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面接で退職理由を聞かれたら?退職理由の答え方と理由別の例文

面接でほぼ必ず聞かれる退職理由(転職理由)。同じ内容を答えるにしても、表現次第でネガティブな印象にもなれば、ポジティブな印象にもなります。退職理由(転職理由)の答え方のポイントについて、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏に解説いただきました。

【アドバイザー】

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野 友樹(あわの ともき)氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

退職理由(転職理由)とは

採用面接においては、多くの場合、「退職理由」「転職理由」を尋ねられます。この2つは似ているようで異なるため、注意が必要です。面接に向けて、2つの違いについて理解しておきましょう。

「退職理由」…退職を決意したきっかけ、理由(過去のもの)
「転職理由」…転職によって実現したいこと(未来のもの)

企業が退職理由(転職理由)を聞く背景

求人企業が退職理由(転職理由)を尋ねる目的は、次のポイントを見極めるためです。

  • 入社しても、また同じ理由で辞めてしまわないか
  • 退職理由となった不満点を解消し、イメージどおりの活躍ができるのか

つまり、入社後に解消されないような退職理由や、実現できなさそうな転職理由を答えてしまうと、「うちの会社でも、前の会社と同じ状況になるかもしれない」と判断されて、採用を見送られる可能性があるということです。

退職理由は2割程度にとどめる

「なぜ今の会社を辞めたいのですか(前の会社を辞めたのですか)」と聞かれても、「退職理由」だけを答えて終わらないようにしましょう。退職理由の多くは「不満」「不安」が起点となっているため、それだけではネガティブな印象を与えてしまいます。

そこで、「退職理由」を聞かれたとしても、上記に挙げた「転職理由」=退職理由+転職によって実現したいことをセットで答えるようにします。このとき、「退職理由」は2割程度以内にとどめるのが分量の目安です。

「このような不満を抱いたため、退職を決意した」→2割
「次の会社ではこんなことをしたい。これを目指したい」→8割

実現したい転職理由を強調すると、ポジティブな印象で捉えられます。さらに、「御社であれば、それを実現できると考えて応募した」と、「志望動機」へと話をつなげていくことができます。

退職理由(転職理由)の考え方

面接で退職理由(転職理由)を聞かれた場合に備えて準備をする際には、次の点を意識して整理しましょう。

ポジティブな表現に変換する

同じ内容を伝えるにも、表現の仕方によってネガティブな印象にもポジティブな印象にもなります。次の例を参考に、ネガティブに捉えられない伝え方を工夫してください。

  • 「残業や休日出勤が多くてつらかった」→「ワークライフバランスを整えたいと思った」
  • 「仕事がマンネリ化して、つまらなかった」→「新しい刺激を得られるような仕事がしたかった」
  • 「仕事にやりがいを感じられなかった」→「もっと『貢献している』と実感できる仕事がしたかった」
  • 「給与が安すぎた」→「成果を挙げれば収入を上げられる制度がある会社で働きたいと思った」

応募企業のニーズと照らし合わせる

「転職によって実現したいこと」を語ったとき、応募企業に「うちの会社でそれをやるのは無理だ」と思われては、採用に至りません。例えば、「新規事業を一から生み出してみたい」という目標を語っても、相手企業に新規事業の立ち上げ計画がなく、「今の事業を拡大してくれる人材」を求めている場合、アンマッチとなってしまいます。

事前に企業研究や求人内容を読み込み、応募企業の事業戦略や求めている人材を掴んだ上で、自身がやりたいことと照らし合わせて語るようにしましょう。

志望動機と「一貫性」を持たせる

面接では、その企業に応募した理由(志望動機)も尋ねられます。志望動機が退職理由(転職理由)と矛盾していると、納得を得られません。例えば、「デジタル技術を活用したサービスを開発すべきと考えたが、現職は保守的でチャレンジをしない」→「顧客満足度向上のために新しいテクノロジーを導入していく御社の取り組みに魅力を感じた」であれば、矛盾はありません。しかし「人事評価制度が先進的」「成長力がありIPOを目指している」といった志望動機では、意志に一貫性が感じられず、不信感を抱かれるかもしれません。

退職理由の答え方のポイント

面接の場で退職理由を伝えるときは、次のポイントに注意してください。

感情的にならず、客観的事実を述べる

前の会社に対して強い不満や憤りを感じていたとしても、感情的に話すとネガティブな印象を与えます。「このような出来事があった」「このような社内環境である」といった「事実」を、客観性を持って話すようにしましょう。

会社のせいだけにしない

不満を抱いた原因について、一方的に「会社が悪い」と決めつけて話すのは好ましくありません。実情を知らない採用担当者は、「この人にも原因があったのではないか」と疑念を抱くこともあります。もちろん状況によりますが、「自分はこのように努力したが、解決に至らなかった」というように、自身の改善に向けた取り組みを伝えましょう。客観的に自己分析ができていれば、納得を得やすくなります。

退職理由別・答え方のポイントと例文

よく見られる退職理由について、答え方のポイントと例文をご紹介します。

人間関係が原因で退職

人間関係が退職のきっかけとなる人は多いのですが、これをそのまま伝えると、相手企業は次のように考えます。「人間関係の問題はどんな職場でも起こり得る。うちの会社に転職したからといって、人間関係がうまくいくとは限らない」

そこで、「相性が悪かった」「相手が悪く、自分が正しい」といったトーンではなく、「考え方や価値観が合わない人が多い環境だった」という方向で話しましょう。

<例文>

私は役職や社歴などにとらわれず、自由に意見を出し合える組織を目指してチーム作りをしていました。しかし、上長はトップダウンで物事を進めたい考えを持っていたため、なかなか理解していただけませんでした。会社全体としても上長の価値観に近いため、フラットな風土の会社で強いチーム作りをしたいと考え、転職を決意しました。

評価に不満があり退職

「評価に納得がいかなかった」と伝えた場合、採用担当者は、「それは、あなたの働きや成果が不十分だったからではないか」と思うかもしれません。この場合、「評価指標のギャップ」を挙げれば納得を得やすいでしょう。

<例文>

現職の人事評価制度では『数字の成果』がもっとも重視されます。私も数値目標を100%達成しておりますが、顧客にとって本質的なメリットが少ない商品を販売して150%目標達成をしている同僚のほうが高く評価されていることに違和感がありました。顧客視点に立っていないからです。私は、時間がかかっても顧客との信頼関係構築に力を入れ、長期の取引につなげたいと考えています。顧客視点を重視する会社で働きたいと考え、転職を決意しました。

会社都合による退職

業績悪化による給与遅配や事業撤退など、働き続けることが難しいような状況であれば、ストレートに伝えて問題ありません。ただし、その会社で管理職以上のポジションに就いていた人であれば、「そこまで業績が悪化する前に、あなたは手を打てなかったのか」が問われるでしょう。自身がどんな努力をしたか、そして結果的に立て直せなかったとしても、その経験から学んだことを伝えるようにしてください。

<例文>

競合他社が強力なサービスを投入したことから、一気にシェアを奪われ、業績が悪化しました。対抗するための新サービスの開発にも着手しましたが、売上が減少する中、必要な予算がとれず、事業縮小が決定してしまいました。立て直せなかったことに力不足を感じていますが、逆風の環境下での部下のモチベーションマネジメント手法を学ぶことができました。その経験を、次に活かしたいと考えています。

会社や事業の将来性への不安

時代の変化によって、明らかに市場が縮小に向かう業界であれば、「将来性に不安」という理由を語っても違和感を持たれることはないでしょう。しかし、そうでない場合、「会社の将来を創るために、あなたはどのような努力をしたのか」が問われます。管理職以上のポジションに就いていたなら、なおさらでしょう。自身が会社の発展に貢献するために、どのような行動をとったかまで語れるようにしておきたいものです。

<例文>

同業他社ではDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みを開始していますが、現職の経営陣は保守的で、これまでのやり方に固執しています。このままでは時代の変化に取り残されてしまうと危惧しました。個人的にDXセミナーに参加し、自社にも取り入れられそうなデジタル化の手法を役員に提案してみたのですが、取り合ってもらえませんでした。自分のキャリアのためにも、『変革』の経験を積んでおきたく、DXを実現できる環境を求めて退職を決意しました。

会社や事業の方針に違和感あり

自社の方針への違和感や不満を理由に挙げる場合は、自分が納得して取り組める方針とはどのようなものなのか、そこで自身の経験・スキルをどうやって活かしたいのかまで語れるようにしておきましょう。

<例文>

私は新しいプロジェクトを始めるとき、まずは走り出して、試行錯誤しながら修正していくことが得意なタイプです。そのやり方で成果も挙げてきました。しかし、企業規模が拡大するにつれて、守りを固める方針に変わっていきました。新しい取り組みをする際にも、綿密な計画を立て、すべてのリスクを検証した上でプロジェクト化しています。もちろん、企業ステージの変化による変化は仕方がない面もありますが、競合が多い業界のため、このやり方では他社に後れをとってしまうと考えています。私はスピーディに新しい取り組みを展開できる風土の企業で、自分の強みを活かしたいと思います。

家庭の事情

結婚、出産・育児、子どもの病気、親の介護、パートナーの転勤、家業のサポート……など、家庭の事情で退職を決意した場合、大切なのは「嘘をつかず、正直に伝える」こと。家庭の事情であれば相手企業も納得しやすいものです。問題を抱えている状態が今も続いている場合は、働きやすい勤務体系などを提案してもらえるケースもあります。

<例文>

親が要介護になり、介護施設に空きが出るまでの間、在宅介護をしなければならなくなりました。夫婦共働きのため、協力して介護にあたっています。しかし、今の会社はテレワーク制度やフレックスタイム制度などがなく、勤務時間に融通が利きません。私は日頃から効率アップを意識して仕事をしてきましたので、在宅勤務でも生産性が高い仕事ができると自負しています。そこで、テレワーク制度がある会社に移りたいと考え、退職を決意しました。