【例文あり】ITコンサルタントの志望動機とは?押さえておきたいポイントと求人動向も紹介

ITコンサル 志望動機

ITコンサルタントへの転職を志す際、どのようなポイントを押さえて志望動機を書けば書類選考に通過しやすくなるのでしょう。リクルートエージェントのキャリアアドバイザーが、ITコンサルタントの求人動向とともに志望動機の書き方のポイントを解説します。またITコンサルタント経験者、未経験者の志望動機の例文も一緒にご紹介します。

ITコンサルタントの仕事内容

ITコンサルタントの仕事を一言で言えば、「ITを活用して企業の課題を解決する」こと。企業の経営者などとコミュニケーションを取りながら、経営戦略や課題などの本質をつかみ、ITでそれらをどのように実現、解決させるのかを考え提案し、要件定義を行うことがITコンサルタントの役割とされています。

ただ、最近では、上記だけにとどまらず、具体的な解決手段までを提示し伴走することが求められるようになっており、より技術的な知見が必要とされています。

企業が抱える課題は多岐にわたりますが、いずれの課題においても解決手段には必ずと言っていいほどITが関わります。最近では、ITエンジニアを自社内やグループ内で抱えるコンサルティングファームも増えており、その上流工程を担うITコンサルタントにはより高度で幅広い技術的な知識が求められています。

ITコンサルタントが手掛ける案件のトレンドと、人材採用ニーズ

ITコンサルタントが手掛ける案件の内容とトレンド、そしてITコンサルタントの採用ニーズについてご説明します。

セキュリティ、クラウド関連の課題解決ニーズが拡大中

前述のように、企業のどのような課題解決にも必ずと言っていいほどITが関わることになるため、クライアント企業から寄せられる要望も増加しており、ITコンサルタントの活躍範囲も広がっています。

近年、特に増えている案件は、セキュリティ分野。例えば銀行アプリ、決済アプリなどスマートフォンアプリの普及などで、企業と個人がシステム上で直接つながる機会が増えています。言い換えれば、それだけ情報漏洩のリスクも高まっているということ。

スマートフォンアプリの話は一例ですが、企業が利用するシステムの拡大や、個人を含めた関係各所とのシステム連携の増大により、盤石なセキュリティ環境を整備したいと考える企業からの引き合いが増えているようです。

クラウド関連も伸びているキーワード。AWSやMicrosoft Azureなどのクラウドサービス活用を検討する企業の増加に伴い、クラウドコンサルティングに関するニーズも増えています。クラウド移行に伴うセキュリティ問題に対応したいとする企業も多く、「セキュリティ+クラウド」案件も目立っています。

ITコンサルタントに求められる経験、スキル

案件拡大を受け、IT系コンサルティングファームはどこも人手不足の状態が続いており、特にIT関連の経験者は引く手あまたの状態です。ITコンサルティング未経験であっても、例えばシステム設計や開発/構築などのIT関連の経験があれば、未経験者にも広く門戸を開くコンサルティングファームも増えています。

未経験者の場合、重視されているのはITに関する業務経験や知識です。IT技術者として開発現場でクライアントの課題解決に取り組んだ経験や、SIerなどでクライアントへの要件定義などシステム開発・設計の上流工程に関わった経験などが求められています。

そして、これらのITに関する業務経験・知識に加え、プラスアルファとして「専門知識」を持つ人は、未経験であっても高く評価される傾向にあります。

ここでいう専門知識とは、「技術的な専門知識」か、もしくは「業界や業務に関する専門知識」のいずれかを指します。前者は、例えば前述のようなセキュリティやクラウドなど、ある分野の技術に深い知見を指します。後者は、例えば銀行系システムに長く関わってきた、人事系のシステムに関する知識が深いなど、領域や分野についての知見を指します。

ITコンサルタントは、経営者から現場の社員まで幅広い人々とコミュニケーションを取り、課題やニーズを引き出すことが重要です。その際、専門知識があればより深いヒアリングができ、本質的な課題をつかむことが可能になります。いずれかの高い専門知識を持つITに関する業務経験者であれば、ITコンサルタントとして活躍できる素地があると言えるでしょう。

ITコンサルタントの志望動機を書く時のポイント

ITコンサルタント未経験者の場合、採用企業が知りたいことの一つとして「なぜITコンサルタント職に就きたいと思ったのか」が挙げられます。志望動機は、ITコンサルタントを志望するきっかけとなったエピソードと共に、簡潔かつ明確に説明しましょう。

中には「今よりキャリアアップして年収を上げたいから、エンジニアからITコンサルタントへの転職を志望する」などという人もいるでしょう。それ自体は悪いことではないのですが、応募書類や面接でそのまま伝えるのはあまり良策とは言えません。

ITコンサルタントは、クライアント企業の課題解決のために尽力するのが仕事です。自分本意ではなく、クライアントのため、ひいては社会のために貢献したいという姿勢が求められます。コンサルタントの役割や立ち位置を理解したうえで、志望動機を伝えるようにしましょう。

コンサルタントは資料をまとめる際も「わかりやすく簡潔に」が求められます。応募書類においても、それを意識することをお勧めします。

ITコンサルタント経験者の場合は、「なぜ、敢えて同業他社に転職したいのか」という動機をメインに記しましょう。

経験者が同業内で転職する場合、「プロジェクトの規模感」「プロジェクトの先進性」「グローバル性」「より自身の経験を活かせるプロジェクトがある」を理由として挙げる人が多いようです。志望企業の強みや特性に合わせ、例えば今よりもスケールの大きいプロジェクトに関わりたいから、グローバルな案件に携りたいからなど、志望理由を素直に伝えるといいでしょう。

ITコンサルタントの志望動機例文を紹介

ITコンサルタントの志望動機例文を、未経験者、経験者に分けてご紹介します。

ITコンサルタント未経験者の志望動機例文

これまで大手IT企業の子会社で、SEとしてクライアント企業のシステム開発に携わってきましたが、「課題解決のためにはこの機能を追加したほうがいいのでは」と感じても、クライアントに直接意見を伝えられない立場にもどかしさを感じるようになりました。そこで、企業の課題に直接向き合い、より良いシステムを提案する立場に立てるITコンサルタントを志望しました。これまで、主に銀行系の業務システムに関わってきたことから、金融業界に強みを持つ貴社で、ITコンサルタントとしてぜひ力を発揮したいと考えています。

ポイント

・なぜITコンサルタントを志望するのか、裏付けとなる理由やエピソードと共に簡潔にまとめる。
・コンサルティングファームによって強みとする領域、抱える案件の内容は異なる。自身の経験・知識に合ったファームを選べば、志望動機の説得力が増す。

ITコンサルタント経験者の志望動機例文

これまでITコンサルタントとして約7年間働き、主に企業のIT戦略コンサルティングに関わってきました。仕事にはやりがいを感じていましたが、比較的小~中規模のクライアントが多く、経験を積むにつれさらに規模の大きな案件を手掛けてみたいと思うようになりました。
大手グローバル企業をメイン顧客に、IT領域を広くカバーしている貴社であれば、今までの経験を活かしてより大きなプロジェクトに関われるのではないかとの思いから、貴社を志望しました。IT戦略に関する幅広い業務経験を活かし、ゆくゆくはグローバル案件にも挑戦したいと考えています。

ポイント

・なぜこの会社に転職したいのか、今の勤務先では叶えられないのか、その理由を簡潔・明確に伝える。
・専門領域や手掛けてきたテーマを追記すると、志望動機の裏付けができ入社後の活躍イメージが湧く。

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長瀬賢剛

新卒にて外資系ITベンダと日系シンクタンクの合弁会社に入社。その後、情報・通信業界の企業での営業職を経て大手人材サービス企業に転職。現在はリクルートのIT領域のキャリアアドバイザーとして従事。

※本記事での内容は取材時点での情報になります。