マーケティング職の志望動機の書き方と注意点【例文付き】

マーケティング 志望動機

転職活動でマーケティング職に応募する際には、どのような志望動機を書けば書類選考に通過しやすくなるのでしょうか。リクルートエージェントのキャリアアドバイザーが、マーケティング職の求人動向とともに志望動機のポイントを解説します。志望動機の例文も紹介しています。

マーケティング職の仕事内容

マーケティング職の仕事とは、ひと言で言えば「商品やサービスが売れるしくみを作る」ことです。そのために、「誰に何をどのように伝えるのか」「どうやって売り上げ拡大につなげるのか」など、4P(プロダクト、プライス、プレイス、プロモーション)、3C(カスタマー、コンペティター、カンパニー)などのフレームワークでマーケティング戦略を考えます。

その戦略をもとに、ターゲットに求められる商品・サービスを探る「マーケティングリサーチ」、マーケットニーズを探りそれに沿った企画を考える「商品企画」、その商品・サービスを拡販する策を考える「営業企画・販促」、商品やサービスの魅力をターゲットに伝えるべく広告戦略を立案・実行する「広告宣伝」など、マーケティングの仕事にはいくつかの役割があります。

マーケティング職の求人動向

マーケティング職の求人は、専門知識が求められる分野であり、常に一定のニーズがありますが、コロナ禍で一時的に採用数を絞った企業が再び採用に注力する動きもあり、活発な採用が続いています。

特にBtoC分野では、事業強化かつ売り上げ拡大を目的に、ブランド戦略の立案から販売戦略まで一気通貫で企画推進するポジションの求人が増えています。

また、デジタルマーケティングは数年前からニーズが高い状況が続いています。タッチポイント(商品・サービスとカスタマーをつなぐ接点)の多様化と細分化したカスタマーニーズを受け、行動データを分析し購買行動や心情の変化を把握して、パーソナライズナコミュニケーションを取る重要性が増していることが背景にあります。

事業会社だけでなく、広告代理店のマーケティング部門の求人も増加しています。なかでも、クライアントの意向がマス広告からデジタル広告に移行していることを受け、デジタルマーケティングに強い人材のニーズが増えています。

マーケティング職に求められるスキル、経験

マーケティング職は、世の中の動きに敏感であることが重要と言えます。したがって、広くアンテナを張り、トレンドをつかむ力が求められるでしょう。また、ビッグデータを分析してニーズを捉えたり、広告の効果を分析したりするための「データ分析力」や、幅広く物事を見極める「洞察力」なども必要と言えます。これらの力が、より精度の高い企画立案やマーケティング戦略立案へとつながります。

また、前述のとおり、基本的には経験者、中でも同業界同職種が優遇されやすい傾向にあります。業界ごとに商習慣や販売チャネルの考え方などが異なるため、近しい業態でマーケティングを経験してきた人のほうが即戦力になりやすいためです。

ただ、異業界でも「手掛けたチャネルが同じ」など共通する点が多い場合は、高く評価されるケースもあります。例えば、同じ化粧品業界であっても、百貨店向けブランドとドラッグストア向けブランドのマーケティングではターゲットも戦略も大きく異なるため、百貨店向け化粧品ブランドのマーケティング担当者募集であれば、百貨店向けアパレルやラグジュアリーブランドのマーケティング経験者のほうが力を発揮しやすいと判断されるでしょう。

「マーケティング職は未経験だけれど、近しい立場で仕事をしてきた」という場合は、同業界の企業に目を向けることも有効です。たとえば自らマーケティングをしながら営業活動してきたという人であれば、営業企画や販促であれば親和性が高く、実績が評価されやすいと考えられます。

ただ、デジタルマーケティングの場合はこの限りではありません。膨大なデジタルデータを分析・活用し、企画や戦略立案に生かしてきた経験を持つ人は、歓迎される傾向にあります。たとえば情報サービス会社や金融会社でデジタルマーケティングに携わってきた人が、大手メーカーに転職したというケースもあります。

マーケティング職の志望動機を書く時のポイント

「なぜ転職したいと考えているのか」「その中でもなぜこの会社なのか」を伝えましょう。

経験者が転職を志す場合は、「今の環境では実現できないけれど、やりたいことがある」というケースが多いと思います。その思いと、応募企業の業務内容や環境、求める人材像が合っていると、志望動機に軸が通っていると感じられ、面接担当者の納得感が高まるでしょう。

そのうえで、「この会社でどのように貢献できると考えているのか」を伝えることも必要です。そのためにも応募企業の仕事内容を理解し、自身の経験・スキル、強みなどの中から活かせるポイントを抽出して伝えましょう。

マーケティング職未経験者の場合は、上記に加えて「なぜマーケティング職を志すのか」も伝えましょう。未経験者の志望動機は、「マーケティング職への憧れ」が先行してしまうケースが見受けられますが、効果的とは言えません。「マーケティング職を志すきっかけとなったエピソード」と「マーケティング職に就けたらどのように貢献できると思うのか」を客観的に伝えるといいでしょう。

志望動機の基本構成

履歴書や職務経歴書で志望動機を伝える際には、次のような構成で記載すると採用担当者の納得を得やすくなります。

書き出し

応募企業に魅力を感じているポイントを簡潔に記しましょう。いきなりエピソードから書き始めると、文章に締まりがない印象を与えます。

応募企業を選んだ理由

応募企業を選んだ理由を伝えます。そのためには、これまでの経験も踏まえつつ、「抱いている課題意識」「自身が仕事で大切にしたいこと・こだわりたいこと」などを挙げた上で、応募企業であればそれを実現できると考えていることを記載するといいでしょう。

活かせる経験・スキル

自身の経験・スキルが、応募企業でどのように活かせるかを伝えます。そのためには、これまで培ってきた経験・スキルと、応募企業で求められている要素との共通点を見つけ出すことが大切です。求人情報を確認し、マッチする経験・スキルがあれば、前面に押し出してアピールしましょう。

なお、企業が求めている経験・スキルとの共通点が見出しにくい場合には、「仕事の進め方」「企業理念」などに着目し、別の切り口から接点を見つける方法もあります。

入社後に実現したいこと

最後は応募企業で働く意欲が伝わるような言葉で締めくくりましょう。入社後にどのような活躍・貢献がしたいかという意思表示をすることで、採用担当者の期待が高まります。

マーケティング職の志望動機例文を紹介

マーケティング職の志望動機例文を、経験者、未経験者に分けてご紹介します。

「経験者」の志望動機例文

日用品メーカーでトイレタリーブランドのマーケティングを8年間担当しています。商品企画部門と連携を取りながら、リサーチ・分析からマーケティング戦略立案、広告宣伝まで一気通貫で携わってきました。次のステップとして別の商材を扱ってみたい、特にコスメ分野に関わってみたいと思い、貴社を志望しました。以前、自社でコスメ商品への進出を検討したことがあり、リサーチに携ったものの、途中で頓挫した経験があったためです。

貴社においては、ドラッグストアでのコスメ展開を強化されているとホームページで拝見し、販売チャネルも含めこれまでの経験が活かせると感じています。昨年担当した新ブランドは10代女性の話題を集め、発売1カ月で販売目標を5割上回る実績を収め、かつこれまでの広告スコアを見直したことでCPAを約3割改善することができました。扱う商品は異なりますが、より効果的・効率的なマーケティング戦略の立案・実行において力を発揮し、貴社に貢献できると考えています。

<ポイント> 

・マーケティングに関する経験と実績を定性・定量でアピールする。
・経験を活かしてどのように貢献できるのか具体的に記す。
・経験者の場合「忙しすぎるから」「勤務先の業績が悪化しマーケティング予算が削られたから」などネガティブな理由で転職を志す人も少なくないが、その裏にある「前向きな思い(もっとカスタマーに向き合い価値を提供したい/もっと精度の高いマーケティングがしたい、など)」に着目して志望動機を考えることが重要。

「未経験者」の志望動機例文

精密機器メーカーで営業として約5年間働き、営業活動の一環としてWebを活用したBtoBマーケティングや、販売実績データの分析なども手掛けています。マーケティングに関わるようになって以降、的確なターゲット選定やニーズの把握が可能になり、商談決定率、受注率ともに高めることができました。データを分析し戦略を練る重要性を肌で感じるようになったことで、マーケティングの側面から業績拡大を担いたいと思い、マーケティング職への転身を志望しています。

貴社においては法人向けデジタルサービスに注力する方針であるとホームページで拝見し、これまでの経験が活かせる場面があると考えています。現職では主にグローバル企業を担当し海外現地法人からの受注や納品、そして海外での販売戦略立案も経験しており、海外での販路を拡大したいと考えている貴社に貢献できるとも考えています。

<ポイント> 

・「なぜこのマーケティング職なのか」を、エピソードを交えて明確に示す。
・異職種での経験がマーケティング職でどのように活かせると思うのか具体的に伝える。

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アドバイザー

大竹芳菜

サービス、化粧品、人材業界でインストラクターやアドバイザーとして就業後、2006年株式会社 リクルートエージェント(現株式会社 リクルート)入社。コンシューマー領域(消費財、サービス、金融不動産他)の法人営業を経て、ハイキャリア領域コンサルタントに。現在はコンシューマー領域における戦略系企画人材及び法人を担当。

※本記事での内容は取材時点での情報になります。