【見本あり】履歴書の「免許・資格」欄の書き方|資格なしの場合や書いた方が良い資格などを解説

履歴書 資格

履歴書の「免許・資格」欄は、採用担当者が応募者の知識やスキルを客観的に把握できる項目のひとつです。ここでは、履歴書の「免許・資格」欄の書き方のルールや、自動車免許の記載方法、さらにどのように免許・資格を書けば採用担当者へのアピールに繋がるかを、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。

履歴書の「免許・資格」欄の書き方見本と基本ルール

まず履歴書の「免許・資格」欄の書き方見本と、書くときの基本的なルールについてご紹介します。

免許・資格
20XXX普通自動車免許(AT限定) 取得
20XXX2級ファイナンシャル・プランニング技能士試験 合格
20XXXTOEIC Listening&Reading Test 860点 取得
  以上

免許・資格の名前は正式名称で書く

履歴書には正確な情報を記載するのが基本です。資格・免許の名前は省略せずに、正式名称で記載しましょう。例えば「簿記○級」と略称で書いてしまうと、「日本商工会議所簿記検定」なのか「全国商業高等学校協会主催簿記実務検定」なのかわからないことがあります。

また運転免許でも、オートマチック限定の普通免許を取得しているなら「普通自動車免許(AT限定)」とするのが正しい書き方です。

取得年順に記載するのが一般的

記載順としては、まず運転免許を取得年月順に書き、続いてそれ以外の資格を取得年月順に書くのが一般的です。特に、応募条件で運転免許が必須とされている場合は、上の例のように保有する運転免許を先頭に記載すると、よりわかりやすいでしょう。

一方で、応募職種に関連性の高い資格や、企業にアピールしたい資格を保有している場合は、それを優先的に書いていくことも一案であり、どちらの方法を選択しても構いません。

年号は統一する

取得年月の表記は和暦・西暦のどちらでも構いませんが、履歴書全体を通じて統一するのがおすすめです。また、取得年月や合格年月については、合格証書などに記載してある年月を記載するのが一般的です。

「取得」「合格」「修了」等を正しく使い分ける

「免許・資格」欄を書く際は、それぞれの正式名称の後に一文字分を空けて「合格」「取得」などと記載します。この書き方は免許や資格によって異なります。
一般的に「合格」は、技能検定など一定の基準を満たすことで取得できるもの、「取得」は免許証が交付されるもの、「認定」は所定の講座を修了したことで得られるもの、「登録」は協会などへの登録をもって認定されるものとなります。

また、同じ資格でも「修了」(講座を修了)、「合格」(資格試験に合格)、「取得」(登録手続終了)といったプロセスがあるものに関しては、現状どの段階まで進んでいるのかを正しくことが大切です。

最後に「以上」と記載する

すべての免許・資格を書き終えたら、最後の行に「以上」と書きましょう。

履歴書の運転免許の書き方

運転免許を取得している方は、応募先で運転が必要かどうかに関わらず、履歴書に記載することをおすすめします。ペーパードライバーであっても問題はありませんが、応募先の仕事で運転をする可能性がある場合は、運転経験があまりないことを補足しておくか、面接の際にそう伝えるようにしましょう。

なお、運転を必要としない仕事に応募するケースで、アピールしたい資格が多いために「免許・資格」欄に書き切れないときなどは、運転免許の記載を省略しても構いません。

免許・資格
20XXX普通自動車免許 取得
20XXX普通自動二輪免許 取得
  以上

運転免許を記載する場合は、基本的に取得している免許をすべて書きます。その際は通称ではなく、下表に示した正式名称で書くようにしましょう。

また「大型自動車免許」や「大型自動二輪車免許」などの上位免許(取得すれば、それより下位に当たる車両も運転できるもの)を取得している場合は、上位免許のみを記載し、下位に当たる「普通自動車免許」や「普通自動二輪車免許」の記載は省略して構いません。

主な運転免許の略称と正式名称

略称正式名称
大型大型自動車免許
中型中型自動車免許
準中型準中型自動車免許
普通普通自動車免許
大特大型特殊自動車免許
大自二大型自動二輪車免許
普自二普通自動二輪車免許

履歴書の運転免許以外の免許・資格の書き方

運転免許以外の主な免許・資格の正式名称と、書き方は以下の通りです。

主な資格の略称と正式名称・書き方

略称正式な記載方法
簿記日本商工会議所簿記検定○級 合格
秘書検定秘書技能検定○級 合格
FP○級ファイナンシャル・プランニング技能士試験 合格
宅建宅地建物取引士試験 合格
MOSMicrosoft Office Specialist ○○(バージョン名) 合格
英検実用英語技能検定○級 合格
TOEICTOEIC Listening&Reading Test ○点取得 TOEIC Speaking & Writing Tests ○/400点 取得(Speaking○/200点、Writing○/200点)

また、履歴書に免許・資格を書く場合は、次のような基準で記載するのがおすすめです。

これまでの実務で必要だった資格

まず、これまで経験してきた業務で活かしてきた免許や資格を記載しましょう。履歴書の職歴欄や職務経歴書に記載した自分の実績と合わせて免許・資格も記載することで、スキルや専門性があることのアピールに繋がります。

応募企業や職種に必要とされている資格

応募企業に入社後、業務に活かせると思われる資格・免許を保有していれば、記載しておくことをおすすめします。例えば、応募職種が経理であれば日商簿記検定、金融機関であればファイナンシャル・プランニング技能士などがあげられます。なお、応募要件で企業から指定されている資格を保有している場合は、必ず記載しましょう。

語学やパソコンスキル等に関する資格

TOEICなどの語学系資格や、MOSなどパソコンに関する資格は汎用性が高く、一定のビジネススキルがあることの証明になるため、持っている方は記載しておくといいでしょう。

ただしTOEICなどの語学系資格は、応募企業で求めるレベルが異なるため、点数によってはアピールに繋がらない可能性があります。特に外資系やグローバル企業では高いスコアが必要になる傾向があるので、応募企業の評価基準を事前に調べて、記載するかどうか判断することをおすすめします。

勉強中の資格や、取得予定の資格

既に取得しているが、さらに高度なレベル(2級→1級など)を取得しようとしている資格や、受験を終えて結果待ちの資格、あるいは、まだ取得に向けて勉強中の資格がある場合も、アピールに繋がる可能性があれば記載することをおすすめします。

その場合は「○○資格所得のため勉強中」「X年X月 ○○資格受験 結果待ち」などと記載しておくといいでしょう。

免許・資格
20XXX実用英語技能検定準1級受験 結果待ち
宅地建物取引士試験 合格に向けて勉強中
以上

履歴書の「免許・資格」欄を記入する際のポイントと注意点

履歴書の「免許・資格」欄を記入する際のポイントをご紹介します。

資格が失効していないかを確認する

保有する免許・資格に有効期限がある場合は、応募時に期限が切れていないか確認するようにしましょう。失効していることに気づかず記載してしまうと、経歴詐称を疑われる恐れもあります。
ただ、失効していたとしても、応募企業へのアピールになる資格であれば、その旨を明記した上で記載する方法もあります。

なお、TOEICや英語検定など語学系の資格には、厳密に言うと有効期限はありませんが、企業は応募者の現在の英語力が知りたいため、取得年月が古すぎると評価されにくいこともあります。例えばTOEICの場合は、公式認定証の発行期限である2年を過ぎたら、再受験することが望ましいでしょう。

書き切れないときは関連性の高い資格を優先する

保有する資格が多く、履歴書に書き切れないときは、応募企業に関連するものを優先して記載するようにしましょう。その際に記載する順序は、取得年月が古い順ではなく「知識やスキルのアピールに繋がるか」「入社後の業務に活かせるか」を基準として、優先順位が高いものから書くのがおすすめです。

また、「免許・資格」欄が大きい履歴書を選ぶことも一案です。以下から欄の大きい履歴書テンプレートをダウンロードできますので、活用してみてください。

履歴書テンプレート  第二新卒など社会人経験の浅い方向

直接関連がなくてもアピールになるなら書いてOK

履歴書には、これまでの仕事や、応募先での仕事に関連する免許・資格を書くのが基本です。ただ「免許・資格」欄に余裕がある場合、仕事に直接関連がない資格でも、学習意欲やスキルアップへの努力をアピールできると考えるのであれば、記載するのも1つの方法です。

書ける資格がなければ「特になし」と記載する

履歴書の資格欄に記載できる資格・免許がない場合、空欄のまま提出してしまうと、記入漏れと思われる可能性があります。この場合は必ず「特になし」と記載しましょう。

免許・資格
特になし
以上
アドバイザー

粟野 友樹(あわの ともき)氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

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