【一覧あり】履歴書の「趣味・特技」欄の書き方や「特技がない」場合の対処法解説

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厚生労働省が推奨している履歴書に「趣味・特技」欄はありませんが、市販の履歴書、ネットでダウンロードできる履歴書には「趣味・特技」欄が設けられているケースもあります。そうした履歴書を使用する場合は「趣味・特技を記載する欄に何を書けばいいのか」「そもそも趣味・特技は業務に関係ないため、書かなくてもいいのでは?」と思う方もいるでしょう。履歴書の「趣味・特技」欄の書き方や意識したいポイント、特技がない場合の対処法などを組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。

履歴書の「趣味・特技」欄から企業は何を見ている?

「趣味・特技」欄のある履歴書を使用した場合、中途採用の選考では、そこに記載した情報を以下の2点のようなケースで参考にすることがあります。

応募者の人となりを知る際の材料にする

企業は、業務に関係しない趣味・特技から選考の判断をすることはほとんどないでしょう。しかし、応募者の人となりを知る1つの材料として、趣味・特技から人柄や価値観を見ることもあります。

趣味・特技からは「興味の対象」「志向性」「人物像」などが掴めることもあるため、「自社の業務への適性があるか」「自社のカルチャーになじめそうか」「一緒に働くメンバーとの相性はどうか」などの判断材料とされる可能性も考えられます。

例えば、趣味・特技から「社交的で人とのコミュニケーションが得意」「緻密な作業に集中して取り組める」「長くひとつのことを続けていける」といった人物像が想像できれば、業務内容や社風とマッチしているかを判断する目安の一つになるでしょう。
特に、実務経験・スキルが募集の水準を上回っていない場合、企業は「ポテンシャル」に注目することもあります。趣味・特技からポテンシャルを感じさせることができると、選考にプラスの影響を与えるかもしれません。

管理職の場合は、部下になるメンバーとの相性も面接で見られているケースもあります。趣味・特技から見える応募者の人柄を一つの指標にしていることも考えられます。

面接のアイスブレイクのきっかけとするケースもある

履歴書に記載した趣味・特技の情報を、面接冒頭のアイスブレイクのきっかけとするケースもあります。記載された趣味・特技に面接担当者が興味を持ち、会話が盛り上がるなどで、面接のムードをより良くできるでしょう。こうした点も踏まえると、履歴書に趣味・特技を記載し、「話題のネタを提供しておく」ことは、面接の進行をスムーズにするという観点で有効と言えそうです。

趣味と特技の違いとは?どう書き分ければよい?

一般的に、趣味は「楽しみとして愛好する事柄」を指します。そのため、履歴書には個人として純粋に楽しんでいること」を記載すると良いでしょう。
一方、特技は「特別に身につけている技能」を指します。そのため、履歴書には「自身が得意とし、自信を持っていること」を記載すると良いでしょう。

履歴書に書く「趣味・特技」の例一覧

履歴書に書く趣味・特技を選ぶポイントと、パターン別の例をご紹介します。

履歴書に書く「趣味・特技」を選ぶポイント

継続的に続けている趣味を記載すると、話のネタも多くなり、面接時に深掘りされても会話を盛り上げることができるでしょう。
特技は「習得した技術や、追求した経験がある」「人から褒められた」「関連する資格を取得した」「大会やコンクールなどに参加した」「表彰された」など、客観的な評価・成果が伝わるようなエピソードがあるものを書くと、特技としての説得力が高まり、より興味・関心を持たれる可能性があります。

仕事に関係する趣味・特技の例

入社後の仕事に関係する趣味・特技を書くパターンです。入社後の業務にプラスになる知識や経験があることが伝わります。また、資格取得した趣味・特技を書いても良いでしょう。

IT業界の例プログラミング
自作PC
オンラインゲーム
食品業界の例料理
食べ歩き
コーヒー
資格取得している例英会話などの語学
IT・パソコンスキルやビジネススキルの習得

チームや団体で取り組む趣味・特技の例

スポーツをはじめ、チームで取り組む趣味・特技の場合は、協調性やチームワークへの貢献性があることをイメージしてもらいやすいでしょう。また、サークルなど団体の活動に積極参加している場合は、そこで果たす役割なども伝えると人物像のイメージがより伝わりやすくなります。

スポーツ系の例野球
フットサル
バスケットボール
バレーボール
ソフトボール
文化・芸術系の例合唱
バンド活動
ダンスチーム
演劇サークル

興味・関心を引く可能性がある趣味・特技の例

一般的な趣味・特技とされにくいものを書くことで、採用担当者が興味を持つケースもあります。競技人口が多くないスポーツなども関心を持たれる可能性があるでしょう。

「一般的ではない」とされやすい例マジック
ジャグリング
写経
城巡り
古地図や古銭などのコレクション
秘境駅巡り
タロットや手相などの占い
漢字検定・ご当地検定・クイズ検定などの特殊な資格の取得
競技人口が多くないスポーツの例アイスホッケー
フェンシング
水球
ラクロス
乗馬
ボルダリング
弓道
格闘技

面接担当者と盛り上がりそうな趣味・特技の例

趣味・特技が面接担当者と共通していた場合は、面接時の会話が盛り上がる可能性もあります。

文化・芸術系の例読書
映画・音楽・美術・演劇などの鑑賞
カメラ(写真撮影)
囲碁・将棋
スポーツ・運動系の例ゴルフ
ジョギング
ヨガ
ジム・トレーニング
登山
テニス
ダイビング
そのほかの例旅行
釣り
キャンプ

履歴書の「趣味・特技」欄の書き方・伝え方のポイント

趣味と特技、それぞれの書き方・伝え方のポイントをご紹介します。

「趣味」の書き方

まずは、履歴書に趣味を書く際のポイントをご紹介します。

話題のきっかけにしやすいものを記入する

アイスブレイク時などの雑談ネタになることを考えると、「読書」や「映画鑑賞」など話題のきっかけにしやすいものがいいでしょう。応募する仕事に関連する趣味ならプラスの効果が期待できますが、関連性がなくても構いません。

概要を書いた上で、詳細を簡潔に書き添える

「趣味・特技」欄のスペースはそれほど大きくないため、趣味の概要を端的に書いた上で、詳細なジャンルや活動内容を書き添えるなど、簡潔に記しましょう。
例えば、「読書」「映画鑑賞」などであれば、好きなジャンルのほか作品名を書く手もあります。また、スポーツなどの趣味については、活動頻度も伝えることで、どの程度のレベル感で取り組んでいるのか、深度や継続性などがわかりやすくなるでしょう。

好みや活動内容などを通じて、応募者のキャラクターを掴みやすくなり、興味を持ってもらえるかもしれません。面接の場で尋ねられたとき、自分が好きなテーマであればリラックスして話すことができ、その後の質問にもスムーズに答えられるようになるでしょう。

趣味・特技
趣味:映画鑑賞(特にサスペンス、アクション。週に1〜2作品を鑑賞)
趣味・特技
趣味:フットサル(学生時代からサッカーの部活動に所属し、現在は社会人チームに所属し、週1回活動)

特技の書き方

次に、「特技」を書く際のポイントを紹介します。

仕事にも活かせるような特技があれば記載する

仕事にも活かせるような特技があれば、記載しておくと良いでしょう。例えば、「人の顔と名前を覚えるのが早い」と記載されていれば、「何か覚えるコツはあるのですか?」という問いかけから気軽な雑談につなげられるかもしれません。また、「営業活動に活かせる」「大人数のプロジェクトチームに入っても人間関係を早く築ける」など、業務に役立つイメージにつながることもあります。

特技を始めたきっかけなどを記載しても良い

特技を始めたきっかけや、継続している期間などを記載しても良いでしょう。また、一定以上の成果・評価を得た経験がある場合や、取得した資格がある場合は、そちらも記載することで、面接担当者が興味・関心を持つ可能性があります。

カッコ書きで補足説明を記載するのも可

面接担当者が興味を抱いてくれる可能性を考え、特技に関する補足説明を記載しておいてもいいでしょう。ただし、書けるスペースが限られているため、読みづらくなるほど細かく書くことは避け、簡潔にまとめましょう。

【記入例】

趣味・特技
特技:プログラミング(学生時代から独学でアプリ開発を学び、一人で開発したアプリが○件ダウンロードされた経験があります)
趣味・特技
特技:人の顔と名前を覚えるのが早い(一度会った人はほぼ覚えるため、営業活動にも役立っています)

面接では趣味・特技を通じて得られた学びなどを伝えても良い

面接で趣味・特技を聞かれた場合は、それを通じて得た学びなどを伝えても良いでしょう。
仕事に活かせた経験がある場合は、関連するエピソードも合わせて伝えることで、より興味も持ってもらいやすくなります。

履歴書への記入を避けた方がよい趣味・特技

次に挙げるものは、記入を避けた方がよいでしょう。

本心でないもの

本心でない趣味や特技を記載しても、面接時に詳しく話すことになった場合、本心でないことが面接担当者に伝わります。本心で語れるものを記載しましょう。

応募企業での働き方にマッチしにくいもの

例えば、土日の勤務がある企業に対し、土日の活動を前提とする趣味などを書いた場合などは、勤務条件と合わないのではないかと懸念を持たれる可能性があります。応募先の企業の働き方に応じて、記載内容や表現の仕方を検討しましょう。

趣味・特技がない場合はどうすればよい?

「趣味や特技が特に思いつかない」という場合、「特になし」と書くことは問題ありません。ただし、以下でご紹介する対処法で自身の隠れた趣味や特技を見つけることもできます。

学生時代の経験から探す

学生時代の趣味やスポーツなどを振り返り、評価を得たり、一定以上のレベル感で取り組んだりした経験を探す方法があります。

<一例>

・サッカーの部活動を続ける中、リフティングを100回以上できるようになった
・学生時代から花道の習い事を続けてきたため、プロと同じくらいのスピード感で着物の着付けができる

日常の行動や自身のこだわりから探す

家事や生活習慣など、日常的に行っていることの中で、自身としてこだわりを持って取り組んでいることを探すのも良いでしょう。例えば、料理や掃除、整理整頓、運動習慣などで「こんなところにこだわりを持っている」ということが、他人から見れば特技とされるケースもあります。

<一例>

・カレーにこだわりがあり、スパイスの研究家の講座を受講したことで、それぞれのスパイスの味や香り、効能などを説明できるようになった
・ジョギングが趣味で、スニーカーの性能を調べるうちにメーカー各社の最新モデルの比較表を作成するようになり、ジョギング仲間の要望で配布するようになった

周囲の人に聞いてみる

「自分では特技を見つけられない」「特技と言えるほどのものなのかわからない」という場合は、周囲の人に聞いてみるのも一つの方法です。人よりも優れていると感じた部分について質問し、「なぜそう思ったのか」まで深掘りすることで、特技の裏付けとなるエピソードも見つかるでしょう。

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組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野 友樹(あわの ともき)氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。