【見本あり】履歴書の「学歴・職歴」欄の書き方|在職中や書ききれない時の対処法

応募書類として提出する履歴書には、「学歴・職歴」を記載する欄が設けられています。複数社の経験があると、学歴・職歴欄に書ききれなくなることもあるでしょう。履歴書の学歴・職歴欄の基本的な書き方や注意したいポイント、書ききれない時の対処法などについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。

履歴書の「学歴・職歴」欄の見本と基本ルール

まず、「学歴・職歴」欄の見本と基本的なルールを紹介します。

学歴・職歴
  学歴
20XX3××県立○○高等学校 卒業
20XX4東京○○大学経営学部情報システム経営学科 入学
  人材マネジメント論専攻
20XX3東京○○大学経営学部情報システム経営学科 卒業
   
  職歴
20XX4●●●●株式会社 入社
  営業本部 新規ビジネス企画課
  「××××」の販売担当として新規顧客の開拓に従事する
20XX12一身上の都合により退職
20XX1株式会社○○○○ 入社
  IT事業推進本部 マーケティング部
  製造業向けの自社開発システムの提案営業を担当。10名のチームの責任者を務める
  現在に至る                                        以上

学歴と職歴に分けて記載する

学歴・職歴欄を作成する際は、まず1行目に「学歴」と記入し、2行目から年月と学校名などを記載していくのが基本です。そして、学歴について一通り記載した後、1行分を空けて「職歴」と記入し、その下の行から職歴に関する情報を続けて書いていきます。
学歴記入時の入学・卒業年度の計算は、次の自動計算ツールも活用してください。

履歴書の学歴・職歴欄作成に!
入学・卒業年度計算ツール(早見表)

あなたの生年月日を入力してください

入力した生年月日の応じて、入学・卒業年度が自動計算されます。

西暦 和暦 学歴 編集
-年 3月 中学校
卒業
中学校 卒業
年間在籍
-年 4月 高校/高専
入学
高等学校/高等専門学校 入学
-年 3月 高校/高専
卒業
高等学校/高等専門学校 卒業
年間在籍
-年 4月 大学/専門
入学
大学/専門学校 入学
-年 3月 大学/専門
卒業
大学/専門専門学校 卒業
年間在籍

計算結果は一般的な在籍年数が表示されるので、年数が異なる場合はプルダウンで選択してください。自動で再計算されます。
大学院を記載したい場合は履歴書に追加してください。

西暦・和暦変換ツール

調べたい年を選択すると、西暦から和暦、和暦から西暦への変換ができます。職歴の記載にご活用ください。

西暦
和暦
西暦

※1989年は1月7日までが昭和64年で1月8日以降が平成元年です。
※2019年は4月30日までが平成31年で5月1日以降が令和元年です。

表記は履歴書と職務経歴書で統一する

学校名や会社名などの表記は、履歴書と職務経歴書で統一しましょう。採用担当者が履歴書と職務経歴書を読んだときに、混乱を招かないようにするためです。また、西暦と元号(昭和・平成・令和など)はどちらを使用してもかまいませんが、同じく履歴書と職務経歴書で表記を統一しましょう。なお履歴書は基本的に横書きなので、数字は算用数字を用い、書類全体でも統一しましょう。

「学歴」の基本的な書き方

次に、学歴の一般的な書き方について解説します。

学校名は略さず正式名称で

学校名は、「○○高校」と省略するのではなく、「○○県立○○高等学校」といった正式名称で記載しましょう。また、統廃合や名称変更などによって学校名が変わっている場合には、「○○(現:△△)高等学校卒業」のように、在学当時の名称の後にカッコ書きで現在の名称を記入します。

義務教育期間は省略可

中途採用では小学校から学歴を記載する必要はなく、義務教育期間は省略しても問題ありません。一般的には、高等学校卒業以上の場合は、高等学校の入学年次から最終学歴の卒業年次までを記入することが多いようです。

専門学校や大学は学部・学科・専攻も記載

専門学校や大学名を記載する際は、学部・学科・専攻なども記載します。研究内容や論文のテーマなどについては、希望する職種に活かせる内容であれば書いておきましょう。逆に、仕事に関係がない研究などについては、あえて記載する必要はありません。

高校についても、たとえば機械科や電気科などで専門的な技能を学んだことがアピールに繋がる場合には、専門学科について詳しく記載しておくとよいでしょう。

さまざまなケース別の「学歴」の書き方

「中退」「転校」「編入」などのケース別に、学歴欄の記載方法を解説します。

中退・休学の場合

学校を中退・休学した場合には、学校名の後に記載するようにしましょう。「中退」は「中途退学」と正式名称で記入します。浪人や留年についても、記載することをおすすめします。

学歴・職歴
20XX4月○○大学経済学部経営学科 入学
20XX8月○○大学経済学部経営学科 中途退学

転校した場合

転校した場合は、転校前の学校に「入学」とした記述の1行下に、転入先の学校・学科名を書き、「転入学」と書きます。

学籍・職歴
20XX4月○○県立△△高等学校普通科 入学
20XX9月□□市立□□高等学校普通科 転入学

別の学部・学科に編入した場合

大学の学部や学科を変更した場合は、元の大学に入学した記述の1行下に、編入先の大学・学科名を書き、「編入学」と書きます。短大などを一度卒業していれば、卒業と記述した1行下に、編入先の大学・学科名を書き、「編入学」と書きます。

学歴・職歴
20XX4月○○大学経済学部経営学科 入学
20XX4月△△大学社会学部社会教育学科 編入学

留学した場合

海外の高校や大学などの教育機関に1年以上在籍していた場合は、学歴欄に記入しましょう。その際は、留学期間、留学先、学校名、専攻内容なども記載します。

なお、短期留学や語学留学などについては、学歴には記載しません。短期留学などをアピールしたい場合は、学歴・職歴欄ではなく、自己PR欄を活用しましょう。

学歴・職歴
20XX4月○○大学経済学部経営学科 入学
20XX8月200XX年8月まで、□□国△△大学○○学科へ留学

社会人になって大学院やビジネススクールに通った場合

社会人になってから大学院やMBAプログラム(経営学大学院)、専門学校など学位を取得する課程で学んだ場合も、学歴として入学・卒業(修了)の時期と併せて記入しましょう。なお、プログラミングをはじめとしたスキル取得のための講座や資格取得講座、ビジネス関連の講座など、学位取得の課程ではないものは記入しないことが一般的です。

学歴・職歴
20XX3月東京○○大学経営学部情報システム経営学科 卒業
20XX4月□□大学大学院●●研究科△△選考修士課程 入学
20XX3月□□大学大学院●●研究科△△選考修士課程 修了

「職歴」の基本的な書き方

次に、職歴の一般的な書き方について解説します。

企業名は略さず正式名称で

会社名や部署名は、省略せずに正式名称で記入します。「(株)」などと略さず、「株式会社」と書きましょう。

履歴書や職務経歴書の職歴は原則として「省略不可」

転職回数が多い、在籍期間が短いといった場合も、職歴の一部を省略することはせず、すべてを正確に記入します。試用期間中の退職や、休職期間がある場合についても、記載するようにしましょう。

応募職種に活かせる経験業務は記入する

職歴欄に余裕がある場合は、社名の下に「□□部にて、○○業務を担当」というように、配属先や職務内容を簡潔に書くことも一案です。特に、募集職種に関連する職歴は明記することをおすすめします。表彰や営業成績の実績がある場合はぜひアピールしましょう。

最後に「以上」と記載する

学歴と職歴を続けて書いたら、職歴の最後の行に右寄せで「以上」と記載しましょう。

さまざまなケース別の「職歴」の書き方

「異動」「出向」「昇進」「自営業からの転職」などのケース別に、職歴欄の記載方法を解説します。

異動した場合

異動により部署名が変わった場合は、その内容がわかるように正確に明記するのが望ましいです。ただ、詳細については職務経歴書で補完することができるため、学歴・職歴欄に書ききれない時は簡潔にまとめるようにしましょう。

<例>人事課長→千葉支社・統括課長

学歴・職歴
20XX4月人事課長に昇進 ○○業務に従事
20XX4月千葉支社に異動 統括課長(課長職に準ずる)として○○業務に従事

所属企業の合併やグループ会社などに出向した場合

合併や出向などによって社名が変わった場合も、その内容を記載しましょう。勤務先が社名を変更した場合は、下記のような書き方をします。

<例>B社に吸収合併

学歴・職歴
20XX4月○○部 部長に昇進 ○○業務に従事
20XX4月B株式会社に吸収合併され、同社に転籍 部長として○○業務に従事

また、以前に勤務していた企業が社名を変更した場合には、現在名称か旧名称のどちらかをカッコ書きで補足するとわかりやすくなります。

<例>旧社名の認知度が高い場合

学歴・職歴
20XX4月A株式会社(現・株式会社B) 入社

<例>現社名の認知度が高い場合

学歴・職歴
20XX4月株式会社B(旧・A株式会社) 入社

昇進した場合

昇進した場合についても、その内容を簡潔に記載するようにしましょう。

<例>営業→営業課長(名古屋)→営業部長(関西)

学歴・職歴
20XX4月株式会社Aに入社 営業本部に配属され、○○業務に従事
20XX4月営業課長に昇進 名古屋地区の○○業務に従事
20XX9月営業部長に昇進 関西地区の○○業務に従事

なお、役職名を記載するときに混同しがちなのが「昇進」と「昇格」です。

「昇進」とは、役職が上がることを指し、社内の上位の役職に任命されて役職名が変わることです。一方で「昇格」は、社内の職能等級制度などによって等級が上がることを意味します。履歴書や職務経歴書に記載するのはあくまで「役職」です。等級が上がっても役職が変わっていない昇格は記載する必要はありません。

自営業や個人事業主(フリーランス)から転職する場合

起業して経営者として会社を運営していた場合は、「設立年月日」+「会社名」と併せて「設立」と記載します。また、会社をたたんだ際には「解散(破産・承継など)年月日」、たたむ予定であれば「解散予定」と記載します。

フリーランス・個人事業主として働いていた場合、開業届を出して屋号がある場合は「開業した年月日」+「個人事業主として開業(屋号:○○)」と記載します。開業届を出していない場合は、「活動を開始した年月日」+「フリーランスとして活動を開始」と記載すれば良いでしょう。

また、活動を終えた場合は、屋号があれば「廃業」、なければ「活動停止」と記載し、活動を終える予定であれば、「廃業予定」「活動停止予定」と書きます。

学歴・職歴
20XX9月個人事業主として開業(屋号:○○)
Webコンテンツ制作・デザイン事業を展開
20XX4月一身上の理由により廃業

退職済/在職中の場合

会社を退職している場合は、自己都合退職であれば「一身上の都合により退職」、会社都合退職であれば「会社都合により退職」と書くのが基本です。

ただ、やむをえない事情があったなど、履歴書で補足説明しておきたい場合は、退職した理由を一言添えるという方法もあります。例えば、「会社都合により退職(業績不振による希望退職)」「

一身上の都合により退職(家族の海外転勤に伴う退職)」などと記載すれば良いでしょう。

在職中のまま転職活動をしている場合は、「現在に至る」、退職日が決まっている場合は「退職予定」と記入します。最後に右寄せで「以上」と書きましょう。

学歴・職歴
20XX4月●●●●株式会社入社
現在に至る(20XX年10月退職予定)                            以上

退職期間中にアルバイトやパートをしていた場合

退職期間中などにアルバイトやパートで働いていた経験がある場合、週に30時間以上働いていた場合は職歴欄に記載するようにしましょう。

学歴・職歴
20XX9月一身上の都合で退職
20XX11月△△△△株式会社 入社(アルバイト)
現在に至る                                       以上

「職歴」が多く書ききれない場合の対処法

異動や転職回数が多く、学歴・職歴欄にすべての職歴が収まりきらない時の具体的な対処法を紹介します。

学歴・職歴欄のスペースが広い履歴書を用意する

職歴のすべてが収まるように、学歴・職歴欄が大きい履歴書を用意しましょう。ExcelやWordで履歴書を作成する場合は、フォーマットを自身でカスタマイズすることもできます。学歴・職歴欄以降の記入欄に余裕があるのであれば、その分を削って学歴・職歴欄の分量を増やすなど、レイアウトを変更してみましょう。

職歴の一部を「1社1行」に短縮する

職歴はできる限り簡潔にまとめ、1社で複数行書いてある部分を「1社1行」に短縮できないか検討してみてください。アピールしたい実績や業務内容は、志望動機や自己PR欄で触れるか、フォーマットに制限がない職務経歴書で詳しく紹介するようにしましょう。

職務経歴書を使用する

履歴書の職歴は簡潔にまとめ、詳細は職務経歴書で説明するのも方法の一つです。なお、これまでのキャリアをわかりやすくアピールするのが、職務経歴書の役割。すべての職歴を正確に記入しつつ、採用担当者に興味を持ってもらえるよう内容に強弱をつけてまとめましょう。

職務経歴書はA4サイズ1~2枚程度が一般的ですが、人によっては2枚に収まらない可能性もあるでしょう。その場合、読みやすさを意識してまとめれば、枚数にこだわる必要はありません。

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組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野 友樹(あわの ともき)氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。