面接で会社を訪問する際に、履歴書や職務経歴書などの応募書類を持参し、手渡しするケースもあります。ここでは、応募書類を持参する際の基本的なルールや、シチュエーション別の手渡し方のポイント、注意点などについて、組織人事コンサルティングSeguros代表コンサルタントの粟野友樹氏に伺いました。
目次
面接が決まったら、応募書類の持参が必要か事前に確認を
感染防止や効率化の観点で、面接をオンラインに切り替える企業が増えています。そのため、以前に比べて履歴書や職務経歴書などを持参する機会は減っています。また、対面での面接が行われる場合であっても、ペーパーレス化を推進している企業も増えており、応募書類の持参が不要であるケースも少なくありません。
そのため、面接が決まったら、採用担当者に持参する書類を確認しておくことをおすすめします。
履歴書を手渡しする場合も封筒に入れる
企業に応募書類を持参する場合は、履歴書だけでなく、職務経歴書やポートフォリオ等も一緒に提出することが一般的です。そのため、あらかじめまとめて封筒に入れておいた方が、スムーズに渡すことができて便利です。
また、応募書類をそのまま鞄に入れておくと、持ち運んでいる間に折れ曲がったり、汚れたりする可能性もあります。さらに、受付で渡す場合は第三者に個人情報が見られてしまう可能性もあるため、個人情報保護やプライバシー保護の観点からも封筒に入れておくのがよいでしょう。
履歴書の封筒への入れ方
履歴書や職務経歴書を入れる封筒は、A3を二つ折りにした履歴書と、A4の職務経歴書をそのまま入れることができる「角2」サイズがおすすめです。
封筒に入れるときは、上から履歴書、職務経歴書、その他の書類の順番で重ね、封筒の表面と書類の向きを揃えて封入します。
その際には、そのまま封筒に入れるのではなく、まとめてクリアファイルに入れてから封入しておけば、雨などで濡れたり、文字がにじんだりする心配がなく、安心して持ち運ぶことができるでしょう。また、受付や採用担当者に渡した際に中身をすぐに確認できるよう、封筒は糊付けせずに持参しましょう。
なお、手渡しの場合は、封筒の表に宛名を書く必要はありませんが、封筒の左下に赤字で「履歴書在中」と書き添えておく方が分かりやすくなります。また裏面には、自身の住所・氏名を念のため記載しておきましょう。応募書類を入れる封筒の書き方等については、以下の記事も参考にしてください。
【シチュエーション別】封筒を手渡しする方法
応募書類を受付で渡す場合、面接時に渡す場合、それぞれのシチューションでのポイントを解説します。
受付で渡す場合
受付などで応募書類を渡す場合には、封筒から取り出さずにそのまま手渡しするのが一般的です。相手が中の書類を取り出してすぐ確認できるように、封筒の表面を上にし、封入口側を自分が持つ形で渡します。相手に一礼したうえで、「よろしくお願いいたします」と挨拶しながら渡すようにしましょう。
面接で渡す場合
面接で渡す場合は、採用担当者から応募書類を求められたら提出するようにします。封筒から書類を取り出したうえで渡すと、より丁寧な印象を与えることができます。
この時、封筒からクリアファイルごと応募書類を取り出し、封筒の上に重ね、相手がそのまま書類を読めるように、封入口側を自分が持つ形で渡すのがポイントです。手渡ししながら、「よろしくお願いいたします」と挨拶をするのがよいでしょう。
なお、面接が始まっても採用担当者から応募書類の提出を求められない場合は、「応募書類をお持ちしていますが、いかがいたしましょう?」と自分から声をかけてもよいでしょう。
履歴書を手渡しする際の注意点
履歴書などの応募書類を手渡しする際に、注意しておきたいことをご紹介します。
履歴書などのコピーを取っておく
応募書類を持参した場合、面接での受け答えをスムーズにするために、面接前の空き時間などに内容を見返すことがあるかもしれません。ただその時、ファイルや封筒に入れた提出用のものを取り出して見返すと、焦って折ったり汚したりしてしまう恐れがあります。従って、面接に応募書類を持参する場合でも、直前の確認用にコピーを取っておくとよいでしょう。
手渡しの場合、添え状は必要ない
応募書類を郵送する場合は、挨拶文と同封した書類の内容を書いた「添え状」を添付するのが一般的ですが、手渡しする場合には、直接相手に口頭で挨拶ができるので、添え状を付ける必要ありません。
履歴書の日付は面接日を記載する
履歴書の記載内容は、「現時点での自分の最新情報」であるのが基本です。つまり、履歴書の日付は履歴書を作成した日ではなく、企業へ提出する日が正解。従って、応募書類を持参する場合は、履歴書の日付欄には面接日を記載するようにしましょう。
面接が決まったら、志望動機や自己PRなどの事前準備は念入りに
応募書類の渡し方には、特に明確なルールがあるわけではありません。基本的なポイントを押さえ、相手に失礼がないような方法であれば、そこまで神経質になる必要はありません。
そのため、手渡し方や手順を気にしすぎるよりも、志望動機や自己PR、転職理由など、想定される質問への回答の準備や練習に十分な時間を使うようにしましょう。
履歴書を作成する際の関連記事一覧
以下に履歴書作成の際に活用できる記事をまとめました。
ぜひ参考にしてみてください。
【アドバイザー】
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野 友樹(あわの ともき)氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。
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