべく使用せず、業界以外の人にも伝わるような一般的なワードに置き換えるか、括弧書きなどで説明を添えるといった工夫をしましょう。

【アドバイザー】

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野 友樹(あわの ともき)氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

リクルートダイレクトスカウトは、リクルートが運営する会員制転職スカウトサービスです。リクルートの求職活動支援サービス共通の『レジュメ』を作成すると、企業や転職エージェントからあなたに合うスカウトを受け取ることができます。レジュメは経験やスキル、希望条件に関する質問に答えるだけで簡単に作成可能です。一度登録してみてはいかがでしょうか。