求人に応募する際には、履歴書とともに職務経歴書の提出が求められます。募集しているポジションで活躍できる経験・スキルを持っていたとしても、職務経歴書でそれが正しく伝わらなければ面接へ進むことができません。
そこで、職務経歴書で強みを伝えるための書き方のポイントについて、リクルートのコンサルタントがアドバイスいたします。職務経歴書を初めて作成する方には見本のテンプレートも用意していますので、ダウンロードしてご活用ください。
経営企画の職務経歴書のテンプレート見本【フォーマットダウンロード】
経営企画の職務経歴書のサンプルをご紹介します。書き方を参考にしてみてください。
リンク先よりダウンロードも可能ですので、見本を参考にしながらご自身の経歴を記入し、職務経歴書を作成しましょう。
経営企画の職務経歴書の書き方のポイント
経営企画の方々が職務経歴を記載する際、意識しておきたいポイント、積極的にアピールしたい経験・スキルなどをお伝えします。
得意領域を明確に示す
一口に「経営企画」といっても、業務範囲は幅広く、中期経営計画の策定・予実管理・新規事業企画・M&Aなど、企業によって担う役割が異なります。経営企画職の場合は、職務経歴を伝える際に「ゼネラリストとして幅広く手がけてきた」といった表現を使うことが多いのですが、採用担当者は「強みとする領域はどこなのか」に注目しています。
幅広く経験してきたとしても、自身が得意とする領域が伝わるよう、冒頭の「職務要約」などの欄に明記しましょう。
課題設定・成果・立ち位置を伝える
担当した業務内容やプロジェクト名をただ羅列するだけにとどまらず、以下のポイントも盛り込むよう心がけてください。
- どこに課題を設定していたか
- 推進する上での立ち位置(リーダー/サポートなど)
- 成果・変化
これらの実績が職務経歴書で伝わらないと書類選考段階で採用を見送られるケースは多数ありますので、しっかりと記載してください。経営陣とどの程度近い位置でやりとりをしていたのかも、採用担当者が注目するポイントです。
「取り組み期間」を明記する
事業企画に近い業務を手がけてきた場合、新規事業の立ち上げやサービスのローンチなどのプロジェクトにかけた「期間」も記載してください。スピード感を重視する企業で特に注目されます。
ポータブルスキルを伝える
「活かせる経験・知識・技術」の欄には、「ポータブルスキル(業種・職種問わず持ち運びできるスキル)」も記載するといいでしょう。経営企画の場合、「プロジェクトマネジメント力」「課題解決力」「社内調整力」「リーダーシップ」などがアピール材料として有効です。昨今では「計数管理力」「データ分析力」も期待を持たれます。
ただし、ポータブルスキルを記載する場合は、面接で聞かれた際に「どのような場面でどのように発揮したか」というエピソードまで語れるように準備しておく必要があります。
ニーズが高い経験は詳細を記載してアピールする
以下に挙げるキーワードは、昨今の経営企画の中途採用市場でニーズが高く、職務経歴書に記載しておくとプラス評価につながります。多少に関わらず、これらに関連する経験をお持ちの場合は、積極的に記載することでアピール効果が高まるでしょう。
- DX(デジタルトランスフォーメーション)
- Web3.0
- ブロックチェーン/NFT(非代替性トークン)
- 人的資本経営
- 事業部横断型プロジェクト
- 新規事業など新たな価値創出を目的としたアライアンス/M&A
いずれにしても、数値的根拠を持って課題を設定し、実行してきた経験・スキルが問われます。
実績を数値で示す
実績を数値で示せる場合は、なるべく書き添えてください。「守り」の面では、「コスト削減」「利益率の改善」「リードタイム短縮」といった予実管理に関する成果、「攻め」の面では、「新規サービスのローンチまでの期間」「売上金額」「利益率」などです。目標に対して上振れの成果を挙げたものについては積極的にアピールしましょう。
自己PRでは「スタンス」「マインド」を伝える
職務経歴書の最後に設ける「自己PR」欄では、「スタンス」や「マインド」など自身の人柄が伝わるように記載するといいでしょう。
「これまでの経験の中でもっとも自分らしさを発揮できた仕事」「強みを活かせる場面」「周囲から褒められたこと」などを振り返り、簡潔なエピソードを交えて記載してください。
職務経歴書の書き方のコツ
職務経歴書で大切なのは、まず「読みやすさ」「わかりやすさ」です。
また、経験豊富であるほど職務経歴の記載が多くなり、強みがどこにあるのかが伝わりにくいことがあります。
作成する際には以下のポイントを踏まえ、よりアピール効果が高い職務経歴書に仕上げましょう。
事前に職務経歴を整理し、アピールしたい経験を強調する
職務経歴書を作成するにあたっては、まず、これまでの「所属企業・部署・チーム」「手がけた業務」「成果」「身に付けたスキル」などをすべて書き出します。
ただし、職務経験・実績が多い方ほど、そのまま羅列するだけではアピールしたい経験・スキルや得意分野が採用担当者に伝わりにくくなります。
そこで、職務経歴書に落とし込む際にはメリハリをつけて記載するようにしましょう。
アピールしたい経験や強みについては、「成果」をはじめ、「成果に至るまでのプロセスや独自の工夫」などまで簡潔に記しておくと、読み手が「入社後の活躍イメージ」を描きやすくなります。
特にアピールしたいポイントは、冒頭に100文字程度の「職務要約」を記載しておくといいでしょう。
一方、これから目指すポジションと関連が薄い経験・スキルについては、簡潔な記載にとどめます。
読みやすいレイアウトを心掛ける
職務経験が多い、かつ過去に所属していた企業の事業内容や担当業務内容が直近の仕事と大きく異なる場合などは、直近の仕事内容から書き始め、時系列をさかのぼって職歴を記載する「逆編年体形式」のレイアウトにすると読み手に伝わりやすくなります。
また、レイアウトには統一感を持たせましょう。「年・月」「企業名」「部署名」などを記載する位置、各項目の見出し、本文の頭出し位置などを揃えておきます。フォントもすべて統一しましょう。
書き方見本が記入されているフォーマットをダウンロードして使う場合、見本の文言を流用する部分と自身で入力する部分とでフォントが異なってしまうことがあるため、注意が必要です。
文章だけでなく箇条書きも活用する
文章だけがつらつらと綴られた文書は、見た瞬間に「読むのが面倒」という印象を抱かれるものです。適度に「箇条書き」を活用することでリズムが生まれ、読みやすくなって採用担当者の負担感が軽減されます。
冒頭に「●」「・」をつけたり、項目を【 】で立てたりして、記載情報を整理しましょう。
例えば、次のような項目の記載には、箇条書きを使うとわかりやすくなります。
・業務内容が伝わる数字(担当顧客数/マネジメント対象メンバー数/プロジェクトの規模・期間など)
・業務で活用した技術、ツールなど
・成果が伝わる数字(売上実績/目標達成率など)
・課題とそれに対する戦略、独自に工夫したことなど
職務経歴書を作成する際の関連ノウハウ記事一覧
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渡辺悠華
新卒で金融機関に入社し、法人オーナーや地権者向け資産承継コンサルティングや行員向け研修企画の立案・運営に従事。2019年より株式会社リクルートに転職。ハイキャリア領域コンサルタントとして転職支援を行っている。
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