【知財(知的財産)】職務経歴書の書き方と見本・テンプレートダウンロード

転職の選考に進む際には、履歴書と職務経歴書の提出が求められることが一般的で、企業の知財部門への応募の場合も例外ではありません。知財経験者が職務経歴書で強みを伝えるための書き方のポイントについて、リクルートエージェントのキャリアアドバイザーがアドバイスします。職務経歴書を初めて作成する方には見本のテンプレートも用意していますので、ダウンロードしてご活用ください。

知財(知的財産)の職務経歴書のテンプレート見本【フォーマットダウンロード】

企業の知財部門経験者が同職種での転職を希望する際の職務経歴書のサンプルをご紹介します。リンク先よりダウンロードも可能なので、見本を参考にしながらご自身の経歴を記入し、職務経歴書を作成しましょう。

知財(知的財産)の職務経歴書のテンプレート見本

知財(知的財産)の職務経歴書で企業が見ているポイント

企業の知財部門の採用において企業が見ているポイントには、主に次のものが挙げられます。

具体的な経験業務とその成果

企業の知財部門の業務は、大きく次の6つとされています。

  • 特許関連業務(特許出願、特許調査、特許戦略の立案、特許侵害対応)
  • 商標・意匠関連業務(商標登録、意匠登録、ブランド保護)、
  • ライセンス・契約関連業務(ライセンス契約の作成、交渉、管理)
  • 知財紛争対応(訴訟対応、調停、仲裁)
  • 知財教育・啓発社内教育、知財意識の向上
  • 知財戦略立案(知財ポートフォリオの構築、知財に基づく事業戦略の策定)

これらの業務のうち、経験者を採用する場合は特許や商標等の出願・権利化の経験があることを前提に、どの業務に強みを持っているのか、また、自社が求める経験・強みを持っているかなどに企業は着目する傾向にあります。

特許や商標の出願数、取得数、紛争解決数

手間と時間がかかる特許や商標の出願・権利化において、発生する業務をどれだけやってきたか、自社が手がける件数に対応できるだけの件数を扱ってきたかなども、企業が着目する傾向にあり、それは、紛争解決の経験がある場合も同様のようです。

業界特有の知識や技術力

応募企業およびその業界が扱う技術領域の知識や経験は、企業が知財部門への転職希望者に対して求める基本的なスキル・経験の一つであることが多いです。企業が職務経歴書を見る際にも、この点は確認する傾向にあります。

その求人で企業が求めるスキル・経験があるか

企業の募集内容・ポジションによって求められるケースがあるのが、ライセンス契約の経験や、知財化に向けたプロジェクトのリーダーシップ経験、語学力などです。こういった経験を必要とする企業の場合、職務経歴書で経験の有無や携わった規模などを確認することがあります。

知財(知的財産)の職務経歴書の項目ごとの書き方

前述した職務経歴書で企業が見ているポイントを踏まえ、職務経歴書は、「職務要約」「活かせる経験・知識・技術」「職務経歴詳細」「保有資格」「自己PR」などで構成すると、自身の職務経歴や強みなどを分かりやすく伝えることができます。次の点に留意して、各項目を記載しましょう。

職務要約

職務要約とは、求職者のこれまでの職歴をまとめた「あらすじ」のようなものです。職務経歴書の冒頭に記載し、「採用担当者が、求職者の経験・スキルを一目で理解できるようにすること」を目的としています。

したがって、記載する際は、まず、これまでのキャリアの概観を記し、その上で、強みや得意とすること、長く経験していることを記していきます。100字程度を目安に端的にまとめましょう。

活かせる経験・知識・技術

次の職場で発揮できる経験・知識・技術として、企業にアピールしたいものを記載します。アピールしたい内容に応じて、関連するプロジェクトや成功事例を具体的に記載しましょう。箇条書きで記載すると読みやすいでしょう。

職務経歴詳細

これまで従事してきた業務内容とその成果を、勤務先や職位ごとに詳細に記載します。その際、「特許出願件数」「ライセンス契約件数」など、定量情報も含めて記載しましょう。

保有資格

業務に関連する保有資格を記載します。例えば、取得から2年以上経過したTOEIC(R)テストのスコアなど、失効している資格もアピールになる場合は「(失効済)」と付記した上で記載するのもよいでしょう。

なお、記載順に決まりはありませんが、職務経歴詳細の記載順(編年体式または逆編年体式)に揃えた時系列で記載すると、違和感なく読んでもらえる場合が多いでしょう。

自己PR

仕事における自身の強みや特徴としてアピールできるものを2〜3つ記載します。具体的には、まず、仕事における強みや特徴を端的に表現した上で、それを裏づける具体的なエピソードを記載します。具体的なエピソードを交えることで、自身の強みや特徴の根拠を示すことができますし、企業は、求職者の仕事に対するこだわりやスタンスを垣間見ることができます。

また、締めくくりとして、自身のこだわりやスタンスを今後のキャリアや応募先企業の業務にどのような形で活かしていきたいと考えているかを記載するとよいでしょう。

知財(知的財産)の職務経歴書を書く際の注意点

知財経験者の方々が職務経歴書を書く際に注意したい点としては、主に次の3つが挙げられます。

業績や成果を具体的に記載する

知財の職務内容は、基本的なところはどの業種・企業でも大きく変わりません。その中で自身の強みがどこにあり、その強みやこれまでの経験を応募企業でどのように生かせるのか企業に理解してもらうには、抽象的・一般的な説明をするのではなく、具体的に説明することが重要です。

したがって、先述した通り、特許や商標の出願数など、具体的な数字で表せるものは明記することが重要なポイントの一つです。例えば、「特許出願100件以上」と出願件数のみを記載するのではなく、「特許出願100件以上、そのうち50件が承認」と承認件数まで記載できると良いでしょう。

業務内容だけでなく、それに伴う成果や影響も記載する

担当した業務が、事業においてどのような成果を上げたのか、あるいは、影響を与えたのかなども、記載できるものがあれば記載しましょう。例えば、「ライセンス契約を担当」とのみ記載するのではなく、「ライセンス契約を担当し、年間1億円の収益を創出」などと記載できると、実績が伝わりやすくなります。

具体的なエピソードをもとに強みをアピールする

自己PRに強みは記載されているものの、その裏づけとなる具体的なエピソードが記載されていないケースが見られます。具体的なエピソードがあることで、強みの説得力が増しますし、企業も、その人の仕事に対するスタンスを垣間見ることができます。

職務経歴書の書き方の基本

最後に、一般的に言われている職務経歴書の書き方の基本を確認しておきましょう。職務経歴書でまず大切なのは、「読みやすさ」と「わかりやすさ」です。そのために、次のようなポイントを押さえて書類を仕上げましょう。

事前に職務経歴を整理し、アピールしたい経験を強調する

職務経歴書を作成するにあたっては、まず、これまでの「所属企業・部署・チーム」「担当プロジェクト」「手がけた業務」「成果」「身に付けたスキル」などをすべて書き出します。
ただし、職務経験・実績が多い方ほど、そのまま羅列するだけではアピールしたい経験・スキルや得意分野が採用担当者に伝わりにくくなります。職務経歴書に落とし込む際にはメリハリをつけて記載するようにしましょう。

読みやすいレイアウトを心掛ける

職務経験が多い、かつ、過去に所属していた企業の事業内容や担当業務内容が直近の仕事と大きく異なる場合などは、直近の仕事内容から書き始め、時系列をさかのぼって職歴を記載する「逆編年体形式」のレイアウトにすると読み手に伝わりやすくなるでしょう。

また、レイアウトには統一感を持たせましょう。「年・月」「企業名」「部署名」などを記載する位置、各項目の見出し、本文の頭出し位置などを揃えておきます。フォントもすべて統一しましょう。書き方見本が記入されているフォーマットをダウンロードして使う場合にはフォントが異なってしまうことがあるため、注意が必要です。

文章だけでなく箇条書きも活用する

文章だけがつらつらと綴られた文書は、見た瞬間に「読むのが面倒」という印象を抱かれるものです。適度に「箇条書き」を活用することでリズムが生まれ、読みやすくなって採用担当者の負担感が軽減されます。冒頭に「●」「・」をつけたり、項目を【  】で立てたりして、記載情報を整理しましょう。

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新子祐太

複数社で人事担当者として幅広い業務に関わり、1,000名以上の方の面接やキャリア支援の経験を経て、より深く転職に関わりたいと思い、株式会社リクルートにジョインいたしました。現在は、法務・知財の領域を中心にキャリア選択のご支援をしています。

※本記事での内容は取材時点での情報になります。