【例文あり】自己PRの書き出し方は?ポイントと気をつけたい例も紹介

履歴書や職務経歴書を作成する際、職務経験の記載だけでは伝わりにくい人柄や強みを伝えるためには、「自己PR欄」を活用することも一つの方法です。ただし、採用担当者は多くの書類に目を通しているため、よりアピールにつなげるための工夫は必要です。もし最初の一文で興味を引くことができれば、自己PRの本文をしっかり読んでもらえる確率が高まるでしょう。ここでは自己PRの「書き出し」のポイントと注意点、アピール内容別の書き出し例文を、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。


自己PRの書き出しが大切な理由

採用選考に臨む際の「自己PR」とは、応募企業にどう貢献できるかをアピールするものです。自身の強みを伝えるために、履歴書や職務経歴書に「自己PR欄」を設けて、職務経歴の羅列だけでは伝わらないスキル・実績・取り組み姿勢などを記載します。

ただし、企業の採用担当者は1度に多くの応募書類に目を通すため、特に自己PRにおいては、内容と同等に「書き出し」が重要になります。

最初の一文にインパクトを持たせ、なおかつ伝わりやすい表現を意識することで、読み手を惹き付け、自身の強みの効果的なアピールにつなげることができるからです。自己PR欄の内容に興味を持たれれば、「この人にもっと詳しい話を聞いてみたい」と、面接に招かれる可能性も高まるでしょう。

自己PRの書き出しは「結論から」

自己PRを印象的なものとし、採用担当者に興味を持って読み進めてもらうためには、エピソードや説明的な内容から始めるのではなく、端的に「結論」から述べることが効果的です。「自分の強みは〇〇です」と結論から書き出すことで、何を伝えたいのかが明確になり、相手により理解してもらいやすくなるでしょう。書き出しを含めた自己PRの基本的な構成を以下に紹介するので、ぜひ参考にしてください。

【1】書き出し

「私が強みとするのは、取引先および社内の複数部署との協調性です」など、アピールしたいキーワードを簡潔な一文で打ち出すと、読み手の関心を引きやすくなります。

【2】【1】を裏付けるエピソード

最初の一文で打ち出したアピールポイントについて、これまでの経験の中でどう発揮されてきたのかを読み手がイメージできるよう、具体的なエピソードを記します。

開示できる範囲内で数字や固有名詞なども盛り込むと、手がけてきた仕事の規模感やイメージが伝わりやすくなるでしょう。ただし、あまり長くなりすぎると要点が掴みにくくなる可能性があるため、全体を200~400文字程度にまとめることをおすすめします。

【3】成果

【1】の強みが発揮され、【2】のプロセスを経て、成果が挙がったことがあれば記載しましょう。具体的な数字や周囲からの評価などを交えると、成果の規模や影響力が客観的に伝わりやすくなるでしょう。

【4】締め

応募企業で働くことへの意欲が伝わるような言葉で締めくくると、入社後にどのような活躍・貢献がしたいかという意思表示となり、採用担当者の期待が高まる可能性があるでしょう。

自己PRの書き出しポイント

自己PRの書き出しを考えるときは、下記のポイントに留意すると良いでしょう。

強みを伝える

自己PRの書き出しでは、最も伝えたい結論である、自分の強みを明確に書くことをおすすめします。読み手は最初の一文を念頭に置いて、その後の文章を読み進めることが考えられるため、全体の流れがスムーズに伝わりやすくなるでしょう。

端的に言い切る

自己PRの書き出しは「私の強みは〇〇です」「△△という実績があります」と端的に言い切ることで、読み手の印象に残りやすくなります。伝えたい結論が一目で理解できるよう、短くシンプルな文章を心がけてみましょう。

自分なりの表現を工夫する

自己PRの書き出しで、自身の強みをより的確に理解してもらうためには、アピールポイントである特徴を自分なりに定義づけすることも大切です。例えば、単に「調整力」ではなく「社内外の関係者をまとめ、合意形成する調整力」など、具体的にどのような力を持っているのかを伝える工夫をすると良いでしょう。

企業にマッチした内容を選ぶ

自己PRを作成する際は、求人を読み込んで「応募する仕事ではどのような力が求められるのか」「応募企業の仕事や社風にマッチするのはどのような人物なのか」をイメージしてみましょう。そのうえで、これまでのキャリアから、応募企業で求められていることにマッチする強みを選択することがおすすめです。

自己PR書き出し例【1】 強みをキーワードで伝えたい場合

特に未経験分野に応募する場合などは、自信を持っているポータブルスキル(業種・職種問わず持ち運びできるスキル)を書き出して打ち出す方法があります。例えば、「論理的思考力」「課題分析力」「交渉力」といったものです。求人情報から応募企業が求めているスキルを掴み、それに合致する自身のスキルをピックアップしましょう。採用担当者に「自社でも活かせそうだ」と期待されるような強みを伝えると効果的です。

以下のような一文で書き出し、続けてその強みを裏付けるエピソードを記してください。

<書き出し例文>

・私の強みは、社内外の人々に向けて「働きかける力」「巻き込む力」です。

・私が強みとするのは、数字の分析によって課題を発見することです。

自己PR書き出し例【2】 経験職種での実績を伝えたい場合

応募職種での即戦力性をアピールしたい場合などは、その職種での実績や成果から書き出すのも一つの方法です。例えば、これまで異動や転職などで複数の職種を経験してきた方の場合は、「応募企業で活かしたい職種経験」について、自己PR欄を使ってアピールすると良いでしょう。

以下のような一文で書き出し、続けてその成果を挙げられた理由(戦略・行動・工夫など)を記しましょう。

<書き出し例文>

・営業チームリーダーとして、目標120%~150%達成を1年間継続しました。

・人事担当として、新たな評価制度を提案・導入し、エンゲージメントの向上につなげました。

自己PR書き出し例【3】 仕事へのこだわりを伝えたい場合

仕事へのスタンス・志向・価値観・人柄などをアピールしたい場合などは、「仕事へのこだわり」から書き出すのも一案です。企業ホームページや採用ページなどで発信されるメッセージから、応募企業が重視しているポイントを掴み、それが自身と一致していれば、自己PR欄に記載しておくのも有効です。「自社の社風に合う人物」という評価につながるかもしれません。

以下のような一文で書き出し、続けてそのこだわりが発揮されたエピソードを記すことで、採用担当者は応募者の仕事ぶりをイメージすることができるでしょう。

<書き出し例文>

・チームマネジメントにおいて、個々のメンバーの強みを引き出すことに力を入れてきました。

・常に「生産性アップ」にこだわり、業務を効率化するための改善に取り組んできました。

自己PRの書き出しで気をつけたい例

自己PR文を作成する際に、個別のエピソードから書き出した場合、結局何を伝えたいのかが分からない状態で文章が進んでいくため、読み手がストレスに感じてしまうこともあります。「読み手への配慮があまりない」「伝える力が乏しいのでは」といった印象を与える可能性もあるので、注意した方が良いでしょう。

<気をつけたい書き出し例>

ある担当顧客から「○○してほしい」という要望を受け、過去に例がないため断ることも考えたのですが、関連部署の担当者に相談をして対応することになりました。結果として、前期実績  の1.5倍の受注をいただくことができました。こうした柔軟性を活かして、貴社の業績に貢献したいと考えております。

応募書類の作成に悩んだら、転職エージェント・スカウトサービスの活用も有効

転職活動の応募書類作成で、「自己PRしたいことはあるが、書き出しをどう表現すれば良いか分からない」「そもそも何を自己PRして良いか分からない」「自分の自己PRが応募企業にマッチするかどうか不安」などと迷ったときは、転職エージェントに相談してみるのも一つの方法です。

転職エージェントは、これまでプロとして転職支援をしてきた実績・経験と、応募企業の情報などをもとに、自己PRの書き出し方や内容の選び方について、第三者の客観的な視点でアドバイスをしてくれるでしょう。スカウトサービス経由で転職エージェントを利用した場合も、同様のサービスを受けられる可能があります。ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

 
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アドバイザー

粟野友樹

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

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