スリーエム ジャパン株式会社

スリーエム ジャパンが、女性マネジャーを中心にさまざまなポジションで積極的に募集を行っている。なぜ今、積極採用を行っているのか。なぜ今、女性社員を数多く求めているのか。執行役員 人事担当 野川真木子氏に伺った。

社会のメガトレンドに対応するために
社外のさまざまな経験・視点・アイデアを持ち込んでいただきたい

スリーエム ジャパンについて教えてください。

3Mといえば、おそらく「ポストイット® ノート」や「スコッチ・ブライト™ キッチンスポンジ」を思い浮かべる方が多いと思いますが、決してそれだけの会社ではありません。サイエンスカンパニーとして、5つの事業部門で合わせて5万5,000以上の製品を作っており、世界で約9万人の社員が働く大規模なグローバルカンパニーです。

スリーエム ジャパンは外資系企業としては歴史のある会社で、1960年に創業しており、現在は約2,800人の社員が2,841億円の売上を上げています。後ほど詳しくご説明しますが、スリーエム ジャパンの大きな特徴の一つは、日本に製造・開発拠点を持っていることです。そこで日本発の製品を次々に生みだしており、そのなかのいくつもの製品がグローバル規模で製造・販売されています。スリーエム ジャパンは単なる販売拠点ではないのです。

3Mの製品をほんの少しだけご紹介します。インダストリアル分野ではテープ・接着剤や研磨材など、エレクトロニクス&エネルギー分野では光ファイバーのコネクタや遮熱効果の高いウインドウフィルムなど、セーフティ&グラフィックス分野では道路標識の反射シートや広告用のグラフィックフィルムなど、コンシューマー分野では「ポストイット® ノート」や「スコッチ・ブライト™ キッチンスポンジ」以外にも、メンディングテープや防水スプレーなど、ヘルスケア分野では聴診器や手術用の体温保護シートなど、私たちは本当に多岐に渡る製品を扱っています。

スリーエム ジャパンロゴ

今回、なぜ多職種で募集を行っているのでしょうか。

スリーエム ジャパンは長い間、新卒採用を続けてきました。新卒採用は、今後も企業の持続的な成長に欠かせない施策です。一方で、社会の「メガトレンド」に対応するためにはキャリア採用も重要です。そのため、新卒採用に加えて、キャリア採用を推進することによって外部人材を積極的に採用しています。

ご存知の通り、現在、世界も日本も大きく変化しています。たとえば、世界的にIoTやAIといったテクノロジーの発達が急速に進み、環境への配慮がより一層求められてきています。また、特に日本では、少子高齢化や社会インフラの老朽化が進んでいます。そうしたなか、私たちは今、日本国内の5つのメガトレンドへの成長戦略を描いています。「少子高齢化の加速を踏まえたヘルスケア」、「社会インフラの長寿命化が求められる建設・インフラ」、「地球環境の持続可能性」へのソリューション提案を強化するとともに、「eコマースなどに代表される購買形態の多様化」や「IoT化に伴う次世代の自動車やエレクトロニクス」に注目しています。

たとえば、私たちは今、5つの事業部門を横断する組織で「国土強靭化プロジェクト本部」の活動を進めています。東日本大震災を契機にはじめたもので東北地方や熊本県などの被災地の復興支援や、コンクリートの高品質化ソリューションなど、社会インフラの維持・管理に寄与するさまざまなソリューションを提供しています。

こうしたメガトレンドに対応していくために、私たちは、キャリア採用の方々に「社外の豊富な経験」と「多様な視点」を3Mでの仕事に活かしていただきたいと考えています。

野川真木子氏

今回、女性マネジャーを中心に募集しているのはなぜでしょうか。

スリーエム ジャパンでは、社内のダイバーシティ&インクルージョン、なかでも女性のキャリア形成や活躍の推進に力を入れていきました。米国では40年以上前から草の根で活動していた「Women’s Leadership Forum」を、2013年から世界規模で大きく展開しています。日本では2011年に「DIIVA (Diversity Inclusion for Innovative Values)」というボランティアでの運営組織が立ち上がり、他社で活躍する女性社員から学ぶ機会を設けるなど、社内の啓発活動に取り組んでいます。「リモートワーク」制度や産休・育休からの復職前サポートなど、女性の活躍やダイバーシティそのものを促す人事制度の整備・開発にも力を入れてきました。その結果、現在はスリーエム ジャパンの約20%が女性社員、女性の管理職も約11%と増えてきており、多様な女性社員のロールモデルが確立されつつあります。

そこで今、私たちは「部長職への女性登用」に力を入れています。スリーエム ジャパンでは、2025年に向けたサステナビリティ目標を設定しており、その中に「重要なリーダーシップポジションに就くダイバーシティ人材を2025年までに2倍に増やす」という項目があります。今回、女性マネジャーを中心に募集を行っているのも、こうした女性の活躍を推進する活動の一環です。

グローバルな環境でひらめきやアイデアを大切にして働きたい方に
スリーエム ジャパンの「成長の起爆剤」になっていただきたい

新たに入社する方にはどのような活躍を求めていますか?

一言で言えば、「成長の起爆剤」として期待しています。現在のスリーエム ジャパンにはない視点、私たちが思いつかないようなアイデアをもたらし、メガトレンドへの対応や社内変革を積極的にリードしていただけたらと思います。さまざまな経験・スキルの持ち主を求めているのはそのためです。

特に女性の方には、独自の視点を活かしたマーケティングや製品開発を行っていただきたいと思っています。たとえば、「3M™ マスクにくっつくアイガード」は、患者の血液等から医療従事者の眼を守るためにマスクに簡単に取りつけ、取り外しができるディスポーザブル式の眼の防護具です。女性を含むさまざまなバックグラウンドを持つ開発、マーケティングチームの協業により完成した製品です。

また、先ほど少しお伝えしましたが、スリーエム ジャパンは日本で独自に製造・研究開発も行っています。3Mは各国のニーズに合わせた製品開発を推進しており、スリーエム ジャパンでも日本のお客様向けに最適な製品を開発しています。そして、私たちが生み出した製品のなかには、日本から世界中に広まったものが少なくありません。たとえば、和紙を使ったマスキングテープは、私たちが日本のお客様向けに徹底的に改良を重ね、現在はそれが世界標準となっています。日本で花開いた建築用内装フィルムは、日本で開発・製造を行い、世界中に向けて提供されています。国土強靭化プロジェクトの製品群なども、もちろん私たちが日本で独自に開発・製造しています。最近では、日本のお客様の海外でのビジネス展開にスリーエム ジャパンの製品が役立っているケースがよくあります。研究開発力、マーケティング・営業力、高い品質のものづくり力のすべてが揃っていることは、大きな強みです。どの職種の方も、この環境をぜひ活かしていただけたらと思います。

それから、海外の3M法人で働けるチャンスもあります。これまでの実績と貢献から、スリーエム ジャパンはグループ内で大変高い評価を得ており、さまざまな国から、「スリーエム ジャパン社員にリーダーシップポジションに就いてほしい」という依頼がくるのです。たとえば現在、シンガポール法人とオーストラリア法人のカントリーリーダーはスリーエム ジャパン出身者ですし、米国本社の事業部門のトップを務めている者もいます。日本出身の工場長やチームリーダーは、世界中に在籍しています。グローバルロールやリージョナルロールに就いているスリーエム ジャパンの社員は、現在およそ100人に上ります。グローバルな環境で働きたい方には恵まれた職場だと思います。

野川真木子氏

どのような方を求めていますか?

スリーエム ジャパンには、一人ひとりのひらめきとアイデアを大事にする社風があります。たとえば、研究開発のメンバーには、担当するプロジェクトの進捗や成果を経営層の前で発表する場が用意されています。マーケティングや営業のメンバーには、自分のアイデアを直接経営層にプレゼンテーションし、それを実現するために必要な投資のための「パイオニアファンド」を獲得するチャンスがあります。こうした環境を活かして、与えられた仕事にただ取り組むのではなく、自らアイデアを出して関係者を巻き込み、自律的・自発的に行動できる方に入社していただけたらと思っています。

また、私たちはグローバルのポジションに就く方だけでなく、日本国内で働く方々にも、グローバルなマインドセットを求めています。日々の活動の中で海外のチームと協働することも多いですし、世界の先行事例についてヒアリングするなど、海外とコミュニケーションする機会は日常に溢れています。こうした環境を前向きに活かせる方に入社していただけると嬉しいです。

最後に読者へメッセージをお願いします。

スリーエム ジャパンは人材の宝庫です。製造・販売・技術のどの分野でも、それぞれ深い洞察力と専門性を持った社員が活躍しています。こうした環境を活かして、「3Mのサイエンスで、社会と暮らしをもっと豊かに」という考えに共鳴し、ともに成長し続けていける方に、ぜひ仲間になっていただけたらと思います。