【結論から伝えることが大事】戦略コンサルタントの志望動機のポイントと例文

戦略コンサル 志望動機

戦略コンサルティングファームのコンサルタントに応募する場合、どのようなポイントを押さえて志望動機を書けば書類選考に通過しやすくなるのでしょう。また、戦略コンサルタント未経験者は、どのようなことを書くのが効果的なのでしょうか。リクルートエージェントのキャリアアドバイザーが、戦略コンサルタントの求人動向と共に志望動機作成のポイントを解説します。例文も紹介しています。

戦略コンサルタントの仕事内容

戦略コンサルタントは、企業の経営者やCxO層を相手に、企業が抱える課題を解決したり、さらなる成長戦略を提案したりするのが主な役割。

具体的には、中期経営計画を始めとする企業全体の経営戦略はもちろん、マーケティング戦略や新規事業の立案、ビジネス開発、M&Aや投資戦略など、経営の意思決定に関わる専門分野の戦略策定なども行います。

企業から上記のような依頼を受けたら、経営者を始めとする関係者にヒアリングを行い、さまざまな事象の中から課題を見極め、仮説立てを行い、最適な手法を考え提案するまでが一連の業務となります。

戦略コンサルタント未経験者にも採用チャンスが広がっている理由

戦略コンサルティングファームに対する企業からのニーズは高く、前述したようなさまざまな案件の相談が寄せられています。

近年相談内容として多くあるのは、新規事業立案のニーズです。事業環境の目まぐるしい変化で既存事業以外に新たな軸足を作りたいと考える企業や、ChatGPTなど新しいサービスを使った新規事業を考えたい企業などから相談が集まっているようです。

また、以前に引き続きDX(デジタルトランスフォーメーション)の本格推進ニーズや、人的資本経営に関するコンサルティングニーズ、そしてサステナビリティ経営への移行に関する相談も多いようです。

企業からの相談内容は多岐にわたるため、各戦略コンサルティングファームとも、それぞれのテーマに関連する知識やスキルを持つ人であれば、コンサルタント未経験者にも広く門戸を開いています。 実際、中途採用においてコンサルタント経験の有無はあまり重視されず、メーカーや金融、商社、建設不動産など、多くの異業界出身者が活躍しています。中には医師や国家公務員からの転身者もいます。

戦略コンサルタントに求められるスキル、経験

戦略コンサルタントの仕事は、顧客企業の経営に関する課題解決です。したがって、経営に近い立場で、経営数字を見ながら課題解決に取り組んできた経験が求められます。

例えば、経営企画や事業企画、マーケティングなどの企画系職種や、M&Aや財務企画など。これらの仕事に単に関わったというだけではなく、自ら情報収集して解決すべき課題を見定め、周りも動かしながら主体的に課題解決に取り組んだ経験が評価されるケースが見られます。

また、経営数値に関する理解もあるといいでしょう。貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の「財務三表」に関する知識の有無を確認する企業もあります。

さらに、戦略コンサルタントがやり取りするのは、主に大手企業を中心とする経営者と経営陣です。例えば、コミュニケーション能力や論理的思考力、ファシリテーション力など、経営者、経営陣に対峙するための基本的スキルも必要とされるでしょう。

戦略コンサルタントの志望動機を書く時のポイント

企業の採用担当者は志望動機から「志望度・入社意欲の高さ」や「定着性・貢献度」などを知りたいと考えています。

まずは「なぜ転職したいと考えているのか」「なぜ戦略コンサルティングファームなのか」「その中でもなぜこの会社なのか」の3つを最初に伝えましょう。

結論から伝えるのはコンサルタントの基本です。まず結論を伝え、理由を補足する習慣を持っていることは、アピール材料の一つとなります。企業が最も知りたいこの3つを、簡潔かつ明確に伝えることで、聞き手の納得度が高まります。

「戦略コンサルタントを志すきっかけとなったエピソード」と「自分が戦略コンサルタントになったらどのような影響力を発揮し、どのように貢献できると思うのか」を伝えると、志望動機全体に1本の軸が通ります。

なお、戦略コンサルタント経験者の場合は、「なぜ転職したいと考えているのか」「なぜこの会社なのか」を初めに伝えましょう。

経験者の場合、「このファームが手掛けている○○というプロジェクトに関わりたいと考えているから」「この会社の△△さんと働いてみたいと考えているから」という志望理由が多いようです。それをエピソードと共に伝えたうえで、自身の専門領域とこれまで手掛けてきたテーマを伝え、専門性とその深さをアピールするといいでしょう。

戦略コンサルタントの志望動機例文を紹介

戦略コンサルタントの志望動機例文を、未経験者、経験者に分けてご紹介します。

戦略コンサルタント未経験者の志望動機例文

経営企画職として自社の課題解決や戦略立案に関わってきましたが、自社だけでなく業界全体の課題解決に携りたいと思うようになり、多くの企業経営者の意思決定に関わる戦略コンサルタントの仕事に興味を持ちました。
以前、自社の中期経営計画策定の際に、貴社のコンサルタントの方々と一緒に仕事をする機会がありました。当事者意識を持って自社の経営に向き合い、課題解決に向かって邁進する皆さんの働きぶりを間近で拝見して感銘を受け、自分もこのような働き方がしたいと思ったのが、貴社を志した理由です。

ポイント

・結論を先に伝え、裏付けとなる理由やエピソードで補足する。
・「なぜこのコンサルティングファームか」をより具体的に伝えたい場合は、志望企業のホームページでニュースリリースやプロジェクト事例を見て、感銘を受けたもの、力を発揮できそうだと思ったものを軸に構成するのは一つの方法。

戦略コンサルタント経験者の志望動機例文

これまで戦略コンサルタントとして約5年間働いてきました。以前から企業の海外進出コンサルティングに関わりたいと思っていましたが、自社では案件が少なくチャンスが得られませんでした。そこで、グローバルファームとして高い実績を持ち、海外進出成功の事例も多い貴社で、ぜひ新たなチャレンジをしたいと思い志望いたしました。
この5年間、主に大手メーカーの新規事業立案に関わり、ある化学品メーカーでは新市場への参入を成功させた経験もあります。メーカーの海外進出コンサルティングであれば、これまでの経験を活かしつつ、新しい業務を早期にキャッチアップできると考えています。

ポイント

・「なぜこの会社なのか」を明確に伝えたうえで、手掛けてきたテーマと実績をアピールする。
・どのように活躍できると思うのか明確に記すことで、さらなる成長意欲も伝わる。

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小磯徳幸

2005年にリクルートに中途入社し、法人企業の採用活動の支援、求職者の活動支援に従事。営業職やエンジニア、企画職・コンサルタント、管理部門など幅広い職種の転職サポートを手がけ、現在はコンサルタント、経営企画、事業企画、業務企画を担当する。

※本記事での内容は取材時点での情報になります。