求人に応募する際には、履歴書とともに職務経歴書の提出が求められます。募集しているポジションで活躍できる経験・スキルを持っていたとしても、職務経歴書で正しく伝わらなければ面接へ進むことができません。そこで、職務経歴書で強みを伝えるための書き方のポイントについて、リクルートのコンサルタントがアドバイスいたします。職務経歴書を初めて作成する方には見本のテンプレートも用意していますので、ダウンロードしてご活用ください。
MR・MS・医療機器営業の職務経歴書のテンプレート見本【フォーマットダウンロード】
職務経歴書のサンプルをご紹介します。書き方を参考にしてみてください。
リンク先よりダウンロードも可能ですので、見本を参考にしながらご自身の経歴を記入し、職務経歴書を作成しましょう。
MR・MS・医療機器営業の職務経歴書の書き方のポイント
MR・MS・医療機器営業の方々が職務経歴を記載する際、意識しておきたいポイント、積極的にアピールしたい経験・スキルなどをお伝えします。
担当対象を抜け漏れなく記載する
MR・MS・医療機器営業の職務経歴書では、「担当エリア」「担当先」「訪問科」「担当製品」などを漏れなく記載しましょう。
担当エリアを記載しない方も多く見受けられますが、採用企業は配属可能性の検討する上でも注目しています。また、「大学病院」「総合病院」などだけでなく、病院の名称まで記載します。何床規模の病院を担当していたのかもわかるようにしておいてください。
特に、医療機器営業の場合は「看護師」「検査技師」「事務局」「経営層」など、コミュニケーションの対象者も記載します。また、「訪問科」「経験疾患領域」も記載することで具体的な活躍イメージが浮かびます。取り扱い製品の単価により、アプローチする対象層や商談の期間なども異なりますので、経験内容が正確に伝わるようにしましょう。また「ハード」+「ソフト」の担当状況、精密機器であればメンテナンスやトラブル時の対応についても記載します。
業績は数字・指標を添えて記載する
MR・MS・医療機器営業の職種では、継続的に目標達成しているかが注目されます。業績をアピールする際は、時系列で目標と達成率を記載しましょう。「支店内○位/約○名中」など、指標を示すことも重要です。全社平均や支店平均などを添えるといいでしょう。なお、近年求人が多い外資系メーカーなどは、「上位20%に入っているかどうか」を評価の目安の一つとしているようです。
MRは近年、個人で目標数字を持たないメーカーも増えてきていますが、過去にさかのぼって目標数字を持っていた頃の実績を記載するようにしてください。
実績のみでなく「活動」を記載する
成果・実績を記載するだけでなく、「自己PR」欄などを活用し、どのようにその成果に至ったのか、活動プロセスや努力・工夫したポイントを伝えることが重要です。近年は、ドクターと人間関係を築いたエピソードやマインド面のアピールなどは通用しなくなっています。「情報収集」「データ分析」「多面的な角度からの提案」など、ロジカルな活動でPDCAを回し、成果を挙げてきたことが伝わればプラス評価につながります。特に、外資系の求人ではロジカルさが求められる傾向が見られます。
営業活動プロセスを伝える場合は、「状況(S)」「課題(T)」「行動(A)」「成果(R)」の順番に記載すると、具体性が生まれ、アピール効果が高まります。
プラス評価につながる経験は積極的にアピールする
中途採用市場で高く評価される経験は、積極的にアピールしましょう。
MR/MS/医療機器営業それぞれについて、プラス評価を得やすいポイントをご紹介します。これらの経験がある場合は、具体的なエピソードを交えて成功体験を語れるようにしておくといいでしょう。
「MR」の採用で評価されるポイント
・新薬の上市の経験
・講演会の企画立案・運営の経験
・オンライン面談にシフトし、効果的に活用した経験
「MS」の採用で評価されるポイント
・値引き交渉に対応し、価格を維持した実績
・担当先訪問を効率化したり、重要顧客との商談時間を捻出したりするスケジューリング力
・メーカーMRとの同行など、外部との連携
・幅広い取り扱い製品から、ドクターのニーズに応じて提案を行ってきた経験
「医療機器営業」の採用で評価されるポイント
・担当エリア内において、新規開拓経験や成果を挙げた経験
・マーケット分析スキル
・(取り扱い製品により)手術の立ち会い経験(頻度/対応エリアなど)
職務経歴書の書き方のコツ
職務経歴書で大切なのは、まず「読みやすさ」「わかりやすさ」です。
また、経験豊富であるほど職務経歴の記載が多くなり、強みがどこにあるのかが伝わりにくいことがあります。
作成する際には以下のポイントを踏まえ、よりアピール効果が高い職務経歴書に仕上げましょう。
事前に職務経歴を整理し、アピールしたい経験を強調する
職務経歴書を作成するにあたっては、まず、これまでの「所属企業・部署・チーム」「手がけた業務」「成果」「身に付けたスキル」などをすべて書き出します。
ただし、職務経験・実績が多い方ほど、そのまま羅列するだけではアピールしたい経験・スキルや得意分野が採用担当者に伝わりにくくなります。
そこで、職務経歴書に落とし込む際にはメリハリをつけて記載するようにしましょう。
アピールしたい経験や強みについては、「成果」をはじめ、「成果に至るまでのプロセスや独自の工夫」などまで簡潔に記しておくと、読み手が「入社後の活躍イメージ」を描きやすくなります。
特にアピールしたいポイントは、冒頭に100文字程度の「職務要約」を記載しておくといいでしょう。
一方、これから目指すポジションと関連が薄い経験・スキルについては、簡潔な記載にとどめます。
読みやすいレイアウトを心掛ける
職務経験が多い、かつ過去に所属していた企業の事業内容や担当業務内容が直近の仕事と大きく異なる場合などは、直近の仕事内容から書き始め、時系列をさかのぼって職歴を記載する「逆編年体形式」のレイアウトにすると読み手に伝わりやすくなります。
また、レイアウトには統一感を持たせましょう。「年・月」「企業名」「部署名」などを記載する位置、各項目の見出し、本文の頭出し位置などを揃えておきます。フォントもすべて統一しましょう。
書き方見本が記入されているフォーマットをダウンロードして使う場合、見本の文言を流用する部分と自身で入力する部分とでフォントが異なってしまうことがあるため、注意が必要です。
文章だけでなく箇条書きも活用する
文章だけがつらつらと綴られた文書は、見た瞬間に「読むのが面倒」という印象を抱かれるものです。適度に「箇条書き」を活用することでリズムが生まれ、読みやすくなって採用担当者の負担感が軽減されます。
冒頭に「●」「・」をつけたり、項目を【 】で立てたりして、記載情報を整理しましょう。
例えば、次のような項目の記載には、箇条書きを使うとわかりやすくなります。
・業務内容が伝わる数字(担当顧客数/マネジメント対象メンバー数/プロジェクトの規模・期間など)
・業務で活用した技術、ツールなど
・成果が伝わる数字(売上実績/目標達成率など)
・課題とそれに対する戦略、独自に工夫したことなど
職務経歴書を作成する際の関連ノウハウ記事一覧
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倉 千史
新卒で入社した製薬メーカーで約7年MRに従事した後、リクルートキャリア(現:株式会社リクルート)に入社して約5年キャリアアドバイザーとして、求職者の方々の転職支援を行う。現在はヘルスケア領域の営業職を中心に担当。
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