転職の面接で筆記用具持参を指示する理由は?筆記試験もある?

転職活動の面接に臨む際、応募企業から筆記用具持参を指示されることもあります。組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に、用意しておきたい筆記用具や、面接当日に想定できること、注意したいことなどを伺いました。

面接の案内に「筆記用具持参」の記載があった場合、何を用意すればいい?

企業からの面接案内のメールなどで「筆記具持参」を指示された場合は、面接当日にアンケートが実施されたり、各種書類への記入などを求められたりする可能性があります。筆記試験を実施する場合は、試験の内容なども案内メールに記載されていることが多いので、再度確認しておきましょう。面接当日に会場で慌てないためにも筆記試験の内容に合わせた準備をしておくことが大事です。また、筆記試験が行われない場合でも、採用担当者から聞くさまざまな情報をメモするためにもきちんと準備しておくと良いでしょう。

用意しておきたい筆記用具

面接に臨む際に用意しておきたい筆記用具としては、主に「黒色インクのボールペン、シャープペンと替え芯、消しゴム」が挙げられます。

また、会社説明などの情報や今後の選考の流れなどをメモするために、メモ帳も持参すると便利です。面接当日には、各種書類の控えや会社説明の書類などを受け取る可能性もあります。ビジネス文書はA4サイズが基本のため、折り畳まずに保管できるA4サイズのクリアファイルも用意しておくと良いでしょう。

昨今は、筆記用具やメモ帳を使わず、パソコンやスマートフォンにメモを打ち込むケースも増えています。特に、IT業界などでは応募者が面接中にパソコンやスマートフォンを手元に置くことを当たり前としている企業もあります。しかし、面接担当者によっては「パソコンやスマートフォンの画面を見るより、面接の対話に集中してほしい」と考えることもありますし、面接中にパソコンやスマートフォンを使うこと自体を好ましく思わないこともあります。スケジュール確認などでスマートフォンを取り出すことに問題はありませんが、面接中にメモを取る際には筆記用具とメモ帳を使うほうが無難です。パソコンやスマートフォンなどにメモを取りたい場合でも、相手に一言断りを入れてから使用するほうが安心できるでしょう。

筆記用具を用意する際の注意点

ボールペンは黒色インクのものを用意しましょう。公的文書には青インクの使用もOKとされていますが、ビジネス文書や履歴書などには黒インクを使用することが一般的なため、黒色が無難です。水溶性インクやジェルインキのボールペンは乾くまで時間が掛かり、汚れや擦れの要因となるので避けたほうが良いでしょう。万年筆や消えるインクのボールペンなども転職活動の場には適していません。

また、シャープペンシル・消しゴムも用意しておきましょう。特に、筆記試験が実施される場合は用意しておくと安心できます。シャープペンシルの芯は0.5m程度がお勧めです。細過ぎたり、太過ぎたりする筆跡は読みにくくなる可能性があるので、相手が読みやすい文字を書ける筆記具を選ぶと良いでしょう。消しゴムについては、使い込んでボロボロになったものは清潔感に欠けるため、比較的新しいものを用意した方が無難です。

ボールペン、シャープペンシルは、使用中にインクや芯が切れたりすることもあるため、それぞれ複数本用意しておくと慌てずに済むでしょう。ペン類、消しゴム、ペンケース、メモ帳、クリアファイルは、全て色や装飾が派手なものは避け、ビジネスシーンにふさわしいシンプルなものを選ぶことをお勧めします。

面接で筆記用具持参が必要な場合に実施することとは?

面接当日によくある筆記用具を使う場面と、注意したいポイントについてご紹介します。

筆記試験を実施するパターン

筆記試験の実施内容は企業によって異なりますが、キャリアを長く積んできた人材の採用選考においては、一般常識を問う記述式テストや課題に対する論述試験よりも、SPIなどの性格適正検査や能力適正検査が実施される傾向があります。試験の内容は面接の案内メールなどに記載されていることが多いので、確認の上、実施内容に合わせた対策をすることが大事です。事前にSPIの参考書を復習する、時事問題・業界ニュースに注目しておくなどの準備をしておきましょう。

なお、筆記試験の内容によっては、使用できない筆記用具もあります。SPIなどのマークシート式のテストを受ける場合は、シャープペンシルを使います。ボールペンは使用できないので注意しましょう。また、記述式のテストや論述試験などを受ける場合でも、シャープペンシルの方が書き損じや書き直しなどに対応しやすく、便利と言えます。

転職エージェントを活用している場合は、応募企業で過去に実施された試験の内容などを聞くこともできますし、試験対策のWebサイトや参考図書などを案内するケースもよくあります。また、過去の選考状況や筆記試験が選考に与える影響なども把握していることが多いため、どの程度の準備をすればいいのか聞くこともできるでしょう。

そのほか筆記用具を使用するパターン

筆記試験以外でも、筆記用具を使うさまざまなパターンがあります。下記にご紹介するので、把握しておきましょう。

  • 受付の来場者名簿に記入
  • 交通費支給の場合は受け取り書類に記入
  • 個人情報の取り扱いに関する書類や機密事項への同意書などに記入
  • 入社に必要な書類に記
  • 面接や企業に関するアンケートの実施

来場者名簿への記入は、ボールペンが用意されていることが多いですが、どのパターンにも対応しやすいよう、ボールペンを1本、取り出しやすいように用意しておくと便利です。

筆記用具を忘れた場合はどうすればいい?

面接当日に筆記用具を忘れた場合は、面接会場の周辺で購入すると良いでしょう。筆記用具を忘れたことが選考に大きな影響を与えることはほぼなく、応募企業で筆記用具を借りることももちろん可能です。しかし、相手によっては「準備不足」「志望度が低い」などの印象を与える可能性もあるので、きちんと準備しておくことをお勧めします。準備が間に合わず、企業に筆記具の貸し出しを申し出る際には、準備不足について一言謝罪した上で丁寧にお願いすると良いでしょう。

【アドバイザー】

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野 友樹(あわの ともき)氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

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