転職活動の不安を解消する方法は?ケース別に対処法を解説

転職 不安

転職活動を検討しているとき、準備中、そして活動中と、時期や段階に応じて様々な不安が生じることもあるでしょう。その不安の原因と解消方法について、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏がケース別に解説します。

活動時期別に感じる「転職への不安」とは

転職に関して抱く不安の内容は、「転職活動を検討している時期」「転職活動中」「内定後」など、段階によって異なります。それぞれの段階で抱きがちな不安やその傾向について紹介します。

転職活動を検討している時期に抱く不安

転職活動を検討している時期に抱く不安には、「転職活動」と「転職そのもの」について、「わからない」ことに起因するものが多い傾向があります。

例えば、転職活動に対する不安として多いのは、「どのくらいの時間がかかるのか?」「どのようにして希望に合う求人を探すといいのか?」など、転職活動の具体的な進め方やスケジュール、また全体像について「わからない」「知らない」ために生じる不安です。この場合、何がわからないのか、知らないのかということを言語化し、具体的な情報を得ることである程度解消できるでしょう。

また、転職そのものに対する不安としては、「転職することが本当に良いキャリアの選択になるのだろうか?」「現職の仕事になんとなく不満があるが、本当に転職してもよいのか?」などが挙げられます。

転職活動中に起こる不安

転職活動中は、活動を開始したからこその、より具体的な不安が生じる場合があります。例えば「希望に合致した転職先を見つけられるだろうか?」「選考に通過できるだろうか?」「内定をもらえるだろうか?」となどが挙げられます。これらが、転職活動開始前のような漠然とした不安ではなく、より具体的な悩みを伴う不安として生じることがあるでしょう。

内定後に抱く不安

内定後に抱く不安は、大きく、「転職先に対する不安」「転職そのものに対する不安」「退職交渉に関する不安」の3つに分けられます。

転職先に対する不安には、「本当にこの企業でいいのだろうか?」「条件・社風などは本当に自分に合っているだろうか?」など、転職そのものに対する不安には、「転職することは、自分のキャリアや家族・パートナーにとって本当に良いことのだろうか?」「今転職する必要があるのだろうか?現職に留まったほうが良いのではないか?」などが挙げられます。いずれも、自身の判断に対する迷いに起因する不安といえるでしょう。

また、退職交渉に関する不安としては、「円満に退職できるだろうか?」「現職や取引先・顧客等に迷惑をかけてしまうのではないか?」などの不安が生じることがあるでしょう。

これらの不安の解消法について、ケース別に紹介します。

「転職活動を検討している時期に抱く不安」の解消法

まず、転職活動を検討している時期に抱える不安として、7つのケースとその解消法を紹介します。

ケース1「転職先が決まるのか・転職できるのか不安」

転職活動を検討する際に「転職先が無事に決まるだろうか?」といった不安を抱いた場合、まずは転職活動を始めてみて、転職市場の相場を掴むことをおすすめします。自身の希望するポジションや役職、職種、条件が、自身のスキル・経験に見合った実現可能性のあるものなのかを把握するのです。

相場を掴む方法には、次のものがあります。

  • 転職情報サイトに登録して、公開されている求人を見てみる
  • スカウトサービスに登録して、届いたスカウトの求人内容から自身の評価を把握する
  • 転職エージェントに登録して、キャリアアドバイザーから助言を受ける

このようにして情報収集した上で、転職活動を続けるのか、現職に留まり足りないスキル・経験を積むのか、また、転職活動を続ける場合、希望する条件を変更するのかなどを検討するとよいでしょう。

ケース2「自分のスキル・経験が評価されるか不安」

この場合、まずは自己分析とキャリアの棚卸しを行い、これまで培ってきたスキル・経験を整理しましょう。その上で、転職情報サイトの公開求人の情報や、スカウトサービスからのスカウト、転職エージェントからの情報などから自身のスキル・経験がどこまで評価されそうか、何をアピールすれば評価されるかなどを確認します。

もし、希望する企業や職種、ポジションに対して自身のスキル・経験が不足していることが明らかになった場合は、現職でさらに経験を積んでスキルアップすることや、資格取得によるスキルアップなどを検討するのも一つの手です。

ケース3「年齢の高さがネックにならないか不安」

少子高齢化に伴う労働人口の減少により、年齢を問わず転職の門戸は広がっています。「人材紹介大手3社 転職紹介実績の集計結果」(一般社団法人 日本人材紹介事業協会調べ)(※1)(※2)によると、2008年10月~3月の転職紹介人数が988人だったのに対して、2022年10月~3月の転職紹介人数は7,884人と約8倍にも増加しています。

企業も、求める人材要件に応募者のスキルや経験がマッチしているかを重視して採否を検討するため、まずは、自己分析やキャリアの棚卸しを行って自身のスキルや経験、実績を整理し、それらが評価されるよう応募・アピールしていくことが重要です。

そのために、転職情報サイトの公開求人の情報や、スカウトサービスからのスカウト、転職エージェントからの情報などから自身の市場価値や転職市場の最新動向を把握しましょう。その上で、スキル・経験を生かすことができ、かつ、希望する条件に合う応募先を選んでいきましょう。

(※1)出典:一般社団法人 日本人材紹介事業協会 人材紹介大手3社 転職紹介実績の集計結果2022(令和4)年度下期

(※2)出典:一般社団法人 日本人材紹介事業協会 人材紹介大手3社 転職紹介実績の集計結果2008(平成20)年度下期

ケース4「年収が下がらないか不安」

厚生労働省の「雇用動向調査」によると、令和5年上半期の転職入職者の賃金変動状況として、前職の賃金に比べて「増加」した割合は38.6%、「減少」した割合は33.2%、「変わらない」の割合は26.4%という結果が出ています(※3)。

転職後の年収については、個々の求職者の経験やスキル、希望する転職先や転職条件により異なりますが、上述した調査では、減少した人の割合に比べて、増加した人の割合の方が高いことから、過度に不安になる必要はないでしょう。例えば、次の方法をとるなどして、年収を維持あるいは上げられるよう工夫することもできるでしょう。

  • 自身の経験・スキルを必要としている企業に応募する、または、自身の経験・スキルがより高く評価されるポジションを選んで応募する
  • 自身の専門性・経験・スキル・実績を明確にし、それらが応募企業で再現可能であることを的確に伝える

(※3)出典:厚生労働省ホームページ (https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/24-1/dl/kekka_gaiyo-03.pdf

ケース5「転職活動の進め方がわからない」

転職活動の進め方がわからない場合、転職情報サイトや書籍などで調べることも一案です。スカウトサービスや転職エージェントの担当者に相談してみることも有効でしょう。その上で、自己分析や応募書類の作成など、できるところから取り掛かりましょう。

ケース6「転職活動と現職の仕事を両立できるか不安」

転職活動と仕事の両立に不安を抱く人は多いでしょう。例えば、次の方法で時間をつくったり、転職サービスの助けを借りたりするなどすることで、両立が可能になることがあります。

  • ゴールデンウィークや年末年始などの長期休暇中に情報収集や書類作成を進め、応募は一気に行うなどして時間を確保する
  • 業務が落ち着くタイミングを選んで活動する
  • 終業後の時間や有給休暇を活用する
  • 転職エージェントに登録して、求人情報の検索や面接対策、面接の日程調整などを任せ、企業との条件交渉などのアドバイスも受ける

ケース7「家族の理解を得られるか不安」

独立行政法人労働政策研究・研修機構による、30歳〜54歳の自己都合離職者を対象にした調査によると、家族・親族に転職の相談をした人の約14%が「反対された経験がある」と回答しています(※4)。

家族やパートナーの理解を得るためのポイントは、転職を検討している段階からキャリアについての考えなどを共有し、相手の考えも確認しておくことです。転職活動中も経過をこまめに報告してお互いの考えを共有し合うことで、最終的な決定に同意を得られる可能性が高まるでしょう。家族やパートナーが納得する説明ができるよう、自身の考えを整理しておくことも重要です。

(※4)出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「ミドルエイジ層の転職と能力開発・キャリア形成〜転職者アンケート調査結果」

「転職活動中に起こる不安」の解消法

次に、転職活動中に起こる不安としてよく見られる3つのケースの対処法を紹介します。

ケース8「企業選びや選考対策が適切にできているか不安」

転職活動を進めていると、自身の企業選びや選考対策が適切かどうか、不安になることもあるでしょう。企業選びに不安がある際は、改めて自身の転職理由(転職によって何を実現したいのか)や、重視したい条件などを確認し、それらに合致した応募先を選んでいきましょう。

また、転職エージェントに相談して、スキルや経験、希望する条件に合った求人を紹介してもらうことや、スカウトサービスに登録してスカウトを受け取ることで、企業選びを適切に進めることもできます。

選考対策については、個人で進めていて行き詰まりを感じる場合、転職エージェントに助言を求めるのも1つの手です。応募書類の添削や、模擬面接などのサポートを受けることができるケースもあります。

ケース9「選考が進まず、内定を得られるか不安」

選考がなかなか進まない、内定まで至らないという場合、大きく2つの要因が考えられます。

1つは、自身のスキルや経験を応募企業にマッチする形でアピールできていないケースです。この場合、改めて、企業に訴求できる自身のスキルや経験、実績を整理し直してみましょう。そのために、自己分析やキャリアの棚卸しをするだけでなく、企業研究を行い、必要とされるスキル・経験と自身のスキル・経験に重なりを見つけ、それを的確にアピールできるよう、応募書類の表現や、面接での伝え方を見直しましょう。

もう1つは、自身のスキル・経験に合わない企業に応募している可能性です。この場合、企業の選び方の見直しや、希望する条件の見直しを検討しましょう。

いずれの場合も、転職エージェントに相談して助言を得ることも一助となります。とくに、「スキル・経験に見合う企業に応募できているか」は転職市場を見ている転職エージェントだからこそ判断できる場合があります。

ケース10「在職中の場合、面接の調整ができるか不安」

応募企業が平日出勤・土日休みの場合、中途採用の面接は平日の業務時間内に行われるのが一般的です。応募企業の都合で、日程が急遽決まるケースもあるでしょう。

だからといって、指定された日時に面接に応じられなくても、その選考を諦める必要はありません。業務時間外や土日、オンライン面接など、日程や方法の調整に応じてくれる企業もあるので、まずは相談してみることをおすすめします。

また、業務時間以外の日時への調整が難しい場合、半休や有休を取得して対応することも検討しましょう。

「内定後に抱く不安」の解消法

続いて、内定後に抱く不安としてよく見られる3つのケースの対処法を紹介します。

ケース11「退職交渉をうまく進められるか不安」

退職交渉は避けられるものではないため、スムーズに進められるよう準備して臨みましょう。

まずは、退職交渉の基本的な流れやスケジュールを把握します。就業規則に定められている退職の申し出の期限を確認した上で、退職の申し出から社内承認、引継ぎ、有休消化、退職に至るまでの流れやスケジュールを想定しておきましょう。

その上で、円満に退職するためのポイントは、「明確な退職の意思があることを相手に示すために、希望する退職日と最終出社日をあらかじめ決めておいて伝える」「不満や批判を言わない」「現職では実現できないポジティブな転職理由を伝える」などです。これらに留意して退職交渉を進めまましょう。

場合によって、上司や役員、人事からカウンターオファー(退職希望者に対する条件改善などの提案)を受けることがあります。冷静に判断できるよう、事前に自身の「この会社を辞める理由(退職理由)」と「転職で実現したいこと(転職理由)」を確認しておきましょう。

ケース12「本当にこの内定先でいいのか不安」

まずは、不安の要因となっている気がかりな点や疑問に感じている点が何なのかを分析しましょう。その上で、その気がかりや疑問をクリアにするために、内定承諾前に、内定先から情報を得る機会をつくりましょう。具体的には、面談の場を設けてもらう、あるいは、転職エージェント経由で応募した企業であれば転職エージェントを介して質問するといった方法があります。

また、「なぜ転職するのか」「転職して実現したいことは何か」といった転職する理由・、目的や、転職で重視したいことに立ち返り、内定先がそれらに合致しているか、現職や他の応募先とも比較しながら検討することで、内定を承諾するか、転職活動を継続するか、現職に止まるかなどの判断もできるでしょう。

あるいは、家族・パートナーや友人・知人、転職エージェントなど、第三者に意見を求めるのも一つの手です。その場合も、最終的には自身で判断することが、納得のいく決断につながります。

ケース13「内定先になじめるか不安」

前提として、所属組織が変われば、前職とのギャップを感じたり、カルチャーショックを受けたりすることは多かれ少なかれあるものです。その心づもりをして、新しい環境で新しい関係を構築していくことや、アンラーニングをして新たな成長機会を得られることを楽しみましょう。

とはいえ、できるだけ不安は解消しておきたいものです。そのために、内定承諾前に内定先の従業員との面談やオフィス見学などの機会を設けてもらう、企業のホームページや転職エージェントなどから情報を得るといった方法で、内定先の人間関係やコミュニケーションの取り方、雰囲気、仕事の進め方など、把握できる情報は確認しておくと良いでしょう。

自身が求めるものとどうしても合致しなかったり、嫌だなと思ったりするものがなければ、必要以上に不安に思わず、勇気を持って内定を承諾する判断をしてもいいかもしれません。

スムーズに転職活動を進め、納得できる企業に入社するためのポイント

なるべく不安を抱かずに、転職活動をスムーズに進めていくには、次の4点を押さえて活動していくことをおすすめします。

転職の目的を明確にし、希望条件に優先順位をつけておく

転職活動を進めるにあたっては、転職先で実現したいことや転職の目的を明確にした上で、仕事内容、収入、待遇、ワーク・ライフ・バランス、社風・企業文化、キャリア形成などにおける希望条件を考えておきましょう。その上で、それぞれに優先順位をつけておくと、複数の企業の選考を並行して進めていく際に比較検討がしやすくなります。また、内定承諾をするかどうかを迅速に判断する際の材料としても役立ちます。

最初から選択肢を絞りすぎず、間口を広く持っておく

最初から業種や職種を絞り込みすぎていたり、応募総数が少なかったりすると、企業が求める人材要件になかなかマッチせず、選考が進まない事態に陥る場合があります。複数の企業に応募することで、自身にマッチする企業に出会える可能性を広げることもできるので、最初から選択肢を絞り過ぎず、選択肢は多く持った上で、選考が進む中でマッチするかどうかを判断していきましょう。

希望の退職時期から逆算して、余裕のあるスケジュールを組む

一般的な転職活動にかかる期間は、準備から内定・入社まで3〜6カ月程度とされています。これを踏まえた上で、転職したいと考えている時期や、現職を退職しやすい時期から逆算して計画を立てると、よりスムーズに転職活動を進められるでしょう。

在職中の会社の人間関係を良好に保つ

退職交渉の際にトラブルにならないよう、日頃から職場の人間関係を良好に保っておきましょう。

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組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野 友樹(あわの ともき)氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。