転職が難しいと感じる理由とは?うまくいかない要因別に対策を紹介

転職活動をスタートした後「想定していた以上に難しい」と感じるケースは少なくないでしょう。うまくいかないと感じた際は、活動内容を見つめ直し、改善していくことが大切です。組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が、転職活動が難しいと感じる主な原因や、難しいと感じた時に取るべき対策を解説します。

転職が難しいと感じる主な理由とは?

「転職活動がうまくいかない」と感じる場合、主な理由として次の4つが考えられます。自身にも当てはまる部分がないかどうかを確認してみましょう。

自分の希望と企業の求める人材にギャップがある

自身の経験・スキル・実績と、企業が求める人材像にマッチしない求人に応募しているケースは、転職を難しいと感じる可能性があります。特に競争倍率が高い人気企業の場合は、書類選考の段階から次のステップに進むことも難しいケースもあるでしょう。

短期間で転職を繰り返している

多くの企業は、「入社後の定着性」を評価ポイントの一つとしています。短い期間に転職を繰り返している場合、企業から定着性を疑問視されやすく、選考を見送られる可能性もあります。また、短期間しか勤務していないことで「それぞれの業務における経験が浅い=スキルが身に付いていない」「募集している人材要件にマッチしない」と判断されることも考えられるでしょう。

現職への不満がそのまま転職理由になっている

転職理由が「現職(前職)の職場や待遇などに対する不満」に終始していると、「他責の傾向があり、改善行動をしない」「どこの職場でも同じ壁にぶつかり、転職を繰り返す可能性がある」などと判断されるケースも考えられます。さらに転職の目的が明確でないことから「自社を志望するだけの根拠や説得力に欠ける」とされ、評価につながりにくいかもしれません。

準備や対策が十分でないまま転職活動をしている

企業が求める人材要件にマッチしていても、書類選考や面接に通過できない場合は、自己分析や企業研究、書類・面接などの準備が十分にできていないことが考えられます。特に応募企業にマッチする強みを具体化できていないと、書類や面接で自身をアピールすることができず、選考を通過することも難しくなるでしょう。

また、自身が応募企業の人材要件とマッチしていると思っているアピールポイントが、実際は企業が求めるものとズレている可能性も考えられます。

年齢を重ねることで、転職の難しさを感じることはある?

年齢を重ねると転職が難しくなると考えられていた時代もありましたが、昨今ではこれまでのキャリアで培ってきた経験やスキルを活かし、即戦力としての活躍を期待するなど、社会人歴が長い求職者の採用も行われるケースが見られます。

転職を難しいと感じるよくある4つの要因と対策

求職者自身が転職活動に難しさを感じる4つの要因を解説し、それぞれの対策をご紹介します。

情報収集が難しい

「転職で○○を実現したい」という目的や、目指すキャリアの軸が明確になっていない場合、何をポイントに情報収集すればいいのかわからず、膨大な情報の中から自身が求めるものを探すことは難しいでしょう。

漠然と業界・職種のみで求人情報を探すのではなく、絞り込むポイントを明確にすることが大切です。まずはキャリアの棚卸しを行い、「転職で何を実現したいのか」「どのようなキャリアに進みたいのか」などを考えてみて、自身の転職の軸を明確にしましょう。それらを実現できそうな企業を探す意識を持つことで、膨大な求人からも取捨選択がしやすくなり、有益な情報収集につなげることができます。

希望条件にマッチする求人が見つからない

転職先の企業に望む条件が多すぎたり、高すぎたりしている可能性があります。

こうした場合は、転職市場の状況と自身の市場価値を知ることから始めましょう。企業がどのような待遇・条件で人材募集をしているのか、自身の経験・スキルとマッチする求人がどの程度あるのかなど、転職市場の相場観を把握することが大切です。「全ての条件を満たす企業はそう簡単には見つからない」ことを理解した上で、希望条件に「必須」「尚可」などと優先順位をつけ、優先度の高い項目にマッチする企業を視野に入れると良いでしょう。

自身の経験・スキルで通用しそうな求人が見つからない

「募集している人材要件を満たすほどの経験・スキルがない」と感じてしまう場合、自己分析不足で自身の市場価値を過小評価している可能性があります。これまでの仕事を細かく棚卸しして、応募したい企業・職種に対し、発揮できる強みを洗い出しましょう。

また、企業の人材要件をすべて満たしていなくても、主要な経験・スキルが合致していれば、採用される可能性もあります。自身の強みを発揮できそうな求人であれば、要件をすべて満たしていなくても応募してみることは一案です。その場合、志望度の高さや熱意が伝わるような応募書類を作成することを心がけましょう。
また、目指すキャリアに対し、今回の転職を第一歩とし、ステップアップしていく道もありますし、現職にとどまって必要な経験を積み、スキルを身に付けてから再度チャレンジすることもできます。諦めずに自身に合う方法を探してみましょう。

選考を通過することが難しい

書類選考を通過できない場合は、まず自身の経験・スキルと応募企業の人材要件がマッチしているかを確認しましょう。そのうえで、アピールする内容を見直し、自身の経験・スキル・強みをその企業でどう活かせるのかを、応募書類に明確に書くように意識しましょう。

面接通過に難しさを感じている場合は、アピールしたいエピソードを整理し、より具体的に自身の強みを伝えられるよう改善しましょう。緊張などによって面接でうまく話せないことが気になっている場合は、事前に模擬面接などをして練習しておくことも有効です。模擬面接の様子は、録画しておくと確認・改善に活用できます。

また、応募する企業や職種を絞り込み過ぎているケースや、そもそもの応募総数が少ないケースも、選考通過を難しいと感じる要因の一つです。業界・職種などの幅を広げると同時に、転職先に求める年収条件などの設定を再度見直してみましょう。より多くの企業に応募することで、自身にマッチする企業に出会える可能性を広げることができます。ただし、複数の企業に応募する場合、その分企業とのやり取りなどの工数も増えることになります。自身で対応できる範囲で、応募するようにするといいでしょう。

本当に転職するかどうか迷ったときにやるといいこと

想像していたよりも転職が難しいと感じ、本当に転職するかどうか迷ったら、次のことを確認してみましょう。

転職目的をもう一度見直してみる

繰り返しになりますが、転職を実現させるためには、転職の目的やキャリアの軸を明確にすることが重要です。それらが曖昧のままでは転職活動が難しくなりがちですし、もし転職できたとしても、新たな職場で壁にぶつかった時に、また同じ不満や悩みを抱える可能性が高いからです。「転職したいのは今の状況を変えたいだけではないか」「不満を解消したいだけではないか」という点をもう一度確認し、「自分は転職で何を実現したいのか」をよく考えてみましょう。

現職で目的が達成できるかどうかを考える

転職はそれ自体が目的なのではなく、キャリア上の目的や目標を達成するための手段の一つです。もし希望するキャリアが、今の会社で働き続けることによって実現できるのなら、必ずしも転職をする必要はないかもしれません。何らかの不満や不安が転職を考えるきっかけになっている場合は、まず今の職場で解消する手段を考えてみましょう。目指したいキャリアがある場合も、今の職場で働き続けることで実現できないかどうかをもう一度検討することも一案です。

「転職の難しさ」を感じたら、転職エージェントやスカウトサービスの利用も有効

「転職が難しい」と感じたり、期間が長引いたりしている場合は、何らかの対策した方が良いポイントがあるのかもしれませんが、「自分ではどう改善すればいいのかわからない」ということも少なくありません。このような場合は、転職エージェントに相談してみることも有効です。客観的なアドバイスで解決・改善が必要なポイントを知ることができますし、転職市場の状況や自身の市場価値を把握することにも役立ちます。

また、転職エージェントやスカウトサービスに登録すると、自身の経験やスキルに合う企業を選定し、紹介してもらうことができます。企業の人材要件とのミスマッチを防いだり、選考通過へのアドバイスも受けられたりなど、今まで「難しい」と感じていた過程をスムーズに進めることも可能になるでしょう。

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組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野 友樹(あわの ともき)氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。