履歴書の「現在に至る」「以上」の書き方とパターン別の例文 

履歴書 現在に至る

履歴書を作成する際、職歴の記入欄の締めくくりに使う言葉として「現在に至る」「以上」などがあります。それぞれの言葉をどのように使い分ければいいのか、履歴書への記載の仕方について、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。

履歴書の「現在に至る」の基本的な書き方

履歴書の書き方見本でよく目にする「現在に至る」について、使用するケース・使用しないケースをご紹介します。 

在職中の場合に使用

職歴の最後に記載した企業に現在も在籍している場合、「現在に至る」と記載します。 

例えば、職歴の最終行に記載する内容が「20XX年X月 株式会社○○ 事業企画部配属」であり、現在もその会社・部署に所属していれば、その後に「現在に至る」と記載します。 

なお、「現在に至る」の代わりに「在職中」と記載してもかまいません。 

「現在に至る」もしくは「在職中」という記載がない場合、離職していると勘違いされて「早期入社が可能」といった誤解を招く可能性もあるため、必ずいずれかを記しておきましょう。採用担当者が履歴書を見て応募者を理解するために、「履歴書作成時の就業状況」を正しく伝える必要があります。 

退職済みの場合

履歴書における「現在に至る」という言葉は、現在も企業に所属している状態であることを表すため、すでに退職している場合には使用しません。自己都合で退職している場合は、職歴欄に「20XX年X月 一身上の都合により退職」と記載します。会社都合で退職している場合は、「20XX年X月 会社都合により退職(事業撤退のため退職)」など、簡潔に退職理由を添えます。 

職歴欄には「以上」を入れる

「現在に至る」「在職中」「一身上の都合により退職」など、いずれを使う場合も、職歴欄の最後には必ず「以上」と記載します。「以上」と書くことで、「この件に関する記載はここまでで、その先はない」という旨が明らかになります。 

基本的に、正式なビジネス文書では文末に「以上」と記載するのが一般的なルールです。履歴書においても、「以上」で締めくくりましょう。「以上」の記載がないと記載漏れとの区別がつかないため、忘れずに記載しましょう。 

在職中・退職済みの履歴書の書き方例

履歴書の職歴欄の書き方は以下を参考にしてください。 

在職中の履歴書の書き方例

「現在に至る」を使う場合、最後(直近)の職歴を記載した次の行に、左に寄せて「現在に至る」と記載します。さらに1行下に、「以上」と右寄せで記載しましょう。

学歴・職歴
職歴
20XXX●●株式会社入社。営業部に配属、主に都内の新規開拓を担当 
20XXXチームリーダーに昇格 
現在に至る 
以上

「在職中」を使う場合は、会社名・部署名と同じ行の右側に「在職中」と記載し、1行下に「以上」と右寄せで記載します。

学歴・職歴
職歴
20XXX●●株式会社入社。営業部に配属、主に都内の新規開拓を担当 
20XXXチームリーダーに昇格  在職中 
以上

退職済みの履歴書の書き方例

すでに退職している場合、最後(直近)の職歴を記載した次の行に、左に寄せて「一身上の都合により退職」と記載します。さらに1行下に「以上」と右寄せで記載します。

学歴・職歴
職歴
20XXX●●株式会社入社。営業部に配属、主に都内の新規開拓を担当
20XXXチームリーダーに昇格 
20XXX一身上の都合により退職 
以上

退職が決まっている場合の履歴書の書き方例

履歴書を作成する時点で、まだ在職中であるものの退職が決まっている場合、その旨を退職予定の日付とともに記載しましょう。それにより、応募企業は「いつから就業が可能なのか」を把握することができます。なお、企業側が「なるべく早期に入社してほしい」「○月○日頃までに入社してほしい」などと考えている場合、退職日を明記してあることが安心材料になる可能性もあります。具体的な日付までは確定しなくても、おおよその時期の目安がついていれば記載しておくといいでしょう。 

退職予定日を記す場合は、「現在に至る」の1行下に「なお、○年○月△日付で退職予定」と、左寄せで記載し、さらに1行下に右寄せで「以上」と記載します。 

学歴・職歴
職歴
20XXX●●株式会社入社。営業部に配属、主に都内の新規開拓を担当 
20XXXチームリーダーに昇格 
現在に至る 
なお、20XX年X月X日付で退職予定
以上

「現在に至る」「以上」が入りきらない場合は?

異動歴や転職歴が多いなど、職歴の記載に多くの行数を要する場合、「現在に至る」「以上」が職歴欄に収まらないこともあります。そのような場合は、下記のように対処しましょう。

改行せずに1行で入れる

「現在に至る」「以上」を書く行が足りない場合、「現在に至る」(左寄せ)と「以上」(右寄せ)を同じ行に書いても問題ありません。また、最後(直近)の職歴と同じ行に記載することも可能です。最終職歴の右側に、2文字分ほど空けて「現在に至る」と記し、右寄せで「以上」と記しましょう。 

【残り1行の場合】 

学歴・職歴
職歴
20XXX●●株式会社入社。営業部に配属、主に都内の新規開拓を担当 
20XXXチームリーダーに昇格 
現在に至る 以上

【行が余らない場合】 

学歴・職歴
職歴
20XXX●●株式会社入社。営業部に配属、主に都内の新規開拓を担当 
20XXXチームリーダーに昇格  現在に至る 以上 

変化の幅が小さな異動歴は1行にまとめる

例えば、職種やポジションなどは同じで、配属先の支店や営業所などが変わっただけの異動も1行分を使って履歴書に記載している場合、「○○支店・△△支店・□□支店に勤務」といったように1行にまとめるなどして省略するといいでしょう。詳細は職務経歴書の方に記載してください。

経歴欄が大きい履歴書を使う

履歴書フォーマットにはさまざまな種類があります。職歴欄のスペースが大きくとられているタイプのものを選べば、余裕を持って記載できるでしょう。 

「現在に至る」を書かないと評価に影響する?

履歴書の職歴欄に「現在に至る」「在職中」「以上」などの記載をしていなくても、選考での評価に大きく影響することはないでしょう。ただし、書類作成の基本ルールが守られていないと、採用担当者から確認をされる可能性があります。記載漏れがないか、最後にチェックするようにしましょう。 

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アドバイザー

粟野 友樹(あわの ともき)氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。