履歴書には写真を貼るスペースがあるのが一般的ですが、写真を貼った履歴書の提出を求められた場合は、履歴書用に撮影した証明写真を貼付する必要があります。この記事では、企業から写真の貼付を求められた場合に、どのように対応したらいいかを組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。
履歴書の証明写真の基本ルール
まずは、写真を撮影する前に押さえておきたい証明写真の基本的なルールについて解説します。
【チェック項目】
- 履歴書は縦40㎜×横30mmを使用
- 証明写真用に撮影された写真を使う
- 服装・髪型・メイクなどは実際に応募企業で働く場面を意識する
- 3カ月以内に撮影したものを使う
- 裏面に記名をし、糊付けする
- 一度貼った写真の再利用はNG
履歴書は縦40㎜×横30mmを使用
履歴書に貼付する証明写真のサイズは、縦40㎜×横30㎜が一般的です。履歴書の多くは、このサイズの枠があらかじめ印刷されているので、枠に合うサイズの写真を用意しましょう。写真スタジオや証明写真機などを利用すれば、「履歴書用写真」を指定することができます。
証明写真用に撮影された写真を使う
履歴書に貼付する写真は、顔や体が正面を向いていること、背景が無地であることなどが基本とされます。日常生活で撮影した写真は適さないことが多いため、証明写真用に撮影された写真を使用するようにしましょう。
服装・髪型・メイクなどは実際に応募企業で働く場面を意識する
証明写真を撮る際の服装・髪型・メイクなどは、実際にその企業で働く際に着用するものをイメージして選ぶといいでしょう。企業によっては服装について「オフィスカジュアル」「スーツ着用」などと求人に記載していることがありますので、調べてみるのも一案です。また、転職エージェントを利用している場合は、担当者に確認してみてもいいかもしれません。
3カ月以内を目安に撮影する
履歴書に使用する写真は、3カ月以内に撮影したものを使うことが基本です。古い写真だと現在の印象と大きく違う可能性があるからです。また、3カ月以内に撮影した写真であっても、髪型を大きく変えるなどした場合は、新たに撮り直してもいいかもしれません。
裏面に記名をし、糊付けする
台紙から写真を切り取る必要がある場合は、縁が歪んだり曲がったりしないよう、まっすぐ丁寧に切り取ります。履歴書に貼り付ける際は、写真がはがれないようしっかりと糊付けを。両面テープやテープ糊を使うと、履歴書を汚す心配がありません。万が一、履歴書から写真が剥がれてしまった時のために、写真の裏面に氏名を書いておくと丁寧です。
一度貼った写真の再利用はしない
書き損じた履歴書や、企業から返却された履歴書から、写真を剥がして再利用することはやめましょう。きれいに剥がしたつもりでも、小さなシワやキズが付いていることがあります。一度貼付した写真は使い回さず、新たな写真を使うようにしましょう。
履歴書写真の服装や髪型、メイクのポイント
履歴書に使用する写真を撮影する際の服装や髪型、メイクについて、押さえておきたいポイントをご紹介します。
服装・髪型・メイクは実際に働くシーンをイメージする
履歴書の写真を撮影する際は、前述の通り、実際に応募先の企業で働く際のイメージで服装・髪型・メイクを選ぶといいでしょう。撮影の前には、ネクタイやリボンなどが曲がっていないか、鏡でしっかりセルフチェックしておくと安心です。
また、口紅やアイシャドウ、チークなどは自分では気にならなくても、写真で見ると濃く見えることがあります。メイクをする場合は、肌なじみが良い色を選び、軽めにしておくといいでしょう。
相手に自分の表情が伝わるようにする
前髪が長すぎたり、髪の毛が顔にかかっていたりすると、表情が伝わりづらくなってしまいます。また、表情全体が暗いイメージにもなりかねないので、注意しましょう。
背筋を伸ばしてきれいな姿勢をつくる
撮影の際は、首が前に出ないように耳と肩の位置を揃えるイメージで、自然に背筋を伸ばします。顔は正面を向け、まっすぐカメラを見ましょう。また、両肩を思い切り上げてストンと落とし、左右の高さが揃うよう調整します。さらに、上目づかいになっていないか、あごを上げすぎたり、引きすぎたりしていないかも、撮影前に鏡でチェックしましょう。
明るい表情を意識
証明写真の撮影は、緊張して表情が硬くなりがちです。写真を撮影する際は、意識的に明るい表情を作るように心掛けてください。最初に大きく笑顔を作ってから口を閉じ、口角を少し上げるようにすると自然な表情になるでしょう。
履歴書写真のOK・NG例
履歴書写真に適した写真と、避けた方が良い写真を、OK・NG例として具体的に紹介します。
履歴書写真OK例
以下の条件を備えた写真が、履歴書には適しています。
- 正面を向いている
- 背景は白・青など、何も映っていないもの
- 口を閉じている
- 実際に勤務する際の服装を着用
写真はモノクロ・カラーどちらでも問題はありませんが、カラーの方が明るい雰囲気になります。
履歴書写真NG例
履歴書の写真に適していない例を紹介します。角度や表情、背景や服装などを意識して、履歴書に適した写真を使いましょう。
顔に手がかかっている、カメラ目線でない
正面ではない
背景にものが映っている
スタジオ・証明写真機・証明写真アプリのメリット・デメリット
履歴書用の写真撮影にはさまざまな方法があります。ここでは、「写真スタジオ」「証明写真機」「証明写真アプリ」の3つの方法に分け、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
写真スタジオ
証明写真の仕上がりに特に気を配りたい方は、写真スタジオで撮影するといいでしょう。
写真スタジオで撮影した場合の最大のメリットは、プロが専用の機材で撮影してくれるため、見栄えの良い写真に仕上がることです。表情や姿勢、ヘアスタイルなどのアドバイスも受けられるため、より自然な写真を撮ることができるでしょう。なかには、撮影後の画像をきれいに補正してくれるスタジオもあります。また、他で撮った証明写真のデータを持っているのであれば、プリントに対応してくれる場合もあるので相談してみるといいでしょう。
デメリットは、時間や費用がかかることです。写真スタジオで撮ることを決めている場合は、早めに撮りに行くことをおすすめします。
証明写真機
証明写真機はさまざまなところに設置されているので、好きな時間に安価で撮影できるのがメリットです。履歴書の提出スケジュールが迫っている時や、在職中で時間がない場合などに重宝するでしょう。なお、機種によっては肌感を調整したり、背景を選んだりすることもでき、うまく使えばより良い仕上がりが期待できます。なお、証明写真機で撮影する場合は、白いハンカチやコピー用紙などをひざの上に置くといいでしょう。レフ板の代わりになり、顔を下から照らしてくれるので、明るく鮮明な写真になります。
デメリットとしては、証明写真機は写真スタジオのようにプロのアドバイスがないので、写り具合をセルフチェックする必要があることです。また、機械によっては撮り直し回数に限度があるので、注意が必要です。
証明写真アプリ
スマートフォンのアプリで撮影した写真を、自宅のプリンターや専門店・コンビニエンスストアなどの複合機を利用して印刷する方法もあります。何度でも気軽に撮り直しができ、写真データの加工もできるため、スマートフォンでの撮影に慣れている人であれば、メリットが多いでしょう。
ただし、不自然な修正を重ねると、履歴書の証明写真として不適切なものになってしまうこともあります。加工前後の写真を見比べて、自然な仕上がりになるように調節しましょう。
なお、アプリを利用する場合は、撮影場所や背景、明るさや顔の位置などに注意が必要です。そのため、自分で全て準備しなければならない点もデメリットになります。また、自分でシャッターを押すと、手や腕が写り込んだり、姿勢が曲がったりしてしまいやすいので、誰かに撮影してもらうか、セルフタイマーを使うといいでしょう。さらに、きれいな仕上がりにするために、印刷する用紙はフォト光沢紙を使うのがおすすめです。
履歴書を作成する際の関連ノウハウ記事一覧
以下に履歴書作成の際に活用できる記事をまとめました。
ぜひ参考にしてみてください。
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野 友樹(あわの ともき)氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。
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