外資系企業などに応募する際に必要な英文レジュメ・CVの書き方を例文とともに紹介します。今回は、外資系企業への豊富な転職サポート実績を持つ転職エージェントのマイケル・ペイジ・インターナショナル・ジャパン株式会社で、テクノロジーチームのマネージャーを務める黒須さんに書き方のアドバイスや注意点もいただきました。
日本語の履歴書・職務経歴書と大きな違いはありません
決まったフォーマットがないこともあり、外資系企業を初めて受ける人の多くが戸惑う英文レジュメの書き方。構えてしまう方も多いですが、実際は日本語での職務経歴書がきちんと書けていれば、それを英語にすれば問題はありません。 また、CV(Curriculum Vitae)と英文レジュメは、内容は同じものと理解していただいて大丈夫です。
英文レジュメ・CVを書く際の注意点
内容は日本語の職務経歴書と変わりませんが、外資系企業で重視する点は日本企業と少し異なりますので、英文レジュメ・CVを記載する際は以下を意識してください。
A4で2〜3枚にまとめましょう
人事担当者の多くは15秒ほどの短い時間で目を通します。その際に1枚だと短く、4枚以上だと長すぎるので、わかりやすく2〜3枚にまとめることが大切です。経験が豊富なシニアの方は全ての職務経歴を記載すると4枚を超えてしまうケースもありますが、できるだけ現在の仕事内容や取り組みに関する情報を厚くし、過去の経験は短くまとめます。 相手の読みやすさを考え、アピールするポイントを絞り、箇条書きでわかりやすく記載してください。
外資系企業では「何をしてきたのか」が重要
外資系企業に対するレジュメで一番求められるのは、経験に関する記載です。営業を例にすると、担当商品・サービス、担当エリア、営業手法、営業予算・実績・達成率が必須になりますし、マネージャーの場合は、マネジメントの人数や期間、マネージャーとしての実績などが必要になります。工夫した点を記載する場合は、長くなりすぎずポイントを絞って記載しましょう。
弱気謙遜は不要、アピール上手になりましょう
レジュメの目的は、書類選考を通過すること。ここを突破しないと意味がありませんので、弱気や謙遜は一切不要。書類選考で差がつくポイントは実績でしかありませんので、少し強気に書くくらいでも問題ありません。 Job Descriptionに全て当てはまる人はほとんどいません。自分の職務経歴とJob Descriptionを照らし合わせてアピールポイントを見つけ、強調したい部分は太字にしたり、下線を引いたり、文字を大きくしたりするなど、自由に加工していただいて問題ありません。重要なのは、相手が読みやすいことです。
スピードは大切、けれどスペリングミスはNG
初めて英文レジュメ・CVを作成する場合、時間がかかってしまうケースがありますが、外資系企業はすぐにポジションクローズしてしまうことも。英文レジュメに時間をかけていては応募そのものができなくなってしまいますので、スピードは大切です。 ただし、スペリングミスは論外。Wordのスペルチェックなどを活用するほか、外資系企業への転職支援に強い転職エージェントの中には内容をチェックしてくれるところもありますので、相談してみるのもおすすめです。
英語力について
英語力についてアピールする場合、「ビジネスレベル」などの基準はご自身の判断で構いませんが、Job Descriptionと照らし合わせてどこまでアピールするか判断してください。外資系企業の中には、実際メールやシステムくらいでしか英語を使用しないところもありますし、敢えて高く見せる必要もありません。
在籍企業が中小企業やスタートアップ企業の場合
企業名を見ただけでは何の会社か伝わらない、同じ社名の会社が他にもある、というケースもあります。事業内容、売上高、従業員数、サービス・商品名など、企業の詳細を記載しましょう。
ブランク期間がある場合
PROFESSIONAL EXPERIENCE(職務経歴)は、勤務期間は年月まで記載し、できるだけブランクのないようにします。もしブランク期間がある場合、最後のADDITIONAL INFORMATION(特記事項)に理由を記載しましょう。
学歴について
特に若手や第二新卒の場合は、EDUCATION(学歴)の欄で何を学んできたのかも重視されます。また、卒業後にEnglish Schoolやテンポラリーで大学などに通った場合は、記載しましょう。
ベーシックな英文レジュメ・CVの見本
SUMMARY
SALES MANAGER Software/Technology/Communications
A spontaneous sales leader with14 years of experience in selling software and, solutions of communication and networking to large and small-size clients.
・ Increased regional sales by 150% and achieved personal and team’s sales targets.
・ Managed and supervised team of 10 sales people.
・ 10 year experience in sales to financial industry.
・ A native Japanese speaker and Business level in English. (have experience to report to Singapore Head Quarter)
・ Educated and established new sales team.
・ Launched new products and improved sales systems which contributed great sales result.
PROFESSIONAL EXPERIENCE
April 2011 – Present AAA Corporation, Tokyo, Japan
Business: Software Company that designs and manufactures sales
management systems. Annual sales: 10 billion yen. Employees:200.
2017 – Present Regional Sales Manager, Yokohama
・In charge of ERP system.
・Handled clients in SMB, consumer electronics industry, automotive industry, and telecom industry.
・Direct sales :80% Sales via partners :20%
・New developments : 70% Existing business : 30%
・Sales Budget: 1M USD, Achievement: 1.5M USD, (150%)
・Clients: ○○○, △△△, □□□□, etc.
・Increased sales by 150% in 2 years in the area in charge. (from 100 million yen to 150 million yen)
・Achieved 35% of growth of sales in the group.
・Won the Excellent Group Award in the first half of 2019.
・Launched several new products that recorded high sales.
・Provided optimal proposals to clients, and improved the in-house sales system through multiple installations.
July 2011- March 2017 Account Executive, Yokohama
・Responsible for about 300 small and medium-sized clients in Yokohama.
・Achieved the highest repeating rate of clients, among 30 people in the department.
・Introduced new products to existing clients and increased sales per clients by 15%
・Improved sales-operation guidelines and pricing practices, which contributed higher sales.
April 2007- June 2011 BBB Corporation, Kanagawa, Japan
Sales Representative
Sold software of sales managements to large size clients.
・ Won MVP of the sales region for two consecutive years.
・ Worked with an implementation team to make proposal for specific demands of clients.
EDUCATION
・ AAA University, Kanagawa
Bachelor of Business Administration, May 2007
ADDITIONAL INFORMATION
・ Fluent in Japanese and English
・ Proficient in Microsoft Office, especially Excel, Access
・ Futsal, Cycling
・ Parents’ chairman of after-school care
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以下に履歴書作成の際に活用できる記事をまとめました。
ぜひ参考にしてみてください。
黒須 駿/Shun Kurosu
オーストラリアのMacquarie大学卒業後、日系人材会社に入社し営業達成率全体1位を獲得。その後2015年にマイケル・ペイジ・インターナショナル・ジャパン株式会社入社。現在はテクノロジーチームのマネージャーを務める。2016年、2018年、2019年チームトップビラー賞達成、アジア圏20位以内入賞。 「Platinum Club」2年連続達成、「ミリオネアクラブ」達成。