【システムエンジニア(SE)】志望動機の書き方のポイントを解説

システムエンジニア 志望動機

転職活動でシステムエンジニア(SE)に応募する際には、どのような志望動機を書けば書類選考に通過しやすくなるのでしょうか。リクルートエージェントのキャリアアドバイザーが、システムエンジニアの求人動向とともに志望動機のポイントを解説します。志望動機の例文も紹介しています。

システムエンジニア(SE)の「志望動機」を書くための準備

システムエンジニアとして転職する場合に、志望動機を作成するケースが多く見られます。

しかし、採用企業が知りたいのは「なぜ、システムエンジニアとして転職したいと思っているのか」「自社への入社意欲の高さ、事業内容への理解、応募者の強みをどう活かしてくれそうか」などを確認するためです。

そこで、志望動機を適切に書くためには以下のようなポイントを整理して、応募企業に伝えるようにしましょう。

1.応募企業を選んだ理由

まずは、自身がシステムエンジニアとして実現したいことを明確にすることが大切です。「技術力を伸ばしたい」「やりがいのある開発プロジェクトに参加したい」「正当な評価・報酬が受けたい」など、転職で実現したいことが応募企業にどうつながっていくのかが志望動機となりえるからです。

2.活かせる経験・スキルを明確にする

応募先企業は、「転職したいと思った理由が叶う」という方向性で、転職理由を実現できそうな企業を転職サイト、スカウトサービス、転職エージェントや企業サイトなどから探します。

システムエンジニアとして自身の技術スキルの強みや経験などが活かせ、やりたいことが実現できそうな企業が見つかったら、なぜその企業を選択したのか理由を明確にします。その転職理由と志望動機を実現できると考えたストーリーをわかりやすく伝えられるようにしましょう。

3.入社後に実現したいこと

応募先企業の職種・業務内容と、自身の転職理由や強み、経験・スキルとの接点を見つけます。それを核に志望動機を考えることが大切です。

求人票上では、業務の詳細については書かれていないことも少なくありません。ざっくり書かれた業務内容から業務詳細を読み取り、「任せたい仕事内容欄に○○という業務内容が記載されていたので、自身の○○の経験が活かせるのではないかと考えました」というように、自身の経験をどう貢献できるか推測して書いてみましょう。

システムエンジニアの志望動機を作成する際の注意点

志望動機を伝える際には、次のポイントを意識して注意するようにしましょう。

自己PRとの一貫性を意識する

志望動機を作成する際は、応募書類の自己PRの内容とのギャップを感じさせないようにすることが必要です。

例えば、自己PRでは「自身の考えたアイデアや改善策の提案力」をアピールしながら、志望動機では「チームの協調性を重視した開発体制に魅かれた」と伝えた場合、一貫性がない人物と捉えられてしまうこともあります。

他社にない魅力を取り上げ、具体的なエピソードを伝える

志望動機では「他社でも同じことが言える」と感じさせる内容は避けましょう。抽象的な表現ではなく、「なぜこの会社を選んだのか」といった理由を具体的に伝えることが重要です。

1つの理由だけで他社と差別化した志望動機を作るのは難しいため、複数の理由やエピソードを掛け合わせると伝わりやすくなります。

例えば、「○○といった自身の強みが活かせそうな事業に注力している」「業界最先端のシステム・技術を学ぶことができる」「国内外の優秀な人材が集まってサービスを開発している環境に身を置くことができる」といった表現を組み合わせて伝えるとよいでしょう。

評価されにくい志望動機の傾向

採用担当者から評価を得にくい志望動機には、次のような傾向があります。応募書類に記載したり、面接で伝えたりする際には注意するようにしましょう。

待遇や条件のみを志望動機にしている

「給与が高い」「残業が少ない」「テレワークができる」「福利厚生が充実している」といった待遇・条件面は確かに重要な要素です。しかし、これらを第一の志望動機としたのでは、採用担当者は入社後の活躍イメージを描けないでしょう。条件面だけでなく、入社した後に何をしたいのか、といった点を伝えることが重要です。

主観的で説得力がない

商品・サービスの魅力、あるいは風土・カルチャーなどをあまり詳しく調べずに伝えた場合、「漠然としたイメージで捉えている」「実情をわかっておらず、思い込みが強い」、つまり「自社のことを十分に調べていない」などと思われると評価されにくい傾向があります。

自身の強みと企業の求めているものがマッチしない

志望動機が「貴社は業界1位で○○という社風なので」「○○という強い製品を持っているので」というように、企業の商品・サービスへの評論になってしまい、自身の強みや経験・スキルとつながっていないケースもあります。

採用担当者が知りたいのは、なぜそこに魅力を感じて応募したのかという話です。例えば、業界1位であることに魅力を感じるのであれば、その理由をより具体的に伝えるようにしましょう。

システムエンジニアの志望動機の基本構成

履歴書や職務経歴書で志望動機を伝える際には、次のような構成で記載すると採用担当者の納得を得やすくなります。

書き出し

応募企業の製品・サービスにシステムエンジニアとして、新規機能開発や機能改善などの開発に参加したいと感じているポイントを簡潔に記しましょう。いきなりエピソードから書き始めると、文章に締まりがない印象を与える可能性があります。

応募企業を選んだ理由

応募企業を選んだ理由を伝えます。自身の技術スキルやこれまでの経験も踏まえつつ、「抱いている課題意識」「自身が仕事で大切にしたいこと・こだわりたいこと」などを挙げた上で、応募企業であればそれを実現できると考えていることを記載します。

活かせる経験・スキル

自身の経験・スキルが、応募企業でどのように活かせるかを伝えます。そのためには、これまで培ってきた開発実績や得意とする開発スキルや開発工数減など、応募企業で求められている要素との共通点を見つけ出すことが大切です。求人情報を確認し、マッチする経験・スキル、開発プロジェクトでの役割経験などがあれば、前面に押し出してアピールしましょう。

なお、企業が求めている経験・スキルとの共通点が見出しにくい場合には、「仕事の進め方」「企業理念」などに着目し、別の切り口から接点を見つける方法もあります。

入社後に実現したいこと

最後は応募企業で働く意欲が伝わるような言葉で締めくくりましょう。入社後にどのような活躍・貢献がしたいかという意思表示をすることで、採用担当者の期待が高まります。

システムエンジニアの志望動機の例文

システムエンジニア求人に応募する場合の志望動機の書き方について、いくつかのパターンをご紹介します。

【例文1】自社製品・サービスを開発する企業に応募する場合

貴社が提供する〇〇のソフトウェアサービスの利便性と、新機能を次々と開発する生産性の高さに魅力を感じ、志望いたしました。現職は大手電機メーカーのパートナー企業でシステム開発するSIerでシステムエンジニアをしており、基本設計などの上流工程には携わることはできません。

前職のSIerでは、企画職の担当者とともにマーケットニーズを分析したり、クライアントの潜在ニーズを引き出して顕在化させたりといった経験を重ねてきました。ぜひ、そのマーケティングや企画提案の経験を活かして、貴社のサービス機能の向上や新規開発などに貢献したいと考えています。

【例文2】高い技術力を持つ企業に応募する場合

貴社が発信されている技術者向けブログから、最新技術や開発手法などへのこだわりを感じております。その内容から、高い技術力を持つエンジニアの方が在籍されていることにも惹かれています。

また、貴社が多様な業界のクライアントに対してDXプロジェクトを提案し、業務改革を進めている戦略に、自身も参加したいと強く感じました。

私も社外の技術セミナーやハッカソンに参加したり、ブログやSNSなどで最新の技術動向を発信したりしています。外部発信やこれまで自己研鑽してきた経験・スキルなどをクライアント提案に活かしたいと考えております。

【例文3】社内システムエンジニア(SE)に応募する場合

私は現在SIerに勤務しており、顧客の社内システム開発を担当してきました。担当者へのニーズのヒアリングや外部ベンダーへの発注や開発体制の管理まで全体管理を行っていましたが、納品したシステムが実際にどう使われ、役に立っているのかが見えづらい面がありました。

事業会社である貴社の社内SEとして、自社システムを長く見る立場となり、これまで様々なクライアントを担当する中で得た知見を、存分に還元していきたいと考えております。

再現性のあるエピソードを交えて伝えよう

採用担当者は、応募者の志望動機を自社に入社してからどれだけ開発実績を実現できるとかという再現性を見ています。

再現性は業務の成果だけではなく、開発施策の結果が出るまでの過程の工夫で測られます。開発エピソードは、例えば偶発でWebサイトの機能追加などで150%達成などの高い結果を出したものよりも、ユーザーが使いやすい施策を考え抜いて105%で達成したものの方が評価されることの方が多いのです。

働く環境が変わっても活躍できそうだという再現性が読み取れる、ストーリー性のある開発エピソードを交えて伝えるようにしましょう。

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橋本拓弥

大学院卒業後、専門商社に入社。化粧品原料の法人営業・輸出入に携わった後、株式会社リクルートに中途入社。ハイキャリア部門の管理部門領域のアドバイザーを担当後、一貫してハイキャリア部門のITエンジニア領域のアドバイザーとしてキャリア支援に従事。

※本記事での内容は取材時点での情報になります。