運転免許の履歴書への書き方|正式名称や種類など書き方解説・見本あり【弁護士監修】

運転免許 資格

転職活動で履歴書に「運転免許」について書く場合は、きちんと正式名称を用いるなどの記載ルールを知っておくことが大切です。特に、普通自動車の運転免許については、道路交通法の改正によって記載する内容が変化している可能性もあるので注意が必要です。ここでは履歴書への自動車運転免許の書き方や、法改正による注意点を、八雲法律事務所の弁護士・星野悠樹氏が解説します。

運転免許の履歴書への基本的な書き方

運転免許を履歴書に記載する場合の、基本的な書き方についてご紹介します。

運転免許の履歴書への書き方見本

運転免許を取得している方は、応募先で運転が必要かどうかに関わらず、履歴書の「免許・資格」欄に記載することをおすすめします。もしペーパードライバーである場合、応募先の仕事で運転をする可能性があるときは、運転経験があまりないことを補足しておくか、面接の際にそう伝えるようにしましょう。

免許・資格
20XXX普通自動車第一種運転免許 取得
20XXX普通自動二輪車免許 取得
20XXX2級ファイナンシャル・プランニング技能士試験 合格
20XXXTOEIC Listening&Reading Test 860点 取得
  以上

記載順としては、まず持っている運転免許を取得年月順に書き、続いてそのほかの免許・資格を取得年月順に書くのが一般的です。特に、応募条件で運転免許が必須とされている場合は、上の例のように保有する運転免許をまとめて先頭に記載した方がよりわかりやすいでしょう。

一方、応募職種に関連性の高い資格や、企業にアピールしたい資格を持っている場合は、それを優先して上位に書いていくことも一案です。なお、運転を必要としない仕事に応募するケースで、アピールしたい資格が多く「免許・資格」欄に書き切れないときなどは、運転免許の記載を省略することも1つの方法です。

運転免許を履歴書に書くときの注意点

履歴書に運転免許を記入する場合は、下記の点に留意するとよいでしょう。

  • 免許は全て正式名称で書く
  • 免許の取得日を確認した上で、正確な取得年月を書く
  • 取得した年の年号表記は、履歴書全体で、和暦か西暦のどちらかに統一する
  • 免許の正式名称の記載に続き、一文字分の空白を空けて「取得」と書く
  • 全ての免許や資格を記載したら、最後の行に「以上」と書く
  •  免許や資格を持っていない場合は、記載漏れと誤解されないように「特になし」と書く

【一覧】運転免許の種類別正式名称

日本においては、仮運転免許の区分を除くと15種類の自動車運転免許(第一種運転免許及び第二種運転免許)があるので、必ず正式名称を確認して記載するようにしましょう(2023年12月時点)。
各種運転免許の略称と正式名称の一覧表を下に紹介するので、自身の運転免許証と照らし合わせ、履歴書に記入する際の参考にしてください。

略称正式名称
大型大型自動車第一種運転免許
中型中型自動車第一種運転免許
準中型準中型自動車第一種運転免許
普通普通自動車第一種運転免許
大特大型特殊自動車免許
大自二大型自動二輪車免許
普自二普通自動二輪車免許
小特小型特殊自動車免許
原付原動機付自転車免許
け引牽引自動車第一種運転免許
大二大型自動車第二種運転免許
中二中型自動車第二種運転免許
普二普通自動車第二種運転免許
大特二大型特殊自動車第二種運転免許
け引二牽引自動車第二種運転免許

ただし、2017年の道路交通法の改正により、普通自動車免許については、取得した時期によって正式名称が異なる可能性があるので注意が必要です。以下の項目で、法改定による正式名称の違いを解説するので、自身の免許取得時期と合わせて確認しましょう。

運転免許の種類と取得日の確認方法

運転免許に関する情報は、自身の運転免許証で確認することができます。ここでは、各種運転免許の確認・記載方法についてご紹介します。

(2)       (1)

種類の確認

まず、取得した運転免許の種類は、運転免許証の下中央(1)の部分を見ればわかります。ただ、ここに記載されているのは略称のため、上記の表などを元に、正式名称を確認しましょう。上の(1)では「中型」と記載されているので、正式名称は「中型自動車第一種運転免許」となります。

取得日の確認

免許の取得日は、運転免許証の左下(2)に記載されています。
運転免許証上部の「交付」欄にも日付が記載されていますが、こちらは取得後に免許を更新した際の交付年月日です。実際の免許取得日とは異なるので、間違えないようにしましょう。

なお、免許取得日の記載欄は「二・小・原(二輪・小型特殊・原動機付自転車の免許)」「他(二輪・小型特殊・原動機付自転車以外の一種免許)」「二種(二種免許)」の3項目に分かれており、それぞれのカテゴリーに該当する運転免許を複数持っている場合は、最も古い取得年月日だけが記載されます。

例えば、普通自動車第一種運転免許だけを取得している場合は、「他」の欄に記載された年月日が取得日となるので、そのまま履歴書に記入すればOKです。一方で、普通自動車第一種運転免許と、大型自動車第一種運転免許の両方を取得している場合などでは、「他」の欄に、先に取得した免許の取得年月日のみが記載されます。従って、運転免許証の記載内容だけでは、全ての免許の取得日が確認できないケースもあります。

免許証で取得日が確認できない場合の対処法

運転免許の取得年月がわからないときは、警察署や運転免許更新センターなどにある「ICカード読み取り装置」で確認する方法があります。装置に運転免許証を入れ、暗証番号を入力すると、各運転免許の取得年月を確認できます。詳しくは、警察署や運転免許更新センターに問い合わせてみましょう。

AT限定・複数の免許・取得予定の免許などの書き方

履歴書に運転免許を記載する際に、書き方を迷うことの多いケースについて解説しましょう。

オートマチック(AT)限定免許の場合

普通自動車免許には、オートマチック車のみを運転できるオートマ限定(AT限定)免許と、オートマチック車とマニュアル車の両方が運転できるマニュアル車(MT)免許があります。応募する職種に関わらず、取得している自動車免許がAT限定の場合は、下記のように「AT限定」と書いた方がより正確な情報となります。なお、MT車免許の場合は特に記述する必要はなく、「普通自動車第一種運転免許 取得」のみの記述で足りるでしょう。

免許・資格
20XXX普通自動車第一種運転免許(AT限定) 取得

「大型」など複数の免許を取得している場合

運転免許には「上位免許」「下位免許」という概念があり、上位免許を取得すれば、その下位に当たる免許も取得したことになるという仕組みがあります。例えば、普通自動車免許を取得すれば、原動機付自転車と小型特殊自動車の免許を取得していなくても、それらを運転することが可能になります。

従って「大型自動車免許と普通自動車免許」「大型自動二輪車免許と普通自動二輪車免許」といった、上位・下位の関係に当たる複数の免許を取得している場合は、全種類を書く必要はなく、下のように上位免許のみを記載することでよいでしょう。

免許・資格
20XXX大型自動車第一種運転免許 取得
20XXX大型自動二輪車免許 取得

二種免許を取得している場合

第一種運転免許は、公道を自動車などで走行するために必要な免許であるのに対し、第二種運転免許は、営利目的で旅客を運送するために必要となる免許です。バスやタクシー、運転代行など、自動車にお客様を乗せて運び、運賃をもらう仕事をするためには、第二種運転免許が必要です。

上記のケースと同様、第二種運転免許は第一種運転免許に対して上位免許となります。従って、第二種運転免許を取得している場合は、第一種運転免許については記載を省略し、下記のように第二種運転免許のみを記載すればいいでしょう。

免許・資格
20XXX普通自動車第二種運転免許 取得

これから運転免許を取得予定の場合

履歴書を応募企業に提出する時点ではまだ免許を取得していなくても、入社日までに取得を予定している場合などは、月日を空欄にし、取得する免許の正式名称に続けて「取得予定(時期)」と記載するのも1つの方法です。面接で状況について聞かれた場合は、試験の実施日などを伝えるようにしましょう。

免許・資格
普通自動車第一種運転免許 取得予定(20XX年X月頃)

【法改正】普通自動車免許の取得時期による記載方法の違いに注意

2007年と2017年の道路交通法の改正に伴い、運転免許制度が改定されています。そのため、普通自動車免許の取得時期によって、履歴書に記載する内容も異なるので注意が必要です。

まず2007年6月2日より、普通自動車免許と大型自動車免許の中間に「中型自動車免許」が新設されました。さらに2017年3月12日より、普通自動車免許と中型自動車免許の中間に「準中型自動車免許」が追加されています。これらの分類範囲の変化により、普通自動車免許で運転可能な自動車の範囲は段階的に狭まってきました。

普通自動車免許の取得を履歴書に書く際には、上述した法改正を踏まえておくことが大切です。自身の免許取得時期を確認の上、履歴書に記載するようにしましょう。

2007年6月1日より前に取得した場合

法改正によって「中型自動車免許」が新設されたことにより、2007年6月1日以前に普通自動車免許を取得した方は「8トン限定中型自動車免許」に区分されるようになりました。そのため、該当する方が2007年6月2日以降に免許更新をした場合は、免許証の条件欄に「中型車は中型(8t)に限る」という条件が記載されます。

この方の場合、車両総重量8トンまで運転することが可能ですが、履歴書に「普通自動車免許」と記載してしまうと「現行の制度=車両総重量3.5トン未満までの自動車しか運転できない」という誤解を招く可能性があります。特に、運転免許の区分を重視する職種に応募する場合などは、運転可能な車両を正しく示すために「中型自動車第一種運転免許(8t限定)」と記載しましょう。

免許・資格
20XXX中型自動車第一種運転免許(8t限定) 取得

2007年6月2日〜2017年3月11日に取得した場合

法改正で「準中型自動車免許」が追加されたことにより、2007年6月2日から2017年3月11日までに普通自動車免許を取得した方は「5トン限定準中型自動車免許」に区分されるようになりました。そのため、該当する方が2017年3月12日以降に免許を更新した場合は、免許証の条件欄に「準中型車は準中型(5t)に限る」という条件が記載されます。
履歴書には「準中型自動車第一種運転免許(5t限定)」と記載するといいでしょう。

免許・資格
20XXX準中型自動車第一種運転免許(5t限定) 取得

2017年3月12日以降に取得した場合

法改正により、2017年3月12日以降に普通自動車免許を取得した方が運転できる自動車は、車両総重量3.5トン未満(及び最大積載量2トン未満)の自動車に限られることになりました。現行の制度に基づく普通自動車免許を取得されている方は、履歴書に「普通自動車第一種運転免許」と書くといいでしょう。

免許・資格
20XXX普通自動車第一種運転免許 取得
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監修

星野悠樹(ほしの ゆうき)氏

経営法曹会議会員。中央大学法学部卒、慶應義塾大学法科大学院中退。 主に会社法関係案件(会社支配権に関する各種紛争案件等)、使用者側の人事労務案件(解雇案件、ハラスメント案件等)の法律相談、訴訟対応等を取り扱う。