企業に応募する際、「履歴書」の提出を求められることが一般的です。市販されている履歴書のサイズには、A4とB5の主に2種類があり、迷う方も多いようです。履歴書のサイズを選ぶ際のポイントと印刷時の方法・注意点、郵送する場合の封筒サイズの選び方、データでの送付方法などについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。
履歴書のサイズを選ぶ際のポイント
市販されている履歴書用紙のサイズは、主に次の2種類があります。
A4サイズ(A3・2つ折り) 縦:297mm×横:420mm B5サイズ(B4・2つ折り) 縦:257mm×横:364mm
応募先企業が履歴書のサイズを指定している場合はそれに従いましょう。特に指定されていない場合、A4・B5いずれのサイズを使っても問題ありませんが、ビジネス文書がA4サイズで使用されることから、履歴書もA4サイズが一般的となっています。これに合わせて、Web上でダウンロードできる履歴書テンプレートもA4サイズのものが多く見られるようになりました。履歴書サイズが採否に影響することはありませんが、迷う場合には、A4サイズを選ぶのが望ましいでしょう。履歴書のサイズを選ぶ際のポイントを次に解説します。
A4サイズは記入する内容が多い場合に有効
B5サイズはA4サイズよりも記載スペースが狭いので、文字量が多ければ文字を小さく書く必要が出てきます。特に、ビジネス経験が豊富な方の場合は、職務経歴や自己PR欄などに記載する内容が増えるために、さらに文字サイズが小さくなり、読みにくくなってしまいます。アピールしたい内容が多い、職歴が多いなど、多くの情報を記入したい方は、記載スペースが大きいA4サイズを選ぶといいでしょう。
記入する内容が少ない場合はB5サイズがおすすめ
文章を書くのが苦手、社会人経験が短い、アピールできる経験・スキルが多くないなど、書く内容に限りがある場合は、情報をコンパクトにまとめられるB5サイズを選ぶといいでしょう。内容の量によっては、A4サイズを使用すると余白が気になる可能性も考えられます。
職務経歴書のサイズと揃えるのが望ましい
応募時は、履歴書とともに職務経歴書も提出するケースが多いです。前述の通り、ビジネス文書作成においてはA4サイズが標準であるため、職務経歴書もA4サイズで作成するのが一般的です。
履歴書と職務経歴書のサイズが揃っていたほうが、採用担当者にとっては保存の作業や管理がしやすくなります。受け取る側の取り扱い事情も考慮すると、A4サイズに統一するのが望ましいといえるでしょう。
履歴書に貼る写真のサイズも確認しておく
履歴書に貼る写真のサイズは、A4・B5サイズともに「縦40mm×横30mm」が一般的です。ただし、応募先企業オリジナルの履歴書を使用するときはサイズが異なる場合がありますので必ず事前に確認しましょう。
パソコンで作成した履歴書を印刷する場合の注意点・方法
履歴書テンプレートをダウンロードし、パソコンで作成・印刷して郵送または持参する場合、A4・B5用紙ではなくA3・B4用紙に印刷し、2つ折りにします。
自宅にA4サイズ以下のプリンターしかない場合は、2枚つづりで印刷しても構いません。その際は、用紙の下に「1/2(2ページ中の1ページ目)」とページ番号を振り、クリップでまとめて提出すると親切です。なお、A3見開きをA4サイズに縮小して印刷するといった方法は、文字が読みづらくなってしまうためおすすめできません。
プリンターがない場合は、コンビニエンスストアの複合機などでA3・B4サイズの印刷をすることができます。履歴書のデータを記録メディアに保存して持参、ネットやアプリ上で登録するなどの方法がありますが、店舗によって対応が異なるため事前に確認してから利用するといいでしょう。
履歴書を送付する封筒のサイズは2種類
ビジネス文書を提出する際は、「折らない」のが一般的です。履歴書・職務経歴書についても、折りたたんで小さな封筒に入れるのは望ましくないでしょう。採用担当者は広げるのに手間がかかるうえ、折り目がつくことで読みにくくなってしまいます。
B5またはA4サイズの履歴書+A4サイズの職務経歴書を一緒に送る場合、封筒は「角形2号」(サイズ:24×33.2cm)か「角形A4号」(サイズ:22.8cm×31.2cm)を使用するのが適切です。
履歴書・職務経歴書をそのまま封筒に入れると、採用担当者の手元に届く頃には折り曲がったりしわがついたりする可能性があります。無色透明のクリアファイルにはさんでから封筒に入れると、丁寧な印象になります。その場合は、送付状も作成し、上から「送付状」→「履歴書」→「職務経歴書」→「(あれば)その他書類」の順番でかさねてクリアファイルに収めるといいでしょう。
メールで履歴書を送付するケースが増加中
近年は、履歴書・職務経歴書を紙で郵送・持参するのではなく、PDF化してメールで送付するケースも増えているようです。採用業務のデジタル化が進む中、履歴書・職務経歴書もデータのほうが管理しやすいため、応募する企業によってはメールでの送付を求められることもあるでしょう。
企業からメールでの応募書類送付を指示された場合は、WordやExcelで作成した履歴書を「名前を付けて保存」を選択して、ファイル形式は「PDF」を指定して、PDFファイルに変換します。
履歴書を手書きで作成した場合は、プリンターでスキャンしてPDF形式で保存します。プリンターがない場合は、コンビニエンスストアの複合機を活用するといいでしょう。
応募書類は、サイズよりも内容の確認を
応募書類を提出する際には、「マナーを守らなくてはならない」と、サイズ選びを気にかける方もいるかもしれません。確かに応募書類のマナーは第一印象を左右する可能性もあるでしょう。しかし、当然ながら重要なのは「中身」です。様式を過度に気にするよりも、自身の「強み」がしっかりと伝わる書類を作成することを意識しましょう。同じ内容であっても記載の仕方の工夫により、評価アップ・印象アップにつながることもあります。
転職エージェントに登録すると、応募書類の書き方について担当者からアドバイスをもらえたり、応募先企業へ応募書類の詳細を確認してもらえたりするケースもあります。転職活動について相談したいことがある場合は、転職エージェントに登録してみることも有効です。
履歴書を作成する際の関連ノウハウ記事一覧
以下に履歴書作成の際に活用できる記事をまとめました。
ぜひ参考にしてみてください。
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野 友樹(あわの ともき)氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。
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